京都のリーマンメモリーズ

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【書評】稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質  名和高司  日本経済新聞出版

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今週のお題「冬のスポーツ」

冬のスポーツと言えば、アイスホッケーですね。こちらは、氷上の格闘技と言われています。しばしば乱闘になるので、見ていて思わず熱くなりますね。さて、経営の方でも熱い経営者がいます。今回は京都から世界企業を育て上げたお二人の共通点を探るすんごい本を紹介します。(笑)

【1.本書の紹介】

「部屋とワイシャツと私」

 

「東大と野球部と私」

 

とくれば、「稲盛と永守と私」ですね。(笑)

 

残念ながら、今回「私」は入ることができませんでしたが、会社員としては、このお二人に並ぶことはとても名誉なことなので、「私と稲盛と永守」を目指して頑張りたいと思います。

 

稲盛和夫さんと永守重信さん、ビジネスマンなら知らない方はいないというほど著名な方です。

 

稲盛さんは、京セラの創業者で、KDDIを優良企業に育てあげ、JALの再建を成し遂げたことで有名な経営者です。

 

永守さんは日本電産というモーターを製造販売する会社の創業者で、M&Aを次々に成功させていることでも有名な経営者です。

 

このお二方の共通点の1つは、京都をベースとしてグローバルに事業を展開していることです。

 

実は、そのお二人と私の共通点があるんです!

 

それは、京都に住んでいるという事です。(笑)

 

そのおかげもあり、お二人ともに間近でお顔を拝見したことがあります。

 

たまたまですが、やはり京都にいるとそんなこともあるんですね。

 

われわれ会社員からすると、お二人はスーパーアイドル並みの雲の上の存在の方なので、実際に見かけたりするととてもうれしく思います。

 

さて、企業業績もさることながら、その経営哲学も信奉されているお二人の共通点には、どんなものがあるのでしょうか?

 

【2.本書のポイント】

私は、現在の混迷した社会を思うとき、私たち一人ひとりが、どのような環境に置かれようとも、自らを磨き、人格を高めようとひたむきに努力し続けることが、一見迂遠に思えても、結局は社会をよりよいものにしていくと信じています(稲盛)

 

永守が起業を決めた時、終始反対していた母は、最後に「会社を起こすなら、人の倍働くか。倍働かないと、成功できんよ」と語ったという。

 

稲盛と永守。人を中心におき、経営の軸をブレさせない点においては、驚くほど共通している。

 

稲盛は「色つきの夢」を見なければならないと説く。そうすれば、現実のものにしたいという意欲が湧くからだ。 一方、永守は”All for Dreams” を日本電産のロゴとして掲げている。そして夢は必ず実現できると信じている。

 

現代社会では、物事を科学的に解釈することばかりに重きを置き、「良き人間、良き世の中をつくっていくためには、どういう考え方をし、いかなる哲学を樹立したらよいか」というところが忘れられているのではないか(稲盛)

 

日本電産は創立当初から、三大精神を掲げている。「情熱、熱意、執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」の3つだ。

 

キミたちは、自ら燃える自然性の人間であってほしい。少なくとも、燃えている人間が近づけば、一緒に燃え上がる可能性のある人間になってもらいたい(稲盛)

 

いまこそ経済成長至上主義に代わる新しい国の理念、個人の生き方の指針を打ち立てる必要がある(稲盛)

 

時間だけは神様が平等に与えて下さった、これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した人がこの世の中の成功者なんだ(本田宗一郎)

 

単に残業をなくすだけでは、日本の競争力は地に落ちることは目に見えている。「平成の失敗」の愚挙を繰り返さないためにも、働き方改革ではなく、生産性の倍増こそを目指さなければならない。そのためには、デジタル技術をテコとした人財スキルの抜本的な高度化こそが、本質的な課題となる。

 

近い将来、メカよりも人間に興味を示す技術者が大きな成果を上げる時代が、必ず来ると信じている(永守)

 

経営の原点は、「常に”はじめに志ありき”でなければならない」(永守)

 

夢を抱けない人には創造や成功がもたらされることはありませんし、人間的な成長もありません(稲盛)

 

夢を形にするのが経営だ(永守)

 

経営をするには経営戦略が大事だ、経営戦術が大事だと一般にはいわれていますが、一生懸命に働くということ以外に成功する道はないと思っています(稲盛)

 

楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽天的に実行する(稲盛)

 

新しい価値を生み、競争力の源泉となるのは、ヒトにまつわる見えない資産である。組織資産、人的資産、顧客資産の3つだ。

 

常に未来の可能性に向かって挑戦し続けること。そのようなプラス思考が、ヒトの能力を無限大に高め続けていく。そしてそれが、企業の持続的な成長のドライバーとなる。

 

1に販売、2、3、4がなくて、5に技術開発(永守)

 

部下の痛みを自らの痛みと感じ、共に分かち合うことのできる人間こそ、心で人を動かすことができる一流の人間(永守)

 

強い熱意や情熱があれば、寝ても覚めても四六時中そのことを考え続けることができます。それによって、願望は潜在意識へ浸透していき、自分でも気づかないうちに、その願望を実現する方向へと体が動いて行って、成功へと導かれるのです。 (稲盛)

 

「働く時間をなるべく少なくして、楽しくお金を稼ごう」という最近の風潮は人間性を高めていくという、労働が本来持っている崇高な意義を捨て去り、人間を成長させる貴重な機会を、われわれから奪っていることになるのです(稲盛)

 

私は、やはり人間性、人間の徳をもって相手の信頼と尊敬を勝ち取り、人を治めていかなければならないと思っています。(稲盛)

 

【目次】

はじめに 

第Ⅰ部 二人のリーダー

 第1章 リーダーの条件

 第2章 リーダーの奇跡

 第3章 リーダーの素顔

第Ⅱ部 「盛守」経営の解明

 第4章 アメーバ経営の本質

 第5章 永守戦略の真髄

 第6章 「盛守」モデルの共通点

 第7章 大義と大志

 第8章 経営の押さえどころ

 第9章 魂を揺さぶる

終章 「盛守」経営の未来

おわりに 

【3.本書の感想】

ちょっと固い感じがしましたでしょうか?(笑)

 

このお二人は、単にお金儲けを目指すのではなく、企業活動を通じて良い製品を作ると共に、人間も育てています。

 

働くことを修行とまでは言いませんが、人間が磨かれる場だととらえ、労働をお金儲けを超えたものとしてとらえています。

 

そして、経営は難しいので、経営者はとにかく悩みます。

 

その悩みに真摯に向かい合ってきたお二人だからこそ、たくさんの悩み、思いを言語化し、多くの経営者から信頼を得ています。

 

最近流行りの、仕事を単に時間短縮して楽をしてお金を稼ごうという風潮には、NOを突き付けています。

 

一生懸命働く。

 

その過程で人間性も磨かれるという大変貴重な場であり、仕事は単に生活費を稼ぐための場所ではないと考えています。

 

だから、このお二方の経営する会社で働くことはとてもハードだと思います。

 

正直、きついと思います。(笑)

 

しかし、経営がうまく行っている姿を見ると、社員の方も含め一生懸命やっている。

 

その点は間違いないと思います。

 

この本では、経営を高めることが説かれています。

 

京都を拠点として、世界的企業に育て上げたお二方の経営哲学がこの1冊で学べます。

 

経営者の方、指導者の方は是非ご覧ください!

 

稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質 (日本経済新聞出版)

 

【4.関連書籍の紹介】

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