今週のお題「復活してほしいもの」
それは、「9番ピッチャー、桑田。背番号18。」
桑田投手が投げる試合は、投手戦となり、緊張感のある試合になります。ホームランがたくさん出る試合もいいですが、大人になると、投手戦に味わいを感じるから不思議です。今回は、あの名投手桑田さんが、あの日本の最高学府と言われる東大の野球部を指導した記録を公開しているという、すんごい本を紹介します。
【1.本書の紹介】
こちらの本の題名は、名曲「部屋とワイシャツと私」から連想されていると思われますが、とてもいい題名だなと思いました。
つい最近、受験会場で「東大と受験生と私」と思われるような高校生による傷害事件がありました。
そのうち、週刊誌でそんな題名で手記が掲載されるような気がします。
私の本の題名なら「京都と会社と私」になるでしょうか?
内容が面白くなさそうですね。(笑)
「京都とブログと私」の方がおしゃれですか?
どちらも変わらない?
失礼しました。(笑)
ちなみに、桑田真澄さんの息子さんのことご存じでしょうか?
靴職人をやっている人ではありません。
それは、貴乃花親方の息子さんの方です。(笑)
間違って覚えている人がいましたら、お気を付けください。
桑田さんの息子さんは、最近ウーバーイーツのCMで松嶋菜々子さんと共演して、話題沸騰中のMATTさんです。
こちらです。
話が横道にそれました。
この本は、桑田さんが東大の野球部を指導した記録が紹介されています。
東京六大学野球でほとんど勝てていない東大野球部への指導とは、どのようなものだったのでしょうか?
桑田さんが指導して何か変化があったのでしょうか?
【2.本書のポイント】
キャッチボールでは、「さあ行こうぜ」と大きな声を掛け合っていましたが、途中から声を出さずに投球・呼吸動作に集中するよう伝えました。
野球選手はプレーが止まる一球ごとに「準備」「実行」「反省」というプロセスを繰り返します。練習では、このプロセスを「やりきる」ことが大切 。
みんなで一人の選手をやじることは、スポーツマンのすることではない。
「常識を疑い、仮説と検証を繰り返す」ことで、自分でピッチング理論を構築していくことにしました。
「足腰を鍛えなさい」「体幹を鍛えなさい」と言われる最大の理由は、バランスよく立ち、ヒップファーストを作り、ここから体重移動する時に下半身の筋力と柔軟性、バランス感覚が必要だからです。
結果を変えるために、まずプロセスを変えましょう。
なぜ勝てないのか、その「なぜ」を自分でしっかり考えていきましょう。
他校の何倍も練習しなきゃいけないと思わなくていい。練習で大事なのは量や時間ではない。効率的な練習をしたら、早く帰ってしっかり休養をとってください。
何か一つ、今日も「気づき」があるようにしてください。ただ漠然と100球投げたり打ったりするのではなく、一球ずつ何か感じ取れるようにしてください。
まずは、「常識を疑う」ということ。野球に関して、今まで聞いたこと、教わったこと、本で読んだ言葉、もう今の時代には合わなくなっている可能性もあります。みなさん東大生は、頭脳を持っています。常識にとらわれず、今の自分に何が必要なのかしっかり考えてください。
打撃はダウンスイングではなく、レベルスイング、もしくはわずかなアッパースイングの方が適しています。なぜなら、ボールの軌道を点ではなく線、もしくは面で捉えることができるからです。
僕の打撃理論は「打つ」のではなく、「(バットで)キャッチする」「(バットの芯で)捕る」というイメージです。
送球では、胸や顔ではなくベルトを目がけること。
年明けに集合する時、心身ともにベストコンディションで練習をスタートできるようにしておくこと。それが、オフのいちばんの目的です。ただ、体は休めても頭は使ってください。
自分のポジションを練習するだけでなく、相手のポジションも練習するのです。
やり続けるのはしんどいと思いますが、それを乗り越えて、自分に勝つ練習を普段からしていきましょう。
プロアマを問わず、打たれるのはやはり真ん中近辺だということです。
投球術は、気合や根性でなんとかなるものではありません。カウント球 見せ球、勝負球を使って、どうやって抑えるか戦略を立てて投げてください。
投球でも守備でも、準備・実行・反省の3つをいつも忘れないでください。
「野球では頭脳プレーが大事」と言われますが、勉強の頭の良さと野球の頭の良さは違うということも実感しました。頭脳明晰な東大の野球部員であっても、勉強脳がそのまま野球脳として発揮されるわけではありません。また、人生を切り開くために必要な頭の良さも、また違った種類のものだと思います。
僕はこれまで、小学生から大学生、社会人に至るまで、高校生以外の全てのステージで野球の指導を経験してきました。その指導経験や大学院での勉強を通して感じたのは、「日本の野球は世界一である」ということです。日本の野球界の先人たちが築き上げた野球道の価値観は世界に誇れるものだと僕は確信しています 。
【目次】
はじめに-「教え」と「学び」を追い求めて
第1章 「野球伝来」のチームだからこそ
-今日の野球は東大から始まった
第2章 勝つために、自分から変わろう
第3章 敗戦の中で続く成長
第4章 大事なことは「明日」と「次」
第5章 「1勝」をつかみ取るために
第6章 科学の視点から野球を再認識する
特別対談 東大と野球部と私たち
【3.本書の感想】
とってもイイです!
桑田さんのファンなら、確実に感動すると思います。
サザンの桑田さんのファンの方も同じく感動できると思います。(笑)
あの、名投手桑田さんの野球経験と指導経験から、東大野球部員への的確な練習方法が実施されて、確実にそのレベルが上がっているのが感じられます。
特に私たちの少年時代は、野球は明らかに根性モノで、ひたすら練習に耐えることが当然とされていました。
そして、アニメ「巨人の星」を代表とするスポコン(スポーツ根性)モノは、とりあえず耐えることが要素の1つになっていたと思います。
その忍耐を乗り越えて、試合に勝つところに、私たちは感動の涙を出しました。
しかし、今は科学が進歩して、運動に対しても以前とは考え方が異なり、日々の練習についても違った方法が採用されるようになってきています。
つまり、練習に求められるのは根性ではなく、質や効率です。
桑田さんは、今まで常識だと思われていたことを疑い、本当に効果ある練習方法を考え続けています。
なるほど、今言われると確かにそうだ!と思われるようなことがたくさん紹介されています。
野球は、日本に伝わってきて100年以上の長い歴史を持っています。
その途中に戦争の時代がありました。
「野球」は、戦争を生き抜く中で間違った野球道となり、絶対服従が当然となった流れがあります。
つまり、監督や先輩が言ったことは絶対、という考え方がまかり通るようになりました。
そこを直すべきだと桑田さんは言います。
例えば、単に「私がこう習ったから」という理由で、不効率な練習をしているなら、それはやめるべきだという事です。
そうすれば、野球はもっとよくなります。
この本を読んで、改めて野球というのは根性で乗り越えるものではなく、野球脳で乗り越えるものだなと思いました。
これは、日本トップの勉強脳を持つ東大生が、他大学に簡単に追いつけないところでもあるそうです。
おそらく、東京六大学野球ほど、東大がクソミソに扱われている場はないと思います。
社会に出ると、いろんなところで東大に牛耳られています。
これは悪い事ではなく、優秀な人が統治するという意味ではとてもいい事です。
ただ、東大だからといってすべてが正ではないだろう!と感じている人はたくさんいると思います。
その思いを堂々と晴らせるのが、唯一、東京六大学野球だと思います。(笑)
そう考えると、東大コンプレックスの捌け口と言う意味では、とても重要なポジションですね。
どう見ても実力が違う大学を、いつまでも同じ土俵で戦わせている理由が理解できた気がします。
ですからぜひ、東大卒の上司にいやな目にあわされた時は、東大戦を見に神宮球場へ行ってください。
そして、大声で叫んでください。
もし、東大が勝ったなら、その時は素直に、東大に大きな拍手を送りましょう。
この本は、野球に関係する人は絶対に読むべき本の1冊です。
そして、ビジネスマンにも、教育関係の方にも役立つ話題、考え方が書かれています。
とてもいい本です、是非ご覧ください!
【4.関連書籍の紹介】
日本のプロ野球に頭脳を持ち込んだ初めての人は、やはり野村監督ですね。
ハンマー投げという一瞬で勝負がつくスポーツでも、その一瞬の為に様々ことを考え、努力している姿がわかります。
早咲きがすべてではありません。地道に努力して咲く花もあるんですね。
最後までのお付き合いありがとうございました!