京都のリーマンメモリーズ

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【書評】ベゾス・レター アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則 S&K・アンダーソン すばる舎

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アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスが、株主に向けて発表される手紙から、アマゾンの成長の秘密を明らかにした本です。

 

 

【1.アマゾン本と本書の違い】

アマゾンを褒めちぎるだけの他の本とは中身が違います。

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例えばこの本、読書好きな方には大変有名な成毛眞さんの作品です。

 

「アマゾンは凄い!ということさえ知ればいい。」そんな感じの内容です。(笑)

 

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こちらは、立教大学ビジネススクール教授の田中道昭先生の作品です。

 

アマゾン本で一躍時の人となった方です。

 

上記3冊の感想を述べますと田中先生はアマゾンが大好き。

 

そんな感じです。(笑)

 

さて、今回紹介する本から、著者の解説をもとにベゾスレターを読むと、その考え方や成長の源などがよく理解できます

 

ここまでしっかりした考え方のもとでやれば、大企業であっても、更に成長し続けることができるのだと納得しました。

 

ベゾスは天才です。

 

天才が作り上げたリーダーシップ14ヵ条で、60万人の社員が同じ方を向いて動きます。

 

例えば、成長の源の1つとして、「いい失敗」を上げています。

 

革新的な事をやるためには、失敗は付きもので、もし、失敗したのであれば、その失敗から学べば次は成功するという考え方です。

 

大企業になると、一度失敗すると取り返しがつかないことになるので、誰もやりたがりませんので、新しいことを自ら行わなくなります

 

それを、アマゾンは自ら、賭けをしていくと宣言しています。

 

アマゾンに勤める世界の優秀な頭脳が考えた新規事業であれば、成功しそうなものですが、それでも失敗することはあるし、失敗は必ずしも悪いものではないと断言しています。

 

こんな会社にどこの会社が勝てるでしょうか?

 

意外だと感じたところは、今だに、顧客重視であること、長期視点であること、起業1日目の精神を大事にしていることです。

 

これは、大企業になると忘れてしまうことだと思いますが、ベゾスは、これは外せない項目として、リーダーの14ヵ条に入れたり、ビルの名前にしたりして守り続けています。

 

だから、成長が止まらないのだと思いました。

 

アマゾン・ゴー、アマゾン・エコー、AWSこれらは、アマゾンの過去の一部分でしかありません。

 

これからも新しい商品、サービスが出てくるでしょう。

 

次々に新しい商品が出せる理由は何?

 

それは、この本に書いてあります。

 

アマゾンと同じことができれば、業界が違えども、他社を大きく引き離せるに違いありません。

 

【2.本書のポイント】

ベゾスが他の人と違っていたのは、常に市場の求めているものを試して、顧客のためにアイデアを生み出し続けたことだ。


人がどう動くかに用いるのが「リーダーシップ14ヵ条」で、事業や組織をどう動かすかに用いるのが「成長への14ヵ条」という言い方もできる。


アマゾン「成長への14ヵ条」
■実験
第1条 「いい失敗」を促す
第2条 大きなアイデアに賭ける
第3条 ダイナミックな発明や革新を実践する

■構築
第4条 顧客にこだわる
第5条 長期的な考え方を採用する
第6条 自分の「弾み車」を理解する

■加速
第7条 決定は迅速に行う
第8条 複雑なことは単純化する
第9条 テクノロジーで時間を短縮する
第10条 所有者意識を持たせる

■規模の拡大
第11条 企業文化を守る
第12条 高水準を重視する
第13条 重要な項目を計測し、計測も計測項目を疑い、自分の直感を信じる
第14条 常に1日目だと信じる

 

アマゾンでは、R&D (研究開発)部門は実質的に会社全体ーつまり、アマゾンで働く全員を指す。ここにはもちろん、ジェフ・ベゾスも本人も含まれている。


夢のようなサービスや商品には、少なくとも次の4つの特徴があります。
・顧客に愛されていること
・規模を大きく拡大する余地があること
・資本利益率が堅調であること
・何十年でも、時代の変化に耐えられること

 

「20年以上前にお約束した通り、当社はこれからも変わらず果敢に賭け続けていきます。」


失敗と革新は対の関係にあり、切り離すことができません


ベゾスは発明を全社員の職務だと考えているし、アマゾンの成長を促す中核的な原則だと捉えてもいる。


ベゾスが社員に対して期待するのは、あらゆる業務に対して、「もっといいものにするにはどうすればよいのか。効率を上げるにはどうすべきなのか」と問いかけることなのだ。


アマゾンにはどの社員にも実験できる環境が与えられていて、その中で生まれた最高のアイデアは積極的に全員に共有されている。


ベゾスが求めているのは、常に創造的思考だ。


組織には、「正気ではない」ように思えるアイディアでも実践することを心から受け入れられるような環境が絶対に必要だ。


今の時代、ほとんどの事業で十分なリスクを取らないことこそが最大のリスクなのだ。


アマゾンが求めているのは顧客の幸せだ。


顧客なしで成長できる企業など1つもない

 

カスタマーエクスペリエンスの三本柱
・低価格

・最高の品揃え

・早くて便利な配送


「間違いなく、お客様が小売業で重視しているのは、価格の安さ、品揃えの多さ、そして配送の速さと使いやすさです。この傾向は時が経っても変わらないでしょう。」


アマゾンは常にこう自問している
顧客は誰なのか
・顧客が抱えている問題または顧客のビジネスチャンス
・顧客のメリットの中で1番大切なのは何
・顧客の要望はどうすればつかめるか
・顧客はどんな体験ができるのか


お客様にすごいと言わせたいという意欲があれば、革新のスピードが落ちる事は無いのです」


ベゾスの意思決定に対する姿勢は、まず「すべての判断を同じように扱うべきではない」と認識するところから始まっている。ベゾスの解決策は、意思決定を2種類にはっきり分けることだった。
1.1型は、重大かつ後戻りのできない大きな決定。
2.2型は、変えることも取りやめることもできるもので、うまくいかなくてもこの世の終わりにはならないような決定。


欲しい情報のうち7割くらいが得られたら、おそらくもう決定すべき時期です。9割になるまで待っていたら、たいてい手遅れでしょう。それに、決定が間違っていた時にすぐ気づいて修正する能力は、どちらにしても必要です。」


アマゾンの社員は1型と2型の違いを理解していて、一つひとつの決定に適切な時間と労力を注ぐ。


ベゾスが重視しているのは、一度決まったら全力で取り組むことだ。


ベゾスが社員にいつも説いていることがある。事態がうまく回らなければ、何が駄目だったのかを学び、次に成功させる方法を見つければいい。だから、最初はゆっくり始めなさい


「私にとっては、間違いなくパワーポンチよりも6ページメモの方がお勧めです。わざわざ事前にメモを読まなくて済むよう、会議の最初30分間に組み込んだのです。」


■6ページメモの要素と作成手順
1.プレスリリースを書く
2.「よくある質問」を書く
3.ユーザインタラクションを定義する
4.マニアルを書く
5.以下の質問に答える
・顧客は誰なのか
・顧客が抱えている問題またはビジネスチャンスは何か
・顧客のメリットの中で1番大切なのは何か(最も影響力の大きいメリットを1つだけ選ぶ)
・顧客の要望はどうすればつかめるか(プロジェクトのスタート地点を明確にする)
・これからどんな体験ができるのか(顧客がどう反応するかを予測する)


「経営学者があまりにも実務上の決定にばかり関心を向けていると、組織は効率性だけを応用になり、その結果、不適切な方向に進んでいることに気づかないことがある」


ベゾスは、速度を上げて時間を短縮するためにテクノロジーを活用してきたことが、他社よりアマゾンが成功している要因の1つだとわかっているのだ。


指数関数的成長では、初めの動きは非常に見誤りやすいのだ。


「当社がこれから成功するか否かは、やる気に溢れた社員をどれだけ集めて手元に留めておけるかに大きくかかっています。そのような社員であれば必ず、アマゾンを自分のこととして考えられるようになります。そうすれば実際に、アマゾンは社員一人ひとりのものになるのです。」


アマゾンリーダーシップ14ヵ条
・顧客へのこだわり
・オーナーシップ
・想像と単純化
・多くの場合正しい
・学び、そして興味を持つ
・ベストな人材を確保し育てる
・常に高い目標を掲げる
・広い視野で考える行動する
・質素倹約
・人々から信頼を得る
・より深く考える
・意見を持ち、異議を唱えたあとは、納得して力を注ぐ
・結果を出す


■社内改革ー労働基盤の構築と維持に向けた取り組み
・キャリア選択制度
・退職ボーナス制度
・在宅コンタクトセンター


「このドアデスクの意味は、創意工夫や独創性や独自性、そして自分の道を行くと言う強い意志だと考えています。」


アマゾン特有の文化の1つが、ほぼ全員がアイデアを思いつく力と、そのアイデアを上司に売り込む力と、そのアイデアが十分いいものであれば、、許可を得てから実験して仮設の正しさを確認する力を備えているということだ。


「当社の企業文化では、新たな事業を大きな可能性があり、革新的で他社と差別化されていなければなりません。ですが、生まれた日から大きな事業である必要は無いのです。」


当社で働くのは簡単ではありません(長い時間働くこともできるし、猛烈に働くこともできる。賢明に働くこともできる。ただし、アマゾン・ドット・コムでは、この3つから2つを選ぶことができないと言うことです)が、私たちは全員で重要なものを作り上げています。


面接後の採用会議での3つの質問
・その応募者を尊敬できるか
・これから入る部署で業務効率の平均レベルを引き上げることのできる人材か
・何らかの傑出した面を持っているか

 

本当に一流の人は、成績を上げるのはもちろん、一流に囲まれて仕事をしたいもの


アマゾンは労働環境の厳しさでも有名だ。最高レベルの社員でも試される場だと言える。一流の社員にとってさえ厳しすぎる場合もあるかもしれない。


数字だけではなく過去の経験事例に基づく情報も評価すべきだというのが、ベゾスの起こした変革だ。


自己評価は、まず、市場シーダーソップがはっきりと測れる項目を使って行います。すなわち、顧客と売り上げの増加、顧客のリピート購入率、ブランド力です。」


「一定の量があれば、固定費を得られると言うことであり、だから当社には収益性があるということ」


創業時、アマゾンが頑固と言えるほどこだわっていたのは、顧客の要望に応えることや顧客を「喜ばせる」ことだった。当時の価値観をいつまでも忘れずに大切にし続けたい。そのよりどころになっているのは「1日目」と言う概念だと言える。


ここで重要なのは、売り上げ1000億ドルの会社になっても「1日目」の精神を持って、こう考え続けることだ。顧客はほかの会社に何を求めているのだろうか。うまくいっている会社は何を始めているのだろうか。その情報をどう使うと、自社の顧客へのサービスをいいものにできるだろうか。


1日目を忘れないための鍵は心構えだ。成熟した会社に1日目精神を取り入れると、創業当時にうまくいっていたことだけに絞って取り組めるようになる。スタートアップでの仕事は、労働時間も長いし、自分を犠牲にもしがちだ。その分疲れ切ってしまうことが多いものの、爽快な時間でもある。


「1日目を守るためのスターターキットをご紹介しましょう『お客様へのこだわり』『プロキシへの開示的な視点』『社会の流れを受け入れようとする努力』、そして『迅速な意思決定』です。


ベゾスが着目しているのは常に長期的な視点だ。日常業務をほとんど社員に任せて、ベゾス自身はアマゾンのあるべき姿をじっくりと考えている。アマゾンにどうなって欲しいのか、次に起きて欲しいこととは何か、と思考を巡らせているのだ。


ベゾスは常にアマゾンが誕生した場所には土台となるインフラストラクチャーがあったことをわかっている。

【3.本書の感想】

アマゾンは事業として、基礎が成り立っているので、ベゾスが力を入れなくても成長路線は変わらないと思います。

 

ベゾスは、アマゾンが既存のプラットフォームを利用して大きくなったように、今度は自分が宇宙のインフラを作るために力を注いでいます

 

ベゾスは高校生の卒業式の答辞で、地球は人間が住むには資源が足りないので、地球を国立公園みたいにして、普段は宇宙に住んで休暇になったら地球に帰って来るべきだと言っています。

 

今、正にその考えの通り、宇宙事業(ブルー・オリジン)を進めています。

 

ベゾスは宇宙事業を営んでいたんです!

 

ご存知でしたでしょうか?

 

そう言えば聞いたこがありますが、テスラのイーロン・マスクの方ばかり気にしていました。(笑)

 

宇宙事業は、収益の面からすると、しばらくは赤字続きの事業です。

 

ここには、やはりアマゾンの好業績が必要です。

 

アマゾンの業績が悪いと、宇宙への投資も終わってしまう為、そういう意味では、真剣にアマゾンを成長させるための施策は引き続き行っていくと思います。

 

アマゾンを宇宙のインフラ作りに利用している人もいるのに、ただモノを安く買う為だけに利用している自分をみて小さく感じてしまいました。(笑)

 

ベゾスがブルーオジンへの思いを下記動画で語っています。


Blue Origin's Mission

 

アマゾンの収益は宇宙開発に繋がり、未来の宇宙生活の基礎を築きます

 

安いから買うのではなく、今後は、夢とロマンを持って、アマゾンでお買い物をしましょう!

 

アマゾンの創業者の考え方を知りたい方は是非、ご一読下さい!

ベゾス・レター:アマゾンに学ぶ14ヵ条の成長原則

 

【4.アマゾン関連の紹介】

著名な日本人成毛眞さんが書いたいたアマゾン本です。こちらも合わせてご覧下さい!↓

 

amazon 世界最先端の戦略がわかる

今ならなんと「amazon 成毛眞著」が聞き放題で聞けます!

 

田中道昭先生の本の紹介3連発です。

こちらは大変読みやすく、アマゾン初心者には一番わかり安い本だと思います。アマゾン関連でどの本を買おうかと迷っている方は、こちらをご購入して下さい!

アマゾンが描く2022年の世界 すべての業界を震撼させる「ベゾスの大戦略」 (PHPビジネス新書)

 

続いては、田中先生が金融機関勤務経験からその知識と経験を生かして、この可能性に言及しています。アマゾン銀行ができても、もう、不思議ではないでしょう。

アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融シナリオ

 

最近、新聞紙上でもGAFAはよく聞く言葉ですね。GAFAの中国版がBATHなんです。実は、その実力はGAFA以上とも言われています。日本が見ておくべき脅威はこちらかも知れません。GAFAばかりみていると、BATHに足元をすくわれる可能性があります。こちらも是非ご覧下さい!

GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略

 

一時期、アマゾンに自分の企業が殺されると思う人がたくさんいました。そんな経営者に向けて、アマゾンに負けない為にはどうするべきかと、実例を交えながらエールを送ったのがこの本です。 アマゾンを迎え撃つ勇気を得たい方はこちらをどうぞ!

www.fukuikeita21.com 

 ベゾスは天才です。

では、歴史上の天才はどんな勉強をしていのでしょう?

ご興味のある方はこちらをどうぞ!

www.fukuikeita21.com 

 

身長はまだ伸びます!

20歳を過ぎた大人でも90日間で1cm以上身長が伸びる方法!

 

いろんな事に効きます!

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最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

 

【5.追記】

きらとしくんさんとすばる舎さんからリツイートして頂きました!

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すばる舎さん、きらとしくんさん、ありがとうございました!