京都のリーマンメモリーズ

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【書評】両利きの経営  「二兎追う」戦略が未来を切り拓く   チャールズ・A・オライリー マイケル ・L・ タッシュマン 東洋経済

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【本書の紹介】

本書は、ビジネスマンの間ではめちゃくちゃ話題の本となっていて、知らない人はいないと言うほど有名な本になっています。

 

解説を担当しているのが、今をトキめく入山章栄さんと、企業再生のキングカズこと冨山和彦さんです。

 

このお二人がおススメしている点で、この本の素晴らしさは間違いないでしょう!

 

さて、両利きって何でしょう?

 

二兎追うとは何でしょう?

 

企業が存続し続ける為に、必要なことは何なのでしょうか?

 

それが、この本には書かれています!

【本書のポイント】

リーダーは既存の資産や組織能力を深化し、今日の収益源である成熟事業で競争しながら、新規事業を探索して未来の非常に備えなければならない。

 

「自社の顧客には何が必要か」から始まる戦略の方がはるかに安定している。この問いかけをした後で、自社のスキルとのギャップを調べていくのだ。(ジェフ・ベゾス)

 

進化論の三つの基礎は、「多様化」、「選択」、「維持」。  

 

組織に突きつけられる基本的な問題は、現在の生存能力を確保するために十分な深化活動に関与すると同時に、未来の生存能力を確保するために十分なエネルギーを探索活動に捧げることだ(ジェームズ・マーチ)

 

ベストの企業は自分で変化を作り出せる企業だ(古森重隆)

 

両利きの経営では、リーダーたちは優れたマネージャーかつ優れたリーダーでなくてはならない。変化に直面して成功するために、組織は両方を兼ね備える必要があるのだ。

 

両利きの経営の真の優位性は、新参者の競合他社が持っていない、あるいは、新たに開発しないといけない資産や組織能力を使って、ベンチャーが有利なスタートを切れるところにあるのだ。

 

IBM に欠けていたのは、脅威や機会を見抜く力ではなく、それに対処するために、資産の再配分や組織再編を行う組織能力であった。

 

研究結果によると、より多くの資産を持ち、激しい競争にさらされている企業にとって、両利きの経営がより役立つのは、不確実な状況に置かれている時だ。また、製造業よりも技術系企業の方が、両利きの経営の重要性が高い。

 

両利きの経営のリーダーの場合、矛盾含みの戦略要件に注意を向け、対処することができなければいけないのだ。

 

技術の移行と、それに伴う組織の断続的な変革は業界外から引き起こされることが多い、新規参入者はある産業の基本中の基本となっていることに疑問を投げかけ、既存企業の免疫反応を誘発する。既存企業は往々にして、数々の組織の前提や認識モデルにがんじがらめで、新しい技術領域を効果的に探知できなくなっている。 

 

私たちが一緒に仕事をしたある企業では、部屋中に市場データ、競合他社の分析、ベンチマーキング情報というお決まりの戦略メニューが書かれた紙を貼りだし、幹部チームに「ギャラリーウォーク」を通じてこれらのデータの向上に努めるように促していた。

 

【目次】

解説 なぜ「両利きの経営」が何よりも重要か 入山章栄

はじめに  

第1部 基礎編-破壊にさらされる中でリードする 

第1章 イノベーションという難題

第2章 探索と深化

第3章 イノベーションストリームとのバランスを実現させる

 

第2部 両利きの実践-イノベーションのジレンマを解決する

第4章六つのイノベーションストーリー

第5章「正しい」対「ほぼ正しい」

 

第3部飛躍する-両利きの経営を徹底させる

第6章両利きの要件とは?

第7章要としてのリーダー(及び幹部チーム)

第8章変革と戦略的刷新をリードする

解説 イノベーションの時代の経営に関する卓越した指南書 冨山和彦

【本書の感想】

簡単にまとめますと、本業が上手く行っているうちに新しい事業を見つけて育てましょう。新しい事業は既存の事業と矛盾する場合があるので、そのマネジメントは難しいが、そこは強力なリーダーシップで乗り越えましょう!という内容です。

 

言っていることは至極普通です。(笑)

 

そんなに珍しいことではありません。

 

ただ、言うことは理解できるが、実際にやるのは難しいということです。

 

企業の栄枯盛衰を見ていると、本業を磨く(深化する)だけに専念した企業は時代の盛衰と共に消え去ってしまっています。

 

成功事例としてわかりやすい例が、この本でも取り上げられていますIBMの例です。

 

IBMは、いわゆるパソコンという箱売りをやめ、ソリューションを販売するというサービス企業に変革しました。

 

当時、IBMがパソコン事業を譲渡するというニュースを聞いて、めちゃくちゃたまげたのを覚えています。(笑)

 

しかし、そのくらいのことをやらないとIBMは生き返らなかったんだと言うことを、後で理解出来ました。

 

あれほどの大企業を変革するというのことは、とてつもなく難しいことです。

 

そこには、ルイス・ガースナーという強力なリーダーの存在がありました。

 

皆さんごご存知の通りルイス・ガースナーは、名経営者として今でも語り継がれています。

 

「巨像も踊る」の著書でも有名な方です。

 

男子陸上100Mのカール・ルイスとは違います。(笑)

 

この本が称賛されている理由は、研究調査されたその企業の事例の多さと、内容の濃さからくる両利きの経営の有効性を示したところです。

 

成功した企業はなぜ成功したのか、失敗した企業はなぜ失敗したのかという事例が多く紹介されています。

 

長く存続するためにどのように経営をしていけばいいのか?

 

豊富な事例から、この本が何かのヒントを与えてくれると思います。

 

悩んでいる経営者の方は是非ご覧下さい!

両利きの経営―「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く

 

 本書でもアマゾンは紹介されていますが、アマゾンの強さはこの本を読めばわかります。

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 本書の解説を担当された冨山和彦さんの最近のベストセラーです。

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 本書の解説をされた冨山和彦さんの上記本の続編です。

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 最後までのお付き合いありがとうございました!