京都のリーマンメモリーズ

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【書評】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 山口周  光文社

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最近は、至るところで露出が増えて、大活躍中の山口周さんの著書です。

 

こちらの本は、山口周さんの本の中でも、最も注目を浴びた本の1冊になっていますので、山口周さんファンの方は是非ご覧下さい!

 

【1.本書の紹介】

この本では、先の読めない現代において、正しい経営をしていくためには、自分の中に評価軸が必要で、その軸を「美意識」という言葉で考える必要性を紹介しています。

 

著者は、この本を執筆するに当たり、たくさんの人や企業にインタビューしています。

 

その中で、気づいたことは、今という時代は明らかに過去とは違う状況になっているので、今までのやり方や考え方も変化させていくべきだと言うことです。

 

さて、世界のエリートが鍛えている「美意識」というものはどういものでしょうか?

 

本当に「美意識」を鍛えることが必要なのでしょうか?

【2.本書のポイント】

これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足を置いた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない。ではそのように考える具体的な理由は何なのでしょうか?共通して指摘された回答をまとめれば次の3つとなります。

1.論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある

2.世界中の市場が「自己実現的消費」ヘと向かいつつある

3.システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

 

経営の意思決定においては「論理」も「直感」も、高い次元で活用すべきものであり、両者のうちの一方が、片方に対して劣後するという考え方は危険だという認識の上で、現在の企業運営は、その軸足が「論理」に偏りすぎているというのが、筆者の問題提起だと考えてもらえればと思います。

 

画期的なイノベーションが起こる過程では、しばしば「論理と理性」を超越するような意思決定、つまり「非論理的」ではなく「超論理的」とも言えるような意思決定が行われている

 

もし経営における意思決定が徹頭徹尾、論理的かつ理性的に行われるべきなのであれば、それこそ経営コンセプトとビジネスケースを大量に記憶した人工知能にやらせればいい。

 

私は、昨今続発している大手企業のコンプライアンス違反や労働問題の根っこには、経営における「過度なサイエンスの重視」という問題が関わっていると考えています。

 

新しいビジョンや戦略も与えないままに、真面目で実直な人達に高い目標値犯して達成し続けることを強く求めれば、行き着く先はひとつしかありません。イカサマです。

 

高度に複雑で抽象的な問題を扱う際、「解」は、論理的に導くものではなく、むしろ美意識に従って把握される。そして、それは結果的に正しく、しかも効率的である。

 

どんなに戦略的に合理的なものであっても、それを耳にした人とワクワクさせ、自分も是非参加したいと思わせるような「真・善・美」がなければ、それはビジョンとは言えません。

 

人々は決してモノ自体を(その使用価値において)消費することはない。-理想的な準拠として捕らえられた自己の集団への所属を示すために、あるいはより高い地位の集団を目指して自己の集団を抜け出すために、人々は自分を他者と区別する記号として(最も広い意味での)モノを常に操作している。(ジャン・ボードリヤール)

 

私は、アップルという会社の持つ本質的な強みは、ブランドに付随するストーリーと世界観にあると考えています。

 

美意識」で分かりにくければ、これを例えば英語にすればそれは「スタイル」ということになるでしょうし、フランス語にすればそれは「エスプリ」ということになる。本当の意味での「教養」と言って良いと思いますが、要するに目の前でまかり通っているルールや評価基準を「相対化できる知性」を持つ、ということが重要だということです。

 

「悪とは、無批判に受け入れること」

 

リーダーの仕事が人々を動機づけ、一つの方向に向けて束ねることであるとするならば、リーダーがやれる仕事というのは徹頭徹尾「コミュニケーション」でしかない

 

【目次】

はじめに

忙しい読者のために

本書における「経営の美意識」の適用範囲

第1章 論理的・理性的な情報処理スキルの限界

第2章 巨大な「自己実現欲求の市場」の登場

第3章 システムの変化が早すぎる世界

第4章 脳科学と美意識

第5章 エリートと美意識

第6章 美のモノサシ

第7章 どう「美意識」を鍛えるか?

おわりに

【3.本書の感想】

著者は「美意識」を「教養」と置き換えているところがありますが、私は、「道徳」でもいいのかなと思いました。

 

世の中の技術やシステムが進み、法律などの社会のルールが追いついていない状況の中で、法律ではまだ、NGとなっていなければグレーということで、やって良いと考える経営者がいます。

 

良くない日本企業の例として、DeNAや旧ライブドアの事例をあげています。

 

当時は、法的にはグレーだという主張をしていましたが、結果は、後にNGとなっています。

 

こういうことは、法律でNGとなる以前に、自ら「美意識」を軸として考え、ダメなものはダメだという判断をしていくべきだと必要だと主張しています。

 

そんな中、グーグルはAI企業を買収する際に、まだ未知なるAIの反社会的使用を抑制するために、社内に倫理委員会を設けています。

 

これができるのは、グーグルが美意識を持っているからだそうです。

 

この事例を出されると、同じベンチャー企業でも日米の品の違いをみせつけられたような気がします。

 

そして、「消費が記号として操作されている」という指摘はショッキングでした。

 

例えば、自分が持っている通勤用のカバンですが、革製のモノを使っています。

 

確かに、使用用途を考えれば、ビニール袋でもいいはずですよね。

 

でも、それは出来ません。

 

だって格好悪いですもん。(笑)

 

ビジネスマンで、ビニール袋に入れて書類やPCを持ち歩いている人はいないですし、それは、ビジネスマン然としてふさわしくないと思うからです。

 

まさにこれが、消費が自己実現の為に行われている証ですね。

 

ベンツやレクサスに載っている人で、「私は貧乏なんです!」ということをアピールしている人はいません。

 

「君たちとはちょいと違う世界に住んでいるんだよ」というところを見せつけたいところが、少なからずあるはずです。

 

だから、ベンツやレクサスを買う人は、ローンを組んで車を買ってはいけません。(笑)

 

吉野家やマクドナルドの駐車場に車を止めてはいけません。(笑)

 

そのブランドには、人々が思い描くイメージがあるからです。

 

さて、この本では、世界中の消費が自己実現の段階になってきて、もはや理性的・論理的な解決は正解のコモデティ化が進み、技術やシステムが進み法律が未整備な状態が出てきます、その時、正しい判断をするためには美意識が必要だと言っています。

 

これからの時代、どのように経営を考えていけばよいかの方向性が詰まっています。

 

経営者の方、経営企画、商品企画の方は是非、ご覧下さい! 

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~ (光文社新書)

 

 

こちらを読むと哲学に詳しくなります。

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

 

 

今、オーディブルを申し込むと1冊無料で聴けます!

武器になる哲学: 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

 

 

山口周さんが、今という時代を言いたい放題、言い放っています。

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 永続する企業の条件は、今の事業を深める進化と、新しい事業を見つける探索、双方に力を入れる事が必要です。

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 会社を変えていかないと、同じことをやり続けていては終わってしまいますよ!

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  経営について重要なことを、わかりやすく書いてあるのが本書です。

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 最後までのお付き合いありがとうございました!

 

【4.出版社より】

この本とは関係ないと思いますが、プレジデント社書籍編集部さんからいいねを頂きました!

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プレジデント社書籍編集部さんありがとうございました!

 

光文社宣伝部さんからいいね!頂きました!

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光文社宣伝部さんありがとうございました!