【1.本書の紹介】
本書は、元漫才師で元芸能人の島田紳助さんが書いた、ビジネスに関する本です。
紳助さんは、漫才でも成功おさめましたが、その後のTVでの司会やキャスターなどでの活躍もすごかったですよね。
その活躍の原点は、漫才師としての成功にあります。
漫才師として、めちゃくちゃ努力した。
そして、成功した。
しかし、それは、マグレだったのでは?
紳助さんは、自分の考えや努力が間違っていなかった事を証明するために、ビジネスを始めます。
働く人が幸せになること。
店に来るお客さんが楽しめること。
これをベースに様々なアイデアを繰り広げます。
そして、その失敗の確率は、なんとゼロパーセント(執筆当時)です!
経営のプロでも失敗は珍しくない中、どうすれば、失敗しない経営ができるのでしょうか?
【2.本書のポイント】
みんなが幸せにならなきゃ意味がないということを、経営者がいつも真っ先に考えているかどうかだ。
チェーン店では提供できない喜びをお客さんに与えることができれば、大手資本がバックに付いていなくったってお客さんは入ってくれる。アイデアがものを言う時代なのだ。
店をやっていると、不測の事態は毎日のように起きる。店を経営するということは、想定外の問題を解決することといってもいいくらいだ。それをみんなでアイデアを出し合って、チームプレーで解決していくところが飲食ビジネスの醍醐味でもある。
自分が駆け出しの20代の頃、密かにノートにつけていた将来の目標は、ことごとく達成してしまった。それも自分が夢見ていたより、ずっと早いスピードで。実力があったからやと思う。誰にも負けない努力もした。飯を食っているときも、友達と遊んでいるときも、デートをしているときも、夜寝ている間だって、漫才の事を考えていた。成功したのは当然のことやと思う。そう思いはするのだが、それでも時々ふと思うことがある。これはマグレとちゃうんか?
僕にとってビジネスは、そういう意味では、あくまでもゲームだ。そして一つ成功するたびに、そっと自分の心に話しかけるわけだ。「な、俺は優秀やろ」
新しい商売のアイディアを思いついた時のワクワクする気持ちと、そのワクワクを現実の形にしてアイデアが間違っていなかったことを証明する喜び。それが、ビジネスの原動力だ。
他と同じことをしたらダメだということだ。おでん屋は他にもたくさんあるわけだ。どんな小さなことでもいいから、他と違うことをしないといけない。それはお客さんに来てもらうためでもあるけれど、自分のためでもある。
僕は初めて漫才をしたときから、人に書いてもらった台本でやるのを拒絶した。そんな事はやりたくもないし、やったこともない。これは俺の発想でやりたいんやと言い続けて、ずっとそれを貫いてきた。
漫才のネタを考えたり、番組を作ったりするときと発想は変わらない。いかにして人を楽しませるか、どうすれば人が喜ぶかを、いつも自然に考えている。 人を笑わせたり驚かせたりして楽しませないと、自分が楽しめない体質になっているのだと思う。ある種の職業病だ。
あくまでも客の視点から発想することが大切だ。自分がお客さんなら、どういう店があったら嬉しいか。どういう店なら行きたくなるか。それは何よりも先に考える。お店がいいか悪いかを判断するのは、プロではなくてお客さんなのだ。
最初から全て可能な目標が達成しても、どこにでもあるようなビジネスにしかならない。不可能を可能にしてこそ、初めて新しいビジネスが生まれる。
若い子にとって幸せとは何か。やっぱりそれは、夢と冒険だと思う。 ビジネスを成功させたいから、熱い心を持った人間を探すのではない。熱い心を持った仲間と一緒に走りたいから、僕はビジネスをするのやと思う。
心斎橋の寿司屋のスタッフは、僕に毎晩メールを送ってくれることになっている。内容はその日の売上や、お客さんの人数、稼働率などのデータだ。僕がデータ好きなのを知っているから、彼らもマメに数字を送ってくれる。
客というものは、いつも無意識のうちに、自分の感じた満足感と値段とが見合っているかどうか判断しているのだ。満足感と値段が釣り合っていれば客は納得する。値段に比べて満足感が大きければこの店はお客のために努力してはるんやなあと感動する。
客は料理だけを食べているわけじゃない。店の人の気持ちも一緒に食べているのだ。
お金を扱う人間は、お金に込められている人間の思いとか、稼ぐために流した汗のことを、ちゃんと意識しなくてはいけないと思う。
【3.本書の感想】
読んでいて、とても紳助さんの熱が伝わってきました。
この本文の後で紹介しているDVD「紳竜の研究」で、吉本NSCの学生に漫才師として成功する戦略を赤裸々に語るところがあります。
これは、我々社会人にも通用する内容で、とても評判の高いDVDとして知られています。
この中で、紳助さんは、「漫才で成功したが、俺は努力していない。」と言います。
これを真に受けた学生もいたかも知れません。
この意味するところは、売れている芸人というのは、めちゃくちゃ努力しているのが当然で、その人たちに比べたら、自分の努力は普通で、それを大きく上回ると言えるほどの努力ではないと言うことだと思います。
一方この本では、その努力がどれほどのものだったかが語られています。
それは、売れている漫才師の漫才を書き写し、どこが受けているのかを研究したり、飯を食べていようと、デートをしていようと常に漫才のことを考えていた、努力は誰にも負けないくらいした。と正直に書いています。
漫才師をやめた後、どうしても、自分はまぐれで成功したのではないかとの思いが拭いきれず、自分の考えが正しかったのか、証明したくなります。
それが、そもそものビジネスに賭ける思いです。
そしてビジネスに駆り立てる源泉が、熱のある人を応援したい。
大前提として、お客さんに喜んでもらいたい。
そして、他と同じことはしない。
この本には、一般的に分厚く難しい経営書に書いてある重要なこと、商売の原点が簡潔な言葉で表されています。
この本を書いた時は、ビジネスはすべてうまく行っていたようですが、石垣島の喫茶店は一旦閉店し、今は友人に譲り渡しているものもあります。
が、しかし、寿司屋、お好み焼き屋など、紳助さんがプロデュースしたお店は、コロナ禍を乗り切るべく、今も経営を続けています。
この本は比較的薄めですが、ビジネスを行う上で決して外してはいけない事を思い出させてくれます。
特に飲食店を経営されている方、商売がうまく行っていないと感じている方、ぜひご覧下さい!
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書)
ビジネスマンで成功したい方は必見。
どうやれば優秀な人材に見てもらえるのか、その秘密を赤裸々に語っています。
マネジメントについてはこの本をご参考ください。
商売は、待つだけではダメです。
では、どうすれば良いのか?こちらをご参考下さい。
人と同じことをするのではなく、いろいろ試してみましょう!
すごいことやっています。
健康面から考えたメニューを検討してみるのも1つですね。
さて、超巨大企業アマゾンの創業者は何を考えているのでしょうか?
我々は、彼から学ぶことはないのでしょうか?
最後までのお付き合いありがとうございました!