今週のお題は #そうめん ということで、そうめんみたいに真っ白い表紙のすんごい本を紹介します。(笑)
【1.本書の紹介】
最近デザイン、デザインって、アチラコチラで聞きませんか?
実は、デザインって色や形や素材を決めるものだけではないんですね。
デザインには広い意味があります。
ある人は、デザインを「より良くするもの」と表現しました。
経営にもデザインを導入する、これがトレンドとなっています。
では、経営にデザインを取り入れるとは、いったいどういうことなのでしょうか?
【2.本書のポイント】
経営にデザインを取り入れなければ、これからの日本企業は生き残っていけない。
「デザイン経営」とは、企業のパーパスを見定め、それを起点とした組織文化を構築し、新たな価値を創造し続ける経営手法です。
イノベーションの本来の意味は発明そのものではなく、発明を実用化して社会に実装し、その結果として世の中を変えることにあります。
①デザイン経営に積極的な企業ほど、売上成長率は高い。特にエンドユーザー向け企業、デジタルに積極的な企業は顕著。
②デザイン経営に積極の大きな企業ほど、デザインへの投資は増加し、将来的な効果への期待が高い。
③ デザイン経営に積極的な企業ほど、従業員からも顧客からも愛される。
デザインの特性
①常に人から考える
②カタチにする
③美と調和を大切にする
様々な用途の関係が最適された状態、つまり「美」と「調和」を目指すことです。それが「デザイン」なのです。
デザインとは、あらゆるものを「より良くする」ための行為。
「文化性・社会性・経済性」という三つの視点で、自社のビジネスをとらえ直してみましょう。
デザイン経営を実践する企業として有名なダイソンでは、最初のサイクロン掃除機を出すまで、なんと、5127台のプロトタイプを作ったと言います。
パーパス(purpose)とは、「社会における企業やブランドの存在意義」を意味しています。
シネックはApple があらゆる活動において、常に「why」の説明から始めていると指摘しています。彼の言う「why」とは、製品やサービスの背景にある企業の「思い」です。
私は普段の仕事で、いきなりブランドの価値を定義したり、ロゴや製品のデザインを作り始めたりすることはありません。どんなに時間がなくても、最初は「インプット」に力を入れます。どれだけクライアントの企業について多くを知ることができるか。それがプロジェクトの成否を決めるからです。
パーパスになりそうな言葉を探り当てたときも、複数の視点から検証します。
・自分たちの企業らしさや個性が反映されているか。
・組織内外の人から共感されるものになっているか。
・日々の事業活動で実現できるものになっているか。
経営者が「Feel」「Imagine」のセンスと、それを具体的な「Create」につなげていく勇気を持てば、その企業は必ず前向きな変化を遂げていけるはずです。
インターネットの普及以降、社会に情報革命が起こり、機能性のアピールだけでは生活者に届かなくなりました。世の中に流通する情報量が増えすぎた結果、理性ではなく感性に訴えるコミュニケーションが必要になってきました。
機能や価格では選ばれにくいから、企業はブランドが目指す理想の世界観や実現したい目標を語り続け、顧客にはそれを支援してもらうような関係を結ぶ。その結果、顧客の中からファンが生まれ、目的達成のための「仲間」になっていく。それがいまの時代のブランディングです。
時代の変化により、購買の瞬間を顧客体験のピークに持って行く付き合い方が崩れてしまい、中長期的な関係をいかに保つかということが大切になったということ。 ブランドへの共感者を増やすためには、企業と顧客の関係にあえて垣根を設けず、一緒に価値をつくるように呼びかける必要がある。
主観を凝縮して普遍的な価値につなげ、意味を付与していくのがデザインの役割です。
こだわりという美意識と、ビジョンという共通点を往復する中で初めてパーパスが浮かび上がってきます。
今の経営者に迫られているのは、世の中の価値観をどんどん多様化しているのに、一つの思想を掲げないと誰もついてこない、という矛盾した課題をいかに解くかということだと思っています。
シリコンバレーでは最近、「カルチャーデザイナー」という新しい肩書きを持つ人が増えているそうです。彼らが担当しているのは、まさに組織文化の定着を行うための”場”や”仕組み”を作ることです。
目に見えるカタチは、社内の意思統一や事業創出にも効果を発揮します。お互いに考えていることを説明したり、アイデアを共有したりするときに、ビジュアルの力を活用していきます。
慶應義塾大学の前野隆司教授は、従業員の幸福度と生産性や創造性は相関していると考察しています。従業員がやりがいを感じられる環境を作ることは、業績にも良い影響を与えるのです。
イノベーションを生み出すには、個人が創造性を発揮できる環境やチームをデザインすることが欠かせない。
価値創造のデザインにおけるポイントは、次の三つにまとめられます。
①人々のまだ見えていないニーズの発見
②すぐに具体的な形にし、顧客に取りながら行きつ戻りつする。
③最初の段階からデザイナーが参画する。
近年の IBM はグローバルで8万人以上の社員にデザインのスキルを身につけさせるための投資を行い、1000人を越えるデザイナーを採用しています。
デザイン思考の5ステップ
①共感・・ユーザーを理解する
②定義・・正しい課題を設定する
③創造・・アイデアを形にする
④プロトタイプ・・学ぶために試す
⑤検証・・ユーザーのフィードバックを得る
クリエイティブな組織を築くためには、創造力に対する自信が欠かせない(デヴィッド・ケリー トム・ケリー)
写真フィルムという商品には寿命があっても、技術に寿命はありません。本質を見抜き、その価値を別の領域に生かすことで、新しい付加価値を生み出せます(富士フイルム戸田雄三)
デザイナーは具体的な形を作るとき、その「思い」もデザインしていきます。それはつまるところ、企業が生活者から共感され、必要とされ続けるためには、どんな存在を目指すべきなのか。そういう戦略を考えることです。
【目次】
はじめに 「デザイン経営」の実装に向けて
第01章 「デザイン経営」がもたらすもの
第02章 「パーパス」からはじめるデザイン経営
<特別対談佐宗邦威✕永井一史>
「パーパスが持続的な経営の王道になる」
第03章 組織文化をデザインする
第04章 価値創造デザインする
<特別対談山地章夫✕永井一史>
「企業経営のリアルとデザインの関係」
おわりに デザインの領域は広がり続ける
【3.本書の感想】
最近、デザインの守備範囲に注目が集まっています。
時代が変わり、単に同じモノを作っても売れなくなって来たため、存続し続けなければならない企業としては、イノベーションによる新しいモノを作る必要性に迫られているからです。
広い意味でのデザイン的思考でモノやサービスを創れば、単に美しくするものではなく、本当にお客様が欲しかったモノ、お客様が気づかなかったモノを創りあげることができます。
ここに、デザインの効果が期待されています。
モノづくりという点では、長い歴史から振り返ってみると、また一段難度が上がったように思います。
私個人的には、もう、世の中にあるもので十分だと思っていますので、無理に作ってもらわなくても問題ないと思っています。
しかし、これまでも新しいモノが出て来た時、「これこれ!これが欲しかったのよ!」と思わず言ってしまうようなモノが出てきています。(笑)
少し前ならスマホですし、最近でいうとアサヒのジョッキ缶に感動しました。
競合他社が、味や成分や度数で差をつけようとしている中で、全く異次元の「缶を変える」と言う奇策が出てきました。
これはとても驚きましたし、めちゃくちゃ素晴らしいと思いましたし、この発想、そしてなにより商品化したことには脱帽です。
スーパードライ以降大ヒットがなかったと言われるアサヒビールにおいては、快心の大ヒットだったと思います。
こちらに、詳しい説明や、再発売開始時期が記載されていますのでご参考ください。
さて、時代が変化しています。
モノづくりだけでなく、企業経営自体にも変化が求められています。
その変化の象徴がデザインなのかもしれません。
これから、様々な分野で、様々な企業が新製品を開発してくると思いますが、単に速いとか長いとか安いとかそういうスケールでの勝負ではなくなっていると思います。
お客様にとってこれが一番良いでしょう!という「それそれ!」という商品がどんどん出てくると思います!
こうして、買いたいという衝動抑えられない自分が生き残ってしまうと思います。(笑)
これからの、商品、サービスはどう考えて創るべきなのか、経営はどうするべきなのかを知りたい方は、是非御覧ください!
これからのデザイン経営ーー常識や経験が通用しない時代に顧客に必要とされる企業が実践している経営戦略ーー
【4.関連書籍の紹介】
デザイン経営で有名なIDEO社出身の著者が、デザインとは何かをわかりやすく説明しています。
継続して存在する企業になるには、美意識が大事です。
経営者の方であれば、ドラッガーは必読書ですね。
最近の経営界のトレンドワード、デザインと両利きの経営です。
儲かる会社の真髄はココにあります。
経営者は、なぜかサウナにハマります。なぜでしょう?
www.fukuikeita21.com最後までのお付き合いありがとうございました!