【1.本書の紹介】
今までいわゆる優秀だと評価されていた人材をオールドタイプ、自由、直感、わがまま、好奇心の強い人材をニュータイプとして、その行動の違いを比較しながら、ニュータイプの必要性を説いています。
【2.本書のポイント】
相も変わらずに「役に立つモノ」生産し続けようとするオールドタイプは価値を失うことになる一方で、希少な「意味」世界に対して与えるニュータイプは大きな価値を生み出していくことになります。常に「仕事の目的」や「仕事の意味」を形成し、本質的な価値を言語化・構造化できるニュータイプは、人材を引きつけ、モチベーション引き出し、大きな価値を生み出すことになるでしょう。ある瞬間において環境への「最適化の度合い」はどうでもよくなり、むしろ変化していく環境に対して、どれだけしなやかに適合できるかという「柔軟性の度合い」の方が重要になってきます。「問題の不足」という状況は、そもそも私たち自身が「世界はこうあるべきではないか」あるいは「人間はこうあるべきではないか」ということを考える構想力の衰えが招いている、ということなのです。本当に考えなければいけないのは、「未来はどうなるのか?」という問題ではなく「未来をどうしたいのか?」という問題であるべきでしょう。昨今では「部下がだらしない、使えない」と嘆いている管理職がどこの組織でも見られますが、これは典型的なオールドタイプの思考モデルであり、本当に嘆くべきなのは、「部下を動機づける『意味』が与えられない」自分の不甲斐なさであるべきでしょう。かつて日本において主流だったオールドタイプのリーダーは、組織からモチベーションも創造性も引き出すことができません。ニュータイプのリーダーは、仕事の背景をなす大きな「意味」を明らかにすることで、組織からモチベーションと創造性を引き出すのです。「世の中にこういうものを打ち出したい」という人間の思いが起点となり、その思いを実現するための道具として用いるのであれば、マーケティングの知識とスキルが極めて強力な武器となるでしょう。自らの好みに思いっきりこだわって感性品質の高い製品やサービスを考案するニュータイプは、その「切っ先の鋭さ」ゆえに強い貫通力を持ち、この貫通力ゆえに「グローバル✕ニッチ」というポジションリングを獲得することで、スケールを補って余りあるだけのメリットを得ることになるのです。改めて筆者の問題意識をシンプルに記述すれば、「企業の意思決定があまりにも論理偏重に傾くとパフォーマンスは低下する」ことになります。理由は大きく三つあります。一つ目は、過度な論理思考への傾斜が招く、「差別化の喪失」という問題です。二つ目は、分析的・論理的な情報処理スキルの「方法論としての限界」です。三つ目は、論理では「意味を作れない」という問題です。今の社会で「過剰なもの」正解 モノ データ 利便性 説得 競争「希少なもの」問題 意味 ストーリー ロマン 共感 共創世界を変えるようなイノベーションの多くは「なんとなく、これはすごい気がする」という直感に導かれて実現しているのだということを、我々は決して忘れてはなりません。進化するテクノロジーをより豊かで人間的な世界の建設に持ちようと思うのであれば、テクノロジーを使う私たち人間側は、ルール以外の判断となる立脚点を持つことが必要だと思います。ひたすらに経済指標だけを追い求めるのは典型的なオールドタイプの思考パラダイムと言えます。私たちは、経済という指標とは別に、社会の健全性や幸福の度合いを複眼的に計測し、管理するための指標を用いるべき時期に来ています。3 M などのトラディショナルな企業ですら、すでにこのような「とにかく試してみる」というアプローチの強力さを証明しているわけですが、このアプローチは今後ますます強力かつ迅速になる可能性があります。理由は実にシンプルで「試すコスト」がどんどん下がっているからです。今日では、Airbnbをはじめとして、様々な領域で「共有=シェア」を前提にしたビジネスが大きな富を創出しつつある。人がどのように生きるべきか、社会がどのようにあるべきかを規定するのはサイエンスの仕事ではありません。このような営みにはどうしてもリベラルアーツに根ざした人文科学的な思考が必要になります。目の前の世界を「そういうものだから仕方がない」と受け止めて諦めるのではなく、比較相対化する。そうすることで浮かび上がってくる「普遍性のなさ」にこそ疑うべき常識があり、リベラルアーツはそれを映し出すレンズとして最もシャープな解像度を保っているということです。容易に「わかる」ことは、過去の近くの枠組みを累積的に補強するだけの効果しかありません。本当に自分が変わり、成長するためには、安易に「わかった」とは思わず、相手の言っていることを傾聴し、共感することが必要になります。学習の多くは「失敗」という体験に基づいているということであり、多くの人は、失敗=ストレスという代償を支払った末にパターン認識という能力を獲得しているのです。目次はじめに第1章 人材をアップデートするつのメガトレンドーニュータイプへのシフトを駆動する変化の構造第2章 ニュータイプの価値創造ー問題解決から課題設定へ第3章 ニュータイプの競争戦略ー「役に立つ」から「意味がある」へ第4章 ニュータイプの思考法ー論理偏重から論理+直感の最適ミックスへ第5章 ニュータイプのワークスタイルーローモビリティからハイモビリティへ第6章 ニュータイプのキャリア戦略ー予定調和から偶有性へ第7章 ニュータイプの学習力ーストック型学習からフロー型学習へ第8章 ニュータイプの組織マネジメントー権力型マネジメントから対話型マネジメントへ終わりに
【3.本書の感想】
学習は失敗(痛み)を伴って得られるもの。
だから、年寄りになると新しいことをしたくなくなるんですね。
逆に言うと、失敗と言う痛みに耐えられるうちは新しいことができると言うことです。
チャレンジできるうちはまだまだ成長できるということですね。
だから私達は、今のうちにどんどんチャレンジしましょう!
最近は、「問題がない」というのが自分には共感する言葉でした。
答えを解決することばかりが優先し、問題を考える構想力が足りないからと言うのはまさにその通りだと思います。
人間はこうあるべきだという構想、そしての意味を考えられる人たちが減っているのかもしれません。
我々も受験勉強で、すぐ答えを見つける訓練ばかりをしました。
その結果、もっと大事なことを考える力を養わずに来たと思います。
これからは、問題や意味、共感を見つけていく考え方に変えていく必要があります。
例えば、モノがあふれる世の中に、これ以上同じモノを効率的に生産して増やしても、それには何も意味も価値も生まれませんね。
いつまでも今までと同じような事、同じ様な考え方をしてはいけないということがよく理解できました。
この本では、沢山の新しい事を言っているのにもかかわらす、オールドタイプとニュータイプと言うその言葉の響きからは、新しさを感じないのは私だけでしょうか。(笑)
本書の中で、一部、アニメの名作、機動戦士カンダムからのセリフの引用がありましたが、著者はきっとガンダムがファンだったんだと思います。
ひょっとしたら、今も。(笑)
この本は、ビジネスマンの方には、必読書です!
是非ご覧下さい!
【4.関連図書】
こちらは、ニュータープの典型的な人ですね。
こちらもニュータープですね。
新しい考え方ができる人は、お金に執着しないようです。
ビジネスマンが読んでおくべき本と、その読み方を教えてくれます。私もこの本を参考にさせて頂きました。
現代を生きる私達が読むべき本を紹介しています。
本書の中でも引用があります。
ビジネス書大賞2018準大賞他を受賞した作品です。
在宅勤務でまずいことになっている方は、早めに対策しましょう!