京都のリーマンメモリーズ

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【書評】誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命 森岡毅 日経 BP

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あのUSJを復活させたことで大変有名になった、森岡毅さんのリーダー論がついに出ました!

 

【1.本書の紹介】

本書は、著者自身の経験から、リーダーシップは身につけられるものであり、リーダーシップを身につけることで、人生がよりワクワクできるようになると説いています。

 

リーダーシップというのは、もともと優秀な人、力が強い人、声の大きい人(笑)が行うものだと思っていませんか?

 

それは違います。

 

では、誰もが人を動かせるためには、どうするべきなのでしょうか?

【2.本書のポイント】 

リーダーシップは、専門性に限定されず、本来は誰もが発揮することができる「職能横断型」のスキルです。

 

人間は、ある欲求が満たされない時、「怒り」などの強い情緒的衝動が起こり、精神的な”コスト”を乗り越えて他人に対して強い影響力を行使することができる。

 

資本主義社会は「欲」を本質として、人々を「競争」させる構造物なのです。実はリーダーシップもその「欲」根源的なエネルギーにします。何かを強く望まない者が、人を動かすことはできないのです。

 

若者たちは、インターネット空間上のコンテンツによってあらゆる「欲」をバーチャルで激しく満たし、SNS で社会的欲求の多くを満たそうと必死です。それを”年寄り”の皆さんが眺めて、「最近の若者は欲がない」と・・・。とんでもありません。

 

リーダーシップを身につけると、我々は「自分の人生を生きる幸福感」を激増させることができます。

 

私が最も大事だと思っているのは、自分が毎朝、どんなワクワクを感じながら目を覚ますかということです。

 

目的(≒欲)の3条件とは何か ?

・巻き込みたい人々にとっても魅力的であること

・集団としての能力を必要としていること

・あなた自身が本気になれること

 

共同体に魅力的な目的を設定することこそが、実はリーダーシップの最初の大きな仕事です。

 

もしあなたがリーダーシップを身につけたいならば、誰かの設定した期待のために働くだけの、人に合せて暮らすだけの、そんな受動的な毎日を続けていてはダメだと申し上げています。

 

第一世代のある意味クレイジーな個人技に依存している”習慣”を、どうすれば組織として承継可能な”伝統”に転換できるのか?

 

リーダーの役割は、「自分が動くこと」ではなく、「人を動かすこと」です。

 

私にとってリーダーシップを出来るだけシンプルに捉えると、その本質は「人を本気にさせる力」だと私は考えています。人々が達成したくなるワクワクするような未来の完成形を描き出し、それが絵空事ではなく本当に実現できそうだと信じさせる力。そして、その物語の中でその人ならではの特別の役割を演じられると相手に信じさせる力。

 

自分が望む未来を本気で欲すること。そしてそのために本気で行動し続けること。

 

「どんな時でも人を笑顔にすること」が、我々エンターテイメントに従事する人間の職業使命

 

本当に鉄道事業者の使命を果たすのであれば、「安全に動かす」のがデフォルトであって、「安全のために動かさない」のでは本末転倒ではないのか?

 

プロフェッショナルならば、危機時であっても、100でも0でもないその間に、最大限の努力と知恵を振り絞って、”解”を見つけるべきです

 

コロナ騒ぎが浮き彫りにした大学問題の核心とは、「日本はずっと長きにわたって大学側と学生側が、”お互いに怠ける談合”のような構造にあり、全体としてはみんなサボっている」ということではないでしょうか?

 

これだけ高度に張り巡らされた社会インフラと、”過剰”なまでの道徳律と衛生管理が行き届いた日本だけが、コロナ災厄下での五輪を実現できると思っています

 

【目次】

はじめに リーダーシップは身に付けられる!

第1章 リーダーシップは”特別な人”の能力ではない

第2章 「人を動かす力」の根源は「欲の強さ」である

第3章 欲が足りない人はどうすれば良いのか?

第4章 日本人のリーダーシップはなぜ育たないのか?

第5章 リーダーシップを育成しやすい環境へ泳げ!

第6章 仲間を本気にする関係性をどうやって築くのか?

第7章 私自身の悪戦苦闘のリーダーシップ

第8章 危機のリーダーシップ~コロナ災厄から脱するために~

おわりに 未来は我々がつくる!

【3.本書の感想】

この本は、リーダーシップを主題にしているようですが、実は、著者がこの本で言いたかったことは、他にあったように感じます。

 

それは、世の中のコロナへの対応についてです。

 

昨今、安全のために、なんでもかんでもイベントは中止するべきだという思考停止状態になっているが、それはおかしいのではないか?ということです。

 

イベントによってコロナに感染したらどうするのか?という社会的恐怖が蔓延してるのが原因です。

 

なんでもかんでもやめるのではなく、その状況をよく考えて、どういう形であればできるのかをできる限り考えるべきだ、ということを主張されています。

 

例えば、エンターテイメントは、人々には必要なものであり、不要でも不急なものではないと言っています。

 

だから、自分がかかわっていた頃のUSJは休園したことがなかったし、最近手掛けているネスタリゾート神戸も自ら進んで休園はしていません。

 

一部のみを引用すると、誤解を生じ兼ねませんが、著者は、耐性のある若者がコロナにかかってもそれはコストと考えるべきで、例えば授業を対面でやらない大学の姿勢は思考停止状態だと言っています。

 

大学というのは、卒業証書が大事なのではなく、教育することが大事なので、大学側は、コロナ感染を過大に恐れるのではなく、学生が学ぶ環境を提供することを真摯に考えるべきです。

 

コロナはすぐに終息するものではないので、この状況の中でも、中止一辺倒ではなく、社会活動を、経済活動をどう回していくべきか、どうすれば実施できるか社会全体が考える風潮にならなければいけません。

 

この本のリーダー論はピンときませんでしたが、これは、私も賛成です。(笑)

 

なんでもかんでもとりあえず中止にする。

 

これでは、人として、社会として進歩がありません。

 

コロナ禍はしばらく続きます。

 

今までの経験とデータを元に、しっかりと対策をした上で、どこまでやれるかを真剣に考えていく段階に来ていると思います。

  

現在、緊急事態宣言下ではありますが、今後のコロナ禍との付き合い方を考える際の判断材料を探している方は、是非ご参考下さい。

 

そして、この本には、人生を好転させるリーダーシップの身につけ方が書かれています。

 

 人生を好転させたい方、リーダーシップを身に着けたい方は、是非ご覧下さい!

誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命

 

【4.関連書籍の紹介】

森岡さんのマーケティングに関する本です。

www.fukuikeita21.com

 

 松下幸之助さんのリーダーに関する本です。

www.fukuikeita21.com

 

AKB48の元総監督、高橋みなみさんのリーダー論です。

www.fukuikeita21.com

 

会社で働くリーダーはこうあるべきだと元東レ研究所の佐々木常夫さんが語ります。www.fukuikeita21.com

最後までのお付き合いありがとうございました!