今週のお題「最近おいしかったもの」
先月の新年会で牛タンを食べました。最近は肉派から魚派になっているので、私の舌は大丈夫かなと思いましたが、美味しかったです。居酒屋など外食する時のお店探しは、ネットに頼りますよね。私の職場では、食べログの点数でお店を選ぶ先輩がいます。ある点数以上の店を選べばハズレはないそうです。今回はその食べログを育てた穐田さんを紹介するすんごい本を紹介します。(笑)
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【1.本書の紹介】
ちなみに「穐田」は、「かめだ」ではなく「あきた」と読みます。念のため。(笑)
食べログは、飲食店の良し悪しを点数で評価しており、当然、点数の高いお店は満足度が高い店になります。
だから、評価点が下がると、集客も悪くなります。
実際、点数が下がった為に集客が悪化して、経営に大きな打撃を受けたという事で、食べログで採用している点数評価アルゴリズムが違法かどうかについて裁判が行われています。
つい最近の高裁判決では、食べログ側が逆転勝訴となりましたが、最高裁までもつれそうです。
本書に登場する穐田氏は、現状こちらの会社には関与していないので、まったく影響はないですが、自信の思い入れのあるサービスなので、大変、気にはなっていると思います。
食べログは、ネット時代に合わせて、お客様に役立つだろうという視点からサービスが開始されました。
確かに、このサービスが始まるまでは、本や雑誌を見てお店を選んでいましたが、今は圧倒的にネットで選ぶように変わったと思います。
便利いいだろうなと思ってサービスを開始するにしても、タイミングが大事だという事がわかります。
さて、お客様に支持されるサービスをつくるにはどうしたら良いのでしょうか?
【2.本書のポイント】
食べログもクックパッドも人に喜んでもらいたいから、やった。人が喜んでくれないような仕事はやらない。ドンキホーテとユニクロは特別だと思った。いつまでも、どこまでも伸びていく企業の特徴は、経営者が客を見て、客のためになることをやっている。自社の都合で商品やサービスを開発したりはしない。経営をしていても失敗はある。しかし、失敗したら、すぐに忘れる。そして、ユーザファーストで事業を見つめ直して、成長を目指す。悪い奴はお金の匂いがするところに寄っていく。投資家に必要なのは、寛容な心ではない。人を見たら泥棒と思え、だ。1995年、彼(穐田)は25歳でパソコンに触れていた。インターネットの世界を知り、体験していた。新しい文化に誰よりも早く接触していたから、成功への道が開けた。DeNA、LINE、メルカリの創業者とは見ていた景色が違う。穐田たちは現状をゼロから変えなくてはならなかった。インターネットがなかったところで持ち込まなくてはならなかった。そこが違う。穐田はインターネットをコストを低下させるためだけに使ったのではなく、草の根の一人ひとりの声を瞬時に集める効用に目をつけたのである。結局のところ、中古車買取ビジネスのポイントは仕入れだ。買取費用を多く払ったとしても、すぐに売れる車を見つければ利益は出る。買取能力のある会社が業界をリードすることができる。そして、穐田はこの仕入れの部分にインターネットを持ち込んだ。ジャックネットの優れた点は、客が自分の車の情報を自ら入力するところにあった。ジャック(中古車買い取り)は待っていれば、正確な中古車情報を手に入れることができた。初めて会った時から穐田と、堀江(ホリエモン)が親しくなったのは、2人とも世の中の現状をよしとしなかったからだ。世の中と現状を変えて、理想を実現するためにもがいた結果が企業だった。創業者って利益よりも、どういうことを実現したいかと言う理念が先にある。理念を持って事業をスタートさせている。そういう人は考えていることが大きいし、複雑です。創業者は単純に利益を出す会社を作りたいわけではない。「現状を疑う」言い換えれば改善することに情熱を傾けること。現状を疑い、改善するのが本物のベンチャー経営者だ。カカクコムの快進撃を見て、後発の同業者が出てきた。しかし、それもまたオタクチームは気合で倒した。ベンチャー企業の力とは結局のところ気合だ。頭の良さではない。カカクコム、食べログは大資本、社員が高学歴だからといって成功したわけではない。穐田は会社経営を自己実現とは思っていない。ユーザの不便をなくすこと。ユーザが「これがあればいいな」と思っているものを提供することが経営だと信じている。伸びていた頃のクックパッドの力は、社員みんなが同僚や取引先に関心を持ち続けて、ユーザを向いて仕事をしていたことだ。人の幸せはここにある。普通の人間の関心とは、自分自身とその周りだ。幸せな状態を続けるために自分を守る事はあっても、仕事のことで他人と争いたいとは思っていない。それが普通の人の考え方だ。人は人間らしく生きる。生きていけば良い。偉い人や金持ちの真似をする事は無い。自分と家族と周りの幸せを1番上に置いておけば良い。穐田さんはもともとネットの人じゃないし、サービスを突き詰めて考える。彼が最強なのは、ちゃんと物事の本質がわかっているからです。「どうしてこのサービスをやるのか」「どうして、このサービスが必要とされるのか」「これをやったら、売り上げは上がるのか」彼(穐田)は物販店なり、サービス業の店舗に行くと、「自分が社長だったらどうやって商品やサービスを良くするか」を必ず考える。しかし、ユニクロとスーパーマーケットだけは改善しようにも何も思い浮かばない。完全無欠のビジネスだとしか思えない。穐田は手塚治虫のように新入社員に向き合おうとしている。経営者になるには早く辞めてもらわなくてはならないと思っているからだ。アプリデザイナーは情報のアップデートに合わせて画面のデザインを微妙に変えているのである。工夫カンパニーがデザイナーを多くやっているのはアップデートを常時、行っているからだ。デザインをアップデートする理由は、リリース後もユーザにとって便利で楽しいサービスに進化させるためですユーザ数を増やすには、使いやすく、わかりやすく、リピートして使いたいと思えるサービスにすることで、また、そういうデザインにすることなんです。逆にユーザ数が減っていく原因は、サービスとデザインが便利でなく、使っていて楽しくないから。【目次】プロローグ 20年も続くなんて、それは強運だ
第1部 現状を疑う“働く株主”──クックパッド社長退任まで
・1 匝瑳市から社会へ
・2 どこに就職するか。それならベンチャーキャピタルだ
・3 日本合同ファイナンスの仕事
・4 中古車買い取りのジャック
・5 カカクコム
・6 食べログ
・7 空白時代に考えたこと
・8 クックパッド
・9 フェルメールという買い物
・10 争いの末に
第2部 ユーザーが導いてくれるから──くふうカンパニーの立ち上げ
・1 クックパッド時代の出資先を買い取る
・2 くふうカンパニーの目指すもの
・3 サービスの価値はユーザーを育てること
3つのエピローグ からすみのパスタ/ホテルを予約する/3原則
【3.本書の感想】
インターネットの黎明期、私は生きていました。
インターネットは訳のわからないものとして、ただボーっとしていました。(笑)
時を待たずして、インターネットをビジネスに結びつけることを考えた人たちで世の中が盛り上がりました。
しかし、多くのビジネスは敗退していきました。
生き残っているのは、やはり、お客様のことをよく考えた企業です。
これは、業界関係なくビジネスの基本だと思います。
お客様にとって必要な製品・サービスなのかをまずはしっかり考えないといけません。
かつて日本では、技術を過信し、機能を上げれば買ってもらえるという思い込みで大失敗した過去があります。
お客のことを知っているようで、実はまったく知らなかった結果がもたらした当然の結果だと思います。
特に会社が大きくなると、お客様と会うことも少なくなるため、余計にお客様のことがわからなくなります。
自分の製品・サービスを一旦おいておいて、しっかりお客様のことを考え続ける。
これができる企業が、末永く生き残ることができるのだと思います。
この本は、インターネット黎明期という時代の変化をとらえた起業家の行動、考え方がよくわかります。
近い未来に来るであろう時代の変化を掴みたい方、ビジネスを成功させたい方は是非ご覧ください!
【4.関連書籍の紹介】
起業は何度でも挑戦することが大事です。
売るために、しっかり市場を確認しましょう。
ひとりで商売を始める方は、こちらが参考になります。
新しい起業のかたちを見てみませんか?
起業家精神を持ち続ける事の大切さがわかります。
最後までのお付き合いありがとうございました!