京都のリーマンメモリーズ

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【書評】エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」  吉田麻里 中村龍太 ダイヤモンド社

お題「我が家の本棚」

今回は、表紙がユニークな本を紹介します。表紙を見た感じなんの本だかわからないと思います。しかし、内容は優れたスタートアップが共通して実践していることを教えてくれるというすんごい本です!(笑)

 

【1.本書の紹介】

こちらは、成功した起業家の行動特性を分析した本です。
 
起業家はどういう考えをして、どういう行動をおこしたら成功したのかがわかります。
 
起業家として成功するのはある種天性の才能が必要なイメージがありますが、じつはそうではありません。
 
私たちも、学べば同じような結果が残せるようです。
 
さて、私たちが起業家として成功するためには、どう考え、どう行動をすれば良いのでしょうか?

【2.本書のポイント】

エフェクチュエーションの大きな特徴は、従来の経営学が重視してきた「予測」ではなく、「コントロール」によって不確実性に対処する思考様式であることです。
 
エフェクエーションは、誰も学習可能な意思決定の理論です。
 
「エフェクチュエーション」とは何かを一言で言うならば、それは「熟達した企業家に対する意思決定実験から発見された、高い不確実性に対して、予測ではなく、コントロールによって対処する思考様式」です。

アイデアそれ自体よりも、それを形にして他の人からコミットメントを得る行動が、より重要です。
 
「手中の鳥の原則」1つ目は、「私は誰か(who I am)」です。
2つ目は、「私は何を知っているか(what i know)」です。
3つ目は、「私は誰を知っているか(whom i know)」です。
 
「自分は何によって覚えられたいのか」と言うのは、今自分が何をするかに関する問いであり、自己刷新を促すための具体的な行動を導くものである、とドラッカーは説明しています。「私は何か」が、不確実性の中で具体的な行動指針となることが説得的に理解できる指摘であると思います。
 
手持ちの手段(資源)のうち、企業家自身のユニークな特性や価値観、様々な人生経験に基づく知識から、「何ができるか」を発想して、行動に着手することにより、他の人では生み出すことのできないような独自の方向性に道が開かれます。
 
先端技術ではなく、使い古された技術の使い道を変えてみることによって、全く新しい商品が生まれる。
 
手持ちの手段(資源)や、そこから生み出される「何ができるか」のアイディアを考える上で最も重要なのは、それがあなたにとって、それがあなた自身にとって「意味があるか」と言う視点です。
 
許容可能な損失の範囲で行動するためには、少なくとも2つの視点を考慮することが重要だ。
第一に、「本当に必要な資源はどれくらいか」と言う視点。
もう一つの重要なポイントは、「自分は何を失っても大丈夫か」「逆に何を失うことを危険だと思うのか「を企画した上で、失うことを許容できない資源は、なるべく危険にさらさないように着手することです。
 
レモネードと言う名称は、酸っぱくて食べられないレモンしか手に入らないのなら、それは不都合な結果といえますが、だからといって手にしたレモンを捨てたりせずに、失敗レモンはよりおいしい飲み物を作る原料にすれば良いと言う発想です。
 
確率を数量的に表現したり、予測によって不確実性を縮減したりできる事はできません。ナイトの不確実性とも呼ばれます。
 
企業家が生み出す新たな事業や市場といったものは、本質的にユニークであり、同類の経験を多く集めて、分析することによって、不確実性を縮減することはできないのです。
 
意図された行動の結果からではなく、思ってもいなかった事態をきっかけとして、重大な科学的発見が生み出されている。
 
熟達した企業家は、同じ偶然の出来事に対して、その捉え方を意図的に変えることで、積極的に可能性や機会を見出そうとするのです。
 
未来は確実で予測できないため、当初思い描いていた通りには進まないことが多い。一方で、何気ないパートナーとの相互作用が、創造もしなかった展開へとつながる可能性も、また、未来が真実であるからこそ、十分にあると考えることができるのです。
 
不確実な未来に対して、「コントロールできる範囲において、予測は不要である」ことを前提に、未来は人間の行為によって作られるものだと考え、自分たちがコントロール可能な要素に働きかけることを通じて、未来の環境の1部創造する構造に集中し、望ましい結果に帰結させようと努力するのです。
 
あなたは人生と呼ぶ周りのあらゆるものは、賢さにおいてあなたと大差ないに人々によって作られた、ということだ。だから、あなた自身もそれを変えたり影響を及ぼしたり、他の人にとって有用なものを作ったりすることができる。(スティーブ・ジョブズ)
 
エフェクチュエーションがとりわけ有効に機能する問題空間の3つの特徴。
第一に、未来の結果に関する確率計算が不可能である。
第二に、選好が所与でない、もしくは秩序だっていない
第三に、どの環境要素に注目すすべきか、あるいは無視すべきかが不明確である。
 
どのような偶発性が起こるかは、事前に予測もできなければ、デザインすることもできません。
 
【目次】

はじめに
第1章 エフェクチュエーションとは何か

第2章 手中の鳥の原則

第3章 許容可能な損失の原則

第4章 レモネードの原則

第5章 クレイジーキルトの原則

第6章 パートナー獲得のための行動:問いかけ(asking)

第7章 飛行機のパイロットの原則

第8章 エフェクチュエーションの全体プロセス

第9章 フリーランスとしてのエフェクチュエーション

第10章 企業でのエフェクチュエーションマネジメント

おわりに

【3.本書の感想】

ノーベル賞を受賞した島津製作所の田中耕一さんの発明も、失敗が偉大な発明につながっているように、計画通りに行かなかったことが素晴らしい結果に結びつくことがあいります。

 

やみくもにやっているとそれは、徒労しかありませんが、とりわけ新しいコトにチャレンジする起業家は、成功できるであろうという仮説は持っていますが、成功は約束されていません。

 

それでも前に進むために、本書で書かれているような方法を選択することで、自分を破滅に追い込むことなく、何度でも成功への糸口をたどることができます。

 

一昔前までの日本人の起業のスタイルは、あらゆるところから借金をして、事業が失敗したら夜逃げするしかありませんでした。

 

スタートアップが盛んな米国では、失敗しても何回でも起業にチャレンジします。

 

逆に失敗していないと信用してもらえないくらいです。

 

何度でも挑戦できるためには、運任せにするのではなく、自らコントロールできる状態にしていく必要があります。

 

この本には、優れた起業家の行動特性を紹介されていますが、私たちが生活する中でも行かせることは多々あると思います。

 

日常生活に、ちょっと優れた起業家のマインドを注入することで、我々はイノベーションを起こすことができるかもしれません。

 

毎日同じ生活に飽き飽きしている人、正方向にイノベーションを生み出したい人は是非読んでみてください!


エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」

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最後までのお付き合いありがとうございました!