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【書評】多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織 マシュー・サイド  ディスカヴァートゥエンティワン

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今週のお題「買ってよかった2021」

この本はズバリ、買ってよかったです!今回は多様性の重要性がよく理解できるすんごい本を紹介します。

 

【1.本書の紹介】

多様性が重要だということは、なんとなく聞かれた方も多いと思います。

 

多様性がイノベーションを生むなど言われていますね。

 

なぜ多様性が良いのでしょうか?

 

また、多様性がない方が良い場合とは、どんな場合なのでしょうか?

 

【2.本書のポイント】 

人間の頭や心は、序列が定められた集団の中で生きるよう設計されているのだ。

 

地位の高いリーダーが率いるチームより、それほど高くないリーダーが率いるチームの方がプロジェクトの成功率が高かった。

 

たいていの会議が機能不全に陥っているのがわかる。参加者の多くは発言せず、地位の格差で方向性が決まる。みな自分の言いたいことを言わず、リーダーが聞きたいであろうことを言う。その結果、重要な情報を共有し損なう。

 

人々を率いていくには、共感力が欠かせません。それには強さが必要です。

 

何か計画を実行する時に重要になるのは支配型。しかし新たな戦略を考えたり、将来を予測したり、あるいはイノベーションを起こそうという時は、多様な視点が欠かせません。

 

人類にとって最大の悲劇は、建設的な批判や反論ができなくなることです。何が真実なのかを見つけるにはそれが欠かせません。

 

複雑な問題に最善の判断を下すには、ヒエラルキーのあらゆる層から意見やアイデアを引き出すこと、共有可能な関連知識を持つ人全員から学ぶことが欠かせない。

 

アメリカ移民が起業家になる確率は、国内で生まれた人と比べ2倍高いという結果も出ている。

 

人は熟練して深い知識があるからこそ、幻聴にとらわれやすい。そのせいで、テクノロジーによる進化の可能性に気付けなくなる。

 

並外れて大きな発見をするためには、寄り道が大いに必要なんです。

 

知的創造力は人との繋がりの連鎖の中で強まりそうした文化資本は世代から世代へと引き継がれていく。

 

「個人」は集団脳の産物であり、それまでつながることのなかった数々のアイデアが連鎖した結果である。

 

「啓蒙運動で男性の権利が拡大された一方女性の権利は狭められ、高等教育や専門教育は禁じられた。」これは女性にとって社会的に不公平な出来事だったが、その結果男性の創造性を劇的に下げることにもなった。

 

クールなテクノロジーを発明したいなら、頭が切れるより社交的になった方がいい。

 

絶えず変化を続ける世の中では、初期設定に疑問を呈する力があるかどうかが大きな違いをもたらします。

 

人は自分独自の環境を作る権限を与えられると、他人が用意するよりほぼ必ず良い環境作ります。

 

多様性は人間らしさの大事な一部です。今こそそれを真剣に考えるべき時だと思います。

 

今日の我々に差し迫る問題はあまりに複雑で、個人の力 だけでは到底解決できない。これからは集合知の時代だ。

 

多様性の力は人類に集合知をもたらしたばかりではなく、他の種とは一線を書く独自の進化をもたらした。多様性はまさしく、人類の内なる原動力だ。

 

多様性は「人類に成功をもたらすカギ」なのだ。

 

イノベーションはたった一人の天才が起こすわけではない。人々が自由に繋がりあえる広範なネットワークが不可欠なのだ。

 

我々の人間的な滞っている今、自分とは異なる人々と接し、馴染みのない考え方や行動に触れる価値がかつてないほど高まっている。こうした交流は常に、現代においてはとりわけ、進歩をもたらす大きな力となる。

 

【目次】

第1章 確率的集団の「死角」

第2章 クローン対反逆者

第3章 不均衡なコミュニケーション

第4章 イノベーション

第5章 エコーチェンバー現象

第6章 平均値の落とし穴 

第7章 大局を見る 

【3.本書の感想】

本書では、CIAの米国人(白人)に偏った採用が、9・11のテロを防ぐことができなかった原因の1つだと指摘しています。

 

また、偉大なイノベーションを成し遂げた米国の起業家も移民または移民の子の割合が多いと紹介しています。

 

日本ではなぜ、米国のように世界を変えるような企業が出てこないのかと言われます。

 

それは、日本企業の役員メンバー全員が日本人、男性、50歳以上である企業が多いという現実を考えてみると、そりゃ新しいことなんてできないでしょうと言うことを理解できない方がおかしいですよね。(笑)

 

だからと言って、日本企業がすべて悪いというわけではないので、日本企業の良さを活かして、これから挽回していきたいと思います。

 

多様性が優利である理由は、より多くの考え方から一番いい考え方を選ぶチャンスがあるからです。

 

ビジネスの環境変化が激しいと言われる現代においても、年寄役員が多い企業では、若い人の意見は通りません。

 

そんな企業は、つぶれないにせよ、業績は伸びていないのがほとんどです。

 

そんな中でも、時代の変化をチキンと把握できたユニクロの柳井さんなどは、日本人、男性、50歳以上であっても、時代をうまくつかむことができたんだろうと思います。

 

これまでの成功は、すべてご自分の考えで進めてきたのか、若者の意見をどれだけ受け入れたのか、それは定かではありません。(笑)

 

多様性の視点から考えると、様々な立場の人の意見を上手く取り入れた企業は、変化にうまく対応できています。

 

この本は、単純作業ではなく創造力やイノベーションが必要な場面で働いている方、同じことの繰り返しに危機感を覚えている方には特に読んで頂きたい1冊です。是非、ご覧ください!

多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織

 

【4.関連書籍の紹介】

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