京都のリーマンメモリーズ

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【書評】もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎夏海  ダイヤモンド社

今週のお題「おとなになったら」

おとなになったら、サラリーマンになる予定でしたので、夢が叶ったと言っていいのでしょうか。(笑) 人生100年時代になるとは思いませんでしたので、サラリーマン後も考えておかないといけませんね。今回は、あのドラッガーの『マネジメント』を高校野球部のマネジメントに応用してみたというすんごい本を紹介します。(笑)

 

【1本書の紹介】

今回は、ドラッガーの名著、『マネジメント(エッセンシャル版)』を野球部のマネージャーが読んでそれを活かしてみた!でとても有名になった本です。
 
ドラッガーの本は基本的には、企業経営者が読む本ですので、普通の高校生はもちろんのこと、経営に関係のない人は、ほとんど読むことはありません。
 
しかし、この本は、甲子園を目指す野球部マネージャーの物語の中に、『マネジメント』を見事に落とし込んでおり、ストーリーを楽しみながら、ドラッガーの基本中の基本を学べるというとてもお得な内容となっています。
 
その効果もあり、ベストセラ―になりました。
 
さて、高校野球部マネージャーは、どのようにドラッガーの教えを活かしていくのでしょうか?
 

【2.本書のポイント】

マネージャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくても学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することができない資質、始めから身に付けでいなければならない資質が、1つだけある。才能ではない。真摯さである。
 
あらゆる組織において、共通の物の見方、理解、方向づけ、努力を実現するには、「われわれの事業は何か。何であるべきか」を定義することが不可欠である。
 
企業の目的と使命を提示する時、出発点は1つしかない。顧客である。顧客を満足させることこそ、企業の使命なり目的である。
 
野球部のするべき事は、「顧客に感動を与えること」なんだ。「顧客に感動を与えるための組織」というのが、野球部の定義だったんだ!
 
企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は2つの、そして2つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。
 
マネジメントは、生産的な仕事を通じて、働く人たちに成果を上げさせなければならない。
 
働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。そのためには、①生産的な仕事、⓶フィードバック情報、③継続学習が不可欠である。
 
専門家にはマネージャーが必要である。自らの知識と能力を全体の成果に結びつけることこそ、専門家にとって最大の問題である。
 
人のマネジメントとは、その強みを発揮させることである。
 
みなみはあることをリクエストした。それは、「部員たちが出たくなるような練習メニューを作る」と言う事だった。
 
みなみは、部員たちの現実、欲求、価値に応えることの効果の大きさ、マネジメントがそれを果たすことの重要性を、より強くより強く感じるようになった。
 
働きがいを与えるには、仕事そのものに責任を持たせなければならない。
 
自らや作業者集団の職務の設定に責任を果たすことが成功するのは、彼らが唯一の専門家である分野において、彼らの知識と経験が生かされるからである。
 
組織とは、個として人間一人ひとりに対して、また社会を構成する一人ひとりの人間に対して、何らかの貢献を行わせ、自己実現させるための手段である。
 
成果とは打率である。人は、優れているほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。
 
トップマネジメントは委員会ではない。チームであるチームのキャプテンがいる。キャプテンはボスではなくリーダーである。キャプテンの役割の重さは多様である。
 
【目次】
プロローグ
第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
第五章 みなみは人の強みを生かそうとした
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた
エピローグ
あとがき

【3.本書の感想】

余計な事かも知れませんが、この写真が著者の岩崎夏海さんです。
 
おじさんです。(笑)
 
私は、アニメチックな表紙に騙されて、この著者名を見て以来、作者は女性だと決めつけていました。
 
みなさん、思い込みは危険ですよ。(笑)
 
本書は、『マネジメント』のエッセンシャル版を理解しやすいように、高校野球部のマネジメントに当てはめたものですが、いわゆる商売上のマネジメント用の考え方を部活のマネジメントに使ってもそれほど違和感のないところに、ドラッガーの偉大さを感じました。
 
赤いシリーズの『マネジメント』はとても有名ですが、分厚い事もあり読むのに苦労します。そのため、エッセンシャル版がでていますが、それでも読めない人がたくさんいます。
 
この本は、ドラッガーの『マネジメント』を理解するには、とても分かりやすい本です。
 
読まなきゃいけないと思っているがまだ読んでいない人は、まずは、この本を読んで頂いて、『マネジメント』を読めば、ご理解が速いと思います。
 
ダメ野球部が甲子園を目指すというストーリーも、とっても面白く仕上がっています。
 
顧客は誰か?
 
これを野球部に当てはめたところに、意外性を感じました。
 
ドラッガーを速く簡単に理解したい人には、とてもお勧めの本です。
 
是非、ご覧ください!

もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

 

【4.関連書籍の紹介】

読みやすい文章を書くことを目指して、天狼院書店のライティングゼミを受講しています。毎週、2000文字程度の文章を提出する宿題があります。上手な記事だと判断されると、天狼院書店のメディアグランプリに掲載されます。なんと、今週も掲載されました!

tenro-in.com

 

とても勉強になります。
www.fukuikeita21.com

 

これもなかなか良い作品です。
www.fukuikeita21.com

 

マネジメントにお困りの方は、こちらもご参考ください。
www.fukuikeita21.com最後までのお付き合いありがとうございました!