京都のリーマンメモリーズ

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【書評】問いかけが仕事を創る  野々村健一  角川新書

▲ ここに「買ってよかった2023」を書こう

買ってよかったのは、この本です。実は、この本を出張の時に新幹線に置き忘れてしましましたが、内容が良かったので、再度購入しました。今回は、問いかけが仕事を創るというすんごい本を紹介します。(笑)
 
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【1.本書の紹介】

最近は、答えを知っているよりも、問いを考えることが大事だと言われています。

最近は特にAIの登場もあり、ググればたいていの回答を得られる時代になりました。

それは、誰でも同じ答えを出せるようになったという事です。

以前は、なんでも記憶している方が、回答に導くことが早かったですが、今は誰もがAIを身近に使える環境になりました。

そんな環境の中では、どうしても答えが同じになってしまうので、答えに創造性がなくなってしまったからです。

これからは、新しい発想や創造が求められる時代になりました。

その為に大切な考え方が、問いを考えるという事です。

正しい問いがあれば、創造的なものができるそうです。

では、創造的なものをつくる為には、どのような問いかけをすればよいのでしょうか?


【2.本書のポイント】

世界のリーダーたちは「何かを新たに創造する」と言うことの必要性を強烈に感じている。
 
誤解を恐れずに言えば、この数十年、日本企業の得意としてきた主戦場は、「一定のルールの中で、技術や効率、生産性や品質等の競争をし、改善を実施しながら、常に緻密なエクセキューション(実行)をしていくこと)でした。
 
現在必要なのは「やらない/できない理由を考える天才」ではなく「やる理由/できる理由を考えるチーム」です。そして、「どうすれば〇〇ができるか」と、問いかけることができる人材です。
 
成熟したマーケットにおいては、その企業の持つ視点、ビジョン、ミッション、バリュー、取り組んでいる挑戦といった、無形の改革ストーリーとも言える価値が差別化要因になる。
 
欲しいものが見つからないという人もいます。つまり、「欲しい」とわかっているものは既に手にしているとも言えます。
 
「未来を予測」するのではなく、「自らの手で創る」方が確実。
 
Googleは、いずれ訪れる未来を予測し、「こんなことはできないか」「どうしたらこんなことができるか」と問いながら、「そうであればいいな」と言う未来を作ってきたということです。
 
問いかけが重要になる理由
1 知識や専門性から、好奇心やクリエイティビティーへ
2 「モノ」から「コト」へ
3 常識から非常識へ
4 なぜだけでは原因にしかたどり着けない
5 戦略から文化へ
 
デジタル戦略に取り組むことで、その企業が本質的に問われるのは「自社がデジタルな体験を通じて、ユーザに提供したい無形資産価値は何か」ということなのです。
 
変わりたいと思っている企業が欲している人物は、戦略を立てられる人物ではなく、文化を少しずつでもよいので変えていける人物。
 
これからのリーダーの役割
・冒険者
・庭師
・プレイヤー/コーチ
・ストーリーテラー
 
これからは、降ってきた問題を、早く正確に解く能力だけでなく、そもそも解かれるべき問題は何かを探り当て、問いそのものを設定する能力が求められている。
 
デザイン思考のポイント3つ
・人間中心である。
・生まれるのは「答え」ではなく、良質な問い。
・行動を促すもの。
 
若手社員は面白い「問い」やアイディアを思いついても、上司や年代の離れた先輩とは共有していない。
 
「リバースメンター」
メンターや職場先輩制度は普通、若手社員に対して、ベテラン社員がメンターとしてつきますが、その逆転つまり、ベテラン社員に対して若手社員がメンターとしてつくのです。
 
IDEOでは「どうすれば〇〇できるか」と言う問いかけを「How Might We」と言う表現で設定します。
 
利益以外の存在維持、価値観のことを、私たちはバリューと表現してきました。働きがいや仕事へのモチベーションが賃金以外の部分で決まることが多くなった現在において、どのようなバリューを経営理念や行動規範として掲げるかは、企業のありかたを大きく左右します。
 
クリエイティビティと本気で付き合おうとしている多くの組織で見られる傾向
・行動の指針となる存在意義を語れる
・不確実な状況を楽しめる
・しゃべるよりも手を動かす。
・好奇心の強い組織
・他者の成功を考える文化
 
一般的には、「パーパスの方には、お客様や自分自身、対象となるものが含まれていると言う点が、「ミッション」との最大の違いだと言われていて、「誰に、どんな貢献をするために存在するのか」ということが記されているものです。
 
プロトタイプとは、形にした問いかけだ。
 
好奇心が強く、問いかけに取り組んでいる会社は、「他流試合」を好みます。
 
インスピレーションの源は、社会だけではなく、社内にもあることを忘れてはいけません。
 
子供の頃の体感時間が長いのは、体験の種類も多く、初めてのものが多い(感情的な深さが生まれる)からです。
 
SCAMPER(スキャンパー)
S:Substitute(置き換えられないか)
C:Combine(組み合わせられないか)
A:Adapt(適応させられないか)
M:Magnify/Minimize/Modify(拡大/縮小/変更したらどうか)
P:Put to other users (別の用途で使えないか?)
E:Eliminate(取り除いてみたらどうか)
R:Reverse/Rearrange(逆転させたら/並べ替えたらどうか)
 
「〇〇を〇〇できないか?」「どうすれば、〇〇をもっと〇〇することができるか」といった問いかけを残すのです。
 
違う畑同士の人間と一緒になって、チームで何かを発送していくことの肌感覚を知っておくことは、今後ますます重要になってくるということだけは意識しておくべき。
 
これまで多くの組織で当たり前とされてきた働き方は、どこか人間をないがしろにするものでした。より多くの売り上げを上げること、効率が良いこと、必要以上にロジカルであることが優先されてきたのです。
 
デザイン思考の中心にあるのは、人です。「人にとって本当に良いことなのか」「人が本当に求めているものなのか」このように「人」に注目する価値観が再び注目され、重要視されるようになっているのです。イノベーションを起こすのは、常識にとらわれずに、本質的な問いを立て、行動し続ける人たちである。
 
フレームワークにはめるのではなくて、むしろ自分のやろうとしていることのために、フレームワークを新たに作り出すことを考えるように(マイケルポーター)
 
【目次】
第1章 「これからの時代に求められる力とはなんだろうか」
第2章 「0→1の発想に役立つのはどんな問いか」
第3章 「“問いかけ”は組織をどう変えるか」
第4章 「問いかける力を磨くためにできること?」
第5章 「仕事を、人生を楽しくするために、今日から何ができるだろうか」
第6章 「生成AIが台頭する時代の問いかけとは?」

【3.本書の感想】

他との違いを出すには、答えではなく、その前の問いが大切だという事ですね。

 

私たちは、昭和時代の詰め込み教育を受けて来た影響があり、どうしても、すぐに回答を知りたくなります。

 

学校で教わった学習は、考えるコトではなく、作業のようにこなすモノだったと思います。

 

学習のように、創造力の元を鍛える場において、作業しかしていなければ、それは、単に疲労しか生まれません。

 

しかし、時代が右肩上がりで、やることが明確な時代はそれで良かったのも事実です。

 

問題は、時代が変化しているのに、考え方が以前と同じで変化していないというところです。

 

今は、VUCA(ブーカとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字をとった言葉で、目まぐるしく変転する予測困難な状況)の時代と言われていますので、将来を見通すのがとても難しい状況です。

 

そんな状況の中では、一生懸命未来を予測するのではなく、自分たちで一生懸命未来を創っていくことが大事です。

 

そのためにも、今までの常識を鵜呑みにせず、与えられた問いから疑ってみることが大事だと思います。

 

今、流行りの問いかけについてよく知りたい方、マンネリ化した毎日にうんざりしている方は是非読んでみてください!

問いかけが仕事を創る

 

【4.関連書籍の紹介】

IDEO社の考え方がよくわかります。

www.fukuikeita21.com

これからは経営もデザインですね。

www.fukuikeita21.com

考える時は図で考えるといいですよ。

www.fukuikeita21.com

 

ついやってしますような仕掛けを考えましょう。

www.fukuikeita21.com

最後までのお付き合いありがとうございました!

 

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