京都のリーマンメモリーズ

京都で働くサラリーマンです。東寺や書籍の紹介をします。

【書評】HELLO, DESIGN 日本人とデザイン 石川俊祐 幻冬舎

f:id:bkeita:20201205174612j:plain

 

【1.本書の紹介】

デザインって形や色を作るだけだと思っていませんか?

 

本来、デザインは、絵を描いたり、服の形考えたりするだけではなく、何かを解決するプロジェクト全体を考えることなんだそうです。

 

最近、ビジネスの世界にもデザイン思考という考え方が浸透してきました。

 

浸透してきた理由の1つは、イノベーションを創出する手法になるのではないかと期待されているからだと思います。

 

今までの日本のモノづくりは、カイゼン、カイゼンでまるで、その領域で一番強くなる事が一番だと考えて来ましたので、自分の領域内だけを見て磨いて来ました。

 

そうこうしているうちに、次元の違う、モノやサービスを創造して登場して出て来たのが、GAFAと言われるメガプラットフォーマーです。

 

もう、モノづくりという枠には全くこだわっていませんよね。

 

日本において、今までのモノづくりやサービスの考え方では、全く新しい発想、全く新しいモノ、サービスが生まれにくかった反省があると思います。

 

というわけで、こういう企業を創るには、そういうモノ、サービスを創るにはどうしたら良いのか?という解の1つがデザイン思考だと言われています。

 

さて、すごい思考に聞こえますが、デザイン思考とは、実際、どうすればよいのでしょうか?

【2.本書のポイント】

世界的に言えば-そして本来は、デザイナーは「そもそもこのプロジェクトでは、誰のどのような課題を解決するか」と言う「問い(テーマ)」を考えるところから、実現可能なビジネスにしていくフェーズまで、プロジェクト全体に携わる人なのです。

 

「優れたデザイナー」になるために必要な条件があるとしたら、「自分の主観に自信を持っていること」。

 

多くの人を熱狂させる製品やサービスは、たいてい一人の「自分がほしい!」という強烈な主観からはじまっています。

 

今までと違うもの、みんなと違うアイデアを目指すのは、真っ白な地図を片手に、羅針盤さえもないまま北極星と太陽だけを頼りに船を進めるようなもの。でも、誰も見つけていない海や、まっさらな大陸にたどり着く可能性があります。みなさんには、こちらの航海に挑んでほしいのです。

 

デザイン思考で重視するのは、「人間中心」と「ビジネスモデル」、そして「テクノロジー」の三つの要素が重なっていることです。三つの輪が重なるところにこそ、イノベーションが起こるんですね。

人・・・本当は何を欲しているのか?潜在的にはどんな課題があるのか?

ビジネスモデル・・・実現可能か?持続可能か?儲かるか?

テクノロジー・・・いま、どんな新しい技術が生まれているのか?それをどう活用できるか?

 

デザイン思考四つのプロセス

1. デザインリサーチ(観察/インタビュー)

インスピレーションやアイデアの種を大量に集めるフェーズ。対象となる人の「観察」と「インタビュー」で、彼らが本当の課題は何かを探っていきます。 リサーチのとっかかりとしてよく使うのは「エクストリームユーザー(極端なユーザー)」へのリサーチでした。エクストリームユーザーは、肯定的であれ否定的であれ、明確な意見や要望を持っていることが多く、それによって効果の高い調査結果を得ることができるのです。

 

2. シンセシス/問いの設定

「自分たちが解くべき問題はなにか?」を決めていくフェーズ。リサーチによって大量に集まった情報を整理、分類、解釈して意味づけし、どのようなプロジェクトにして行くか決めていく。具体的には質の高い「問い(ブリーフやテーマ-課題)」をつくり、それに基づいた戦略を立ち上げます。

当時の日本企業が立てるのは「どうすればこの掃除機を○万台売ることができるか?」といったものばかり。問題解決を行っていくには、いくぶん「小さすぎる」サイズの問いでした。一方、他の国では「どうすればものが多い家でもストレスなく掃除できるか?」「どうすれば掃除にかける時間を短くできるか?」「そもそも汚れない家は作れないのか?」と言った、良質な問いがバンバン立っていたんです。

問いの質は、アウトプットの質に直結します。「良質な問い」をつくれているGoogle やideoといった企業は、「連続的に」イノベーションを起こしているのです。

 

3.ブレスト&コンセプトづくり

アイデアの方向性を固め、一言で表すコンセプトにまとめていくフェーズ。どんなアイデアの可能性があるかチームで案を出し合い、膨大な選択肢を用意する(拡散)。その上でテクノロジー的に、またビジネス的に成り立つかどうかを見極めながらコンセプトを絞っていきます(収束)。

 

4.プロトタイピング&ストーリーテリング

プロトタイプ(試作品)を使い、そのアイデアを手に取れるものにして確認するフェーズ。実際のそのプロトタイプをユーザーに試してもらい、フィードバックと修正の反映を繰り返します。そして最終的な形が見えてきたら、どのようなストーリーで伝えていくかをまとめていきます。

 

デザインは経営資源であること。そしてデザインに対する正しい認識が、いかに企業の明暗を分けるかということをお伝えしたかったのです。新しい未来を作り出すためには、それを支えるだけの企業文化や組織が必要なのだ、と。

 

ぼくは、世の中を変えるのはパッションだけだと信じています。 自分の、そしてチームのパフォーマンスを上げるためにも、「なぜこれをやるのか?」を問い、パッションを共有することが欠かせないのです。

 

積極的にコラボレーションする。パッションベースの小さなチームで働く。スピーディーにやる。自分たちで決める-。そんな働き方が当たり前になる時代、僕たちはどんな「個」になればいいのでしょうか?そのひとつの答えが、コラボレーションを重ねて自分が「ハブ人材」になることです。

 

みなさんは何をすべきか?まずはある分野で圧倒的に突き抜けること、なのです。

 

コンビニやレストランなどで「なんで融通が利かないんだろう」と感じる時がありませんか?どうも杓子定規な対応だな、と。これは店員が(というより店長やオーナーが)、目の前の「人」をサーブすることにより店舗運営の効率を重視しているから起こること。「人間中心」ではない、ということなんですね。

 

自分たちの魅力を見直して、クリエイティブで、利他的で、優しい日本人らしさをパッケージする。それを輸出することでルールメーカーとして存在感を発揮し、世界から人がやって来る国にしたいのです。ぼくたちは、「元製造業で大きく栄えた島国」イギリスに、もっとヒントを見つけられるはずです。

 

デザイン思考家は、本棚の整理方法から仕事の説明の仕方まで、一回一回、意識的に新しい選択をする(デビット・ケリー)

 

目の前の仕事も、あたらしい仕事も、人生も、自分でデザインする。それを可能にするためにも、デザイン思考が必要不可欠です。

 

【目次】

序章 誤解だらけのデザイン思考

第1章 全ての人は「デザイナー」である

第2章 デザイン思考のマインドセット

第3章 デザイン思考4つのプロセス

第4章 デザイン思考を実行する組織と、「個」のあり方

終章 デザイン思考 日本人最強説

終わりに 日本再興は教育から始まる

【3.本書の感想】

今は、解答ではなく、「問い」を考える事が難しく、そして大切なんだそうです。

 

私は、未だに解答を探すのにとても苦労する方です。(笑)

 

世の中を観ても、常に良質の問いが世の中を変えてきました。

 

日本では、同じような形をしたいわゆるガラケーの薄さや機能を競っていた頃、スティーブ・ジョブズは、iPhoneというガラケーとは全く異次元のものを誕生させました。

 

どうも、日本人はカイゼンが好きなので、もっと大きな視点に立って考えることが苦手なようです。

 

しかし、デザイン思考を勉強することで、その考え方が取得できるそうです!

 

そもそもなんでこれをやらないといけないのか?

 

こういうことをいちいち考えていると、そのうち、大ヒットが生み出されるかも知れません。

 

しかし、日々、時間に追われている中で、そもそも・・・という人ばかりだと、現場は回らないかも知れませんね。(笑)

 

著者は、日本が、復興する為には、英国を見習うべきだと言っています。

 

そういえは、英国は産業革命を起こした、製造大国でした。

 

今は、英国は、製造業国家という感じはしませんね。

 

英国もですが、日本も資源がない国です。

 

そうです、今までの歴史の中で培った知力を資源にしていかざるを得ない時代です。

 

これからは、自分の頭で考える事が必要な時代になります。

 

これから、デザイン思考が、あらゆる場面での基本的な考え方になるかもしれません。

 

デザイン思考を知りたい方は是非ご覧ください!

 

HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book)

【4.関連書籍の紹介】

これからは「正解を出す力に価値はない」と言っています。

そう、これから大事なのは問いを見つける力なんです!

www.fukuikeita21.com

 

 ゲームって始めたら、やめられませんね。

こちらも、ついやってしまうようにデザインしています。

www.fukuikeita21.com

 最後までのお付き合いありがとうございました!