京都のリーマンメモリーズ

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やっちまった~は必然です! 「『ついやってしまう』体験のつくりかた」  玉樹慎一郎  ダイヤモンド社

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f:id:bkeita:20190831111717j:imageつい買ってしましました。(笑)

 
この本は、元任天堂の企画開発者が、ゲームの制作過程をベースにしながら、「ゲームをやり続けてもらうしくみ」つまり、「人を動かすしくみ」を解説しています。
 
ゲームって、やり始めると止まりませんよね。
 
それは、止まらなくする仕掛けをしているからです。
 
ゲームを長くプレイしてもらうために、制作側はこれ程まで考えて制作しているのかという事がよくわかります。
 
まず、ゲームで一番大事なのは、「直感」です。
 
まずは、「どうすればよいか」がわからないとゲームが進まないからです。
 
次に、同じ事を繰り返して来ると、「飽き」が来ます。
 
それに対応するのが、「驚き」です。
 
性、食、損得、承認等を盛り込んで、「飽き」を感じさせなくさせます。
 
その次は、「なんでこのゲームをやっているんだろう?」と言う疑問に打ち勝つ必要があります。
 
それが「物語」です。
 
主人公が成長することを通して、「自分の物語」につながることで、「続けなきゃ」となります。
 
そんなことを考えながら、ゲームは作成されています。
 
ゲームを続けてもらうために、心理学などをよく研究されています。
 
ゲームを作っている人たちは、遊んでばかりいるのではなく、デザインの勉強をしたり、プログラミングの勉強したり、心理学を勉強したり、それぞれに勉強をしています。
 
うちの子供には、ここだけは理解して欲しいと思います。(笑)
 

 
直感についてですが下の絵をご覧下さい。
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こちらは、ゲーム スーパーマリオブラザ-ズの画面を著作権に配慮して、著者が簡略化して書いた絵です。
 
この画面(ゲームの画面)は、これを見た人が、「人(マリオ)を右に進めるんだ!」と直感的に思わせることを何よりも優先させてできた画面になります。
 
確かに、右に行きそうですもんね。
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こちらは、私が、先程の絵を真似て、マリオと山を大きくした絵です。
 
これだとどうでしょうか?
 
右にも進めそうですが、左にも進めそうですね。
 
マリオを大きくした為に、ジャンプをする空間が無くなっています。
 
マリオブラ-ズの最初の画面は、適当に描いたのではなく、様々な事を検討に検討を重ねた結果出来上がった画面なんです。
 
ポイントは以下です。
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ゲームはおもしろいから遊ぶのではありません。「つい思いついちゃった、ついやっちゃった」から遊ぶんです。
 
人はなぜゲームを遊ぶのか?
ゲーム自体がおもしろいからでなく、プレイヤー自身が直感する体験そのものがおもしろいから、遊ぶ。
 
私たちの脳は、常に「○○するのかな?」という次の行動について仮説をつくりたがっている。
 
アフォーダンスとは、あなたが何かを見た時に思い浮かぶ「○○するのかな?」という気持ちのことです。
 
シグニファイアとはアフォーダンスを伝えるために特化した情報のことで、スーパーマリオであればマリオの形状や位置・山や草などが該当します。いや、正確には、画面のほぼすべてがシグニファイア だといっていいでしょう。
 
デザイナーは、右へ行くことを何よりも先に伝えたかったからこそ、おもしろそうだと感じさせることすら捨て去ってしまったようです。
  
直感のデザインの第一ステップ・仮設という体験の成功確率を上げるためには、体験そのものをシンプルで簡単にすることが絶対的な条件です。
 
学習心理学における「初頭効果」。時間をかけて学んでいくとき、体験のはじめ頃に集中力や学習効率が高まる、というものです。
 
マリオというゲームは、一切文字を使わずに、老若男女・世界中どこの国の人であっても直感的に学んでいく体験を生み出している素晴らしい事例です。
 
脳というものは、同じ刺激が何度も繰り返されると、反応が徐々に弱まっていくようにできている。
 
つらい冒険、学習の連続の果てに、非常識で予想外なものが現れる…そんな体験の鮮烈さこそが人々の心を動かし、ひいては人々の疲れと飽きを癒し、夢中にさせたんですね。
 
ドラクエは一般的には「王道で教科書的」と評されますが、実は真逆なんですね。プレイヤーをことごとく裏切る過激で非教科書的なゲーム、それこそがドラクエの正しい評価だといえます。
 
人間が本能的に欲するものや目を背けたくなるものを描きながら、プレイヤーに何かを儲けさせる、祈らせ、プレイヤーの性格が出てしまうように仕向ける。
そんな体験デザインでプレイヤーに驚きをもたらすことが直感のデザインの連続による疲れや飽きを払拭し、さらなる体験へと誘います。それこそが、つい夢中になってしまう体験をデザインする際の基本戦略です。
 
コミュニケーションを成立させるために、どんな内容をどんな順番・どんな割合で話すのか?そんな悩みを抱いたことのあるあなたは、実は既に立派な体験デザイナーなんですね。
 
「ゲームは生活必需品ではない。だから、驚きが必要だ」
 
緊張させてから緩和させるという体験の順番が大切なのだ
 
「問題が未解決のままであれば、緊張感を維持してもらえる」
 
プレイヤーは放っておいても勝手に「個々のプレイヤーにとって、ちょうど良い難しさ」で遊んでくれるのです。だからこそゲームは、プレイヤーに最大の成長をもたらすことができるわけです。
 
物語のデザイン
翻弄 物語を理解しようとするプレイヤーを翻弄し物語らせる。
成長 物語中の主人公同様、プレーヤーを成長させる。
意志 プレイヤー自身の意思で運命を切り開かせる。
 
ゲームは無数の体験デザインを通して、プレイヤーの感情を動かしています。よろこび・いかり・かなしみ・たのしさ。幾多の感情を一手ずつ繰り出し、そのときそのときの文脈を作りながら、プレイヤーの心を動かしていく。それが体験デザインの正体です。
 
「体験→感情→記憶」という流れが、私たちの人生を突き動かしています。
デザインはさまざまな職業や専門性を持つ人々が集い、協力しながら研究すべきメタ的・学際的な研究領域になるでしょう。
 

大切なのは石ころそのものではなく、石ころとユーザーが触れ合う文脈です。ユーザーはどんな文脈で石ころと接したのか、それこそが体験の価値を生んでいます。
 
つまらない体験・うまくいかない体験を観察し、体験の価値を引き下げている心の文脈を発見した後、体験をデザインする。
 
1.わかりにくいことが問題なら、直感のデザインを応用する。
2.疲れや秋が問題なら、驚きのデザインを応用する。
3.やりがいがないことが問題なら、物語のデザインを応用する。
 
「私にとって大切な事って、これだったんだ」と直感するという体験こそ、企画を考えるという体験にデザインしたいことなのです。
 
懸命にプレゼンを聞こうとしている聞き手を助けると思って、以下のモチーフお話の隅々に意識的に差し込んでみましょう。性/食/損得/承認/汚れ/暴力/混乱/死/射幸心と偶然/プライベート
 
特に効果があるのが、黙ること。
 
プレゼンを聞く前には理解できなかったことが、プレゼンを聞いた後には理解できるようになっている。成長の実感を聞き手に与えたいんですね。
 
メインの主張・問い・全体のまとめなどを冒頭に示し、プレゼンによって内容を理解してもらった後、、再提示すればいいだけです。
 
いつだってデザイナーが意識すべきは「プロダクトに不慣れで取り立てて情熱も持っていない一般的なユーザ」なんです。
 
特にスマートフォンのアプリケーションやゲーム、サービス設計の分野において、止めさせるデザインが求められています。
 
子供が片付けられないのは、決して本人のやる気ではなく「場所の記憶がない」ことが原因だったわけです
 
僕自身が読んだことのない本や知らないことが書いてある図鑑などを準備して「へえ!」「おもしろいなぁ!」と感心しながら読むことに努めました。
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ゲームでは、これだけのことを考えて、ゲームをやり続けてもらおうと必死に考えています。
 
これと同じ熱量で学習のシステムを考えて貰えれば、日本から沢山の天才が生まれるのではないかと思いました。
 
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こちらは3つの体験デザインのまとめになります。
 
見ただけだとわかりにくいかも知れませんが、基本は1→2→3のレイヤーで考えられています。
 
この中身をもっとよく知りたいと思われる方は、是非この本をご購入下さい。(笑)
 
こちらの本で紹介されている、ゲームに利用した人を動かすしくみは我々のビジネスのシーンでも応用できるとしています。
 
企画、会議、プレゼン、マネジメントなど、このやり方を応用すれば、対応可能です。
 
この本自体にも沢山仕掛けがしてあり、飽きさせない工夫が沢山施されています。
 
巻末だけでもとても参考になる内容となっています。
 
中盤までは、見た目は簡単ですが、難しいところもありますので、まずは、巻末を読んで頂いて、それから、気になる所を読んでいただく方法でも良いと思います。
 
本屋でこの本を見つけた方は、とりあえず、「つい手に取って」みて下さい!