京都のリーマンメモリーズ

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【書評】もしも1年後、この世にいないとしたら。 清水研 文響社

f:id:bkeita:20200525102021j:plain充実した人生を送るためにはどうすべきかをを教えてくれる本です。

 

【1.本書の紹介】

1ヶ月後に死ぬとしたら今、何をしますか?

 

1週間後死ぬとしたら今、何をしますが?

 

明日死ぬとしたら今、何をしますか?

 

貴重な今を無駄にしないために折にふれ、こんなことが最近よく問われていると思います。

 

「今日が人生最後だとしたら、今日やることは本当にやりたいことだろうか?」


スティーブ・ジョブズが毎日、これを自分に問うていたという話は有名ですね。

 

「死」を考えると「死」に近づくような気がして嫌という人もいると思います。

 

私もそうです。(笑)

 

しかし、実際は逆で、「死」を考えている人は、自分がやりたいことを忠実に実行して、充実した人生を送っていると思います。


幕末の志士が短い生涯で偉大な業績を残せたのは、常に「死」を意識していたからじゃないかと思います。


死ぬ気でやれば何でもできる

 

本当にそうなんだと思います

 

日本の中流社会では、人と同じことをすることが正となり、「死」を意識するよりも他や隣を意識するのが当たり前になり、本当の幸せが見え辛くなっています。

 

この本の著者は、がんになった人の精神的なケアをするのが仕事です。

 

著者は自分の仕事を通じ、目の前に死が迫って来た人々の話を聞く中で、自分が自分の人生を生きていなかった事に気づきます

 

人は、「死」を意識して初めて自分らしい人生を生きる事ができると言っています。

 

過去の偉大な先人からも学ぶことはできますが、がん患者という「死」と向き合わざるを得なかった人々からも大切な事が学べます。

 

この本では、がんや重病の方と向き合ってきた事が書かれていますが、その闘病生活など、ヘビーで詳細な描写はありません。

 

目の前に死と向き合った人と触れ合う中で、ご自身が学んだことを主として書かれていますので、死を考える書としてはとてもソフトで馴染みやすい本だと思います。

 

自分の人生を充実させるには、死ぬ間際に後悔しない為にはどうしたら良いのでしょう?

 

【2.本書のポイント】

僕は死を考えるのは、死ぬためじゃない。生きるためなんだ。アンドレ・マルロー(フランスの作家)

 

「あまり自分にとって大切ではないこと」と、「後回しにせずに取り組んだほうがよい大切なこと」をきちんと区別できるようになりました。

 

最新の統計では、生涯においてがんになる確率は、男性では62%、女性では47%と報告されており、「二人に一人はがんに罹る時代になった」と言われています。がん患者の3人に1人は生産年齢と言われる15から64歳です。

 

最新の統計では、根治の目安とされているがん罹患後5年生存を達成される方の割合はがん患者全体の62.1%と報告されています。

 

家族は第二の患者と言われ、精神的な苦痛の程度は、患者本人に勝るとも劣らないと言われています。

 

死を意識し、新しい治療を体験する中でその人が深く考えたこと、感じたことは、一つ一つに説得力があります。

 

私が多くの患者さんの病気と向き合う過程を知るにつれて驚いたことは、苦難を経験することで、病気になる前とは異なる、新たな世界観を見つけていかれることです。

 

心理的な観点から二つの課題に取り組むことになります。一つ目の課題は、「健康で平和な毎日が失われた」という喪失と向き合うことです。二つ目の課題とは、「様変わりした現実をどう過ごしたら、そこに意味を見いだせるのか」を考えることです。

 

心理学領域における心的外傷後成長に関する研究から、その人の考えには5つの変化が生じ得ることが明らかになっています。
1 人生に対する感謝
2 新たな視点。(可能性)
3 他者との関係の変化
4 人間としての強さ
5 精神性的変容

 

人間は、希少であるものに価値を置く習性があります。時間が永遠につづくと錯覚していると1日お粗末にしてしまいがちですが、時間が限られているとすると、1日1日はとても貴重に思えてくるわけです。


「健康はいつ失われるかわからないもの」であるし、「いつかは必ず失われるもの」という意識を心の片隅に持っていたいと私は思います。なぜなら、「今日、健康で一日を過ごせることはありがたいこと」という感謝の気持ちが芽生えるからです。


今日1日を過ごせることが当たり前でないことに気づき、感謝の念が沸くと、人は貴重な時間をどのように過ごすかを一生懸命考えるようになります。人生において本当に大切なことは何か、その優先順位を考え、生きがいについて深く考えるようになるのです。


あなたの心が「絶対にやりたい」と言っているものがあるのならば、どのような形でやれば実現できるのかいつ始めたら良いのか、しっかりとうかがって準備されることをお勧めします。


人生の優先順位を考えたのち、多くの方が最も重要だと思うことは何だと思われますか。それは、自分にとって大事な人との時間です。


他人にたくさん親切にしてもらったり、勇気づけられたり、支えてもらったりした経験が、自分も誰かの役に立ちたい、という気持ちにつながっていくようです。


がんになった多くの方が、「がんになったことで、他人の苦しみに共感できる素地のようなものができた。」とおっしゃっています。


私は自分の経験から、人は何歳になっても変わることができると断言できます。


レジリエンス外来は、素の自分、こころのままに生きることを一緒に考える場です。何がその人を足踏みさせているのかが分かると、自然と心が自由に動き出すのです。


がんセンターで働き出してがんの患者さんにお会いし、「残りの時間をどう生きたらよいのか」という問いをもらったときに、そもそも今の時間をどう生きたら幸せかが分からない私には答えが全く想像できず、大きな壁にぶち当たることになったわけです。こうして、「自分の人生を生きていない」と言う私が封印してきた問題の蓋が開いたわけです。


私の考えは、「そのうち修羅場を迎えるだろうが、まだきっと時間の猶予はある」というように変化しました。


「今、自分が健康で過ごせていること」に感謝の念が湧いてきました。


「なるほど、一回限りの旅か。この世に生まれ、せっかく一回だけの旅をする機会を与えられたのだから、いろんな人と出会い、様々な体験をして、豊かな旅にしないともったいないな」

 

どちらに進んだらよいのか、私にとってしっかりとした道標となったのは、がんを体験し、私よりもリアルに人生の期限と向き合っていた方々が出した答えです。他人からの評価に縛られていてもあまり幸せにはなれず、それよりも自分の気持ちに素直に従って生きても良いこと、自分にとって大切だと思う人との時間を優先すること、ここにある時間を十二分に味わうことなどです。


心の赴くままに行き当たりばったり、ことがとても良いと思います。目的や時間の制限を決めず、自分の心がどこにわくわくするのか、「want」の声を聞くことを意識することが大切なのです。


死をみつめることは、どう生きるかを見つめることだと気づきました」というのは、多くの患者さんがおっしゃる言葉ですが、有限を意識することは、「大切な今を無駄にしないで生きよう」という心構えにつながり、人生を豊かにします。


治療が成功し、今、生き延びた自分はやりたいことをやる人生を大事にしたいと思うようになりました。一日一生。1日1日を大切に過ごしたい。今を生きなければ意味ないと強く思います。病気になるまでは、人に気を使っていた人生だったなと。死ぬときは一人だと知っていると、周りを気にしていた自分って何だって心底思うんです。今起きていることはただの「普通」ではない。「普通」の連続が「幸せ」なんです。


「今日1日をこのように過ごせることは当たり前ではない」ということを意識することは、「今、ここにある自分」を大切に生きることにつながるでしょう。


「死」を意識して初めて、生きることの光を感じるという側面もあります。人生の期限を意識することは、日々を粗末にせず、自分らしい生き方にシフトするための大きな動機づけになるのです。

 

【目次】

はじめに 大切なことを先延ばしにしていませんか

序章   がんは体だけでなく心も苦しめる

第1章  苦しみを癒すのに必要なのは、悲しむこと

第2章  誰もが持っているレジリエンスの力

第3章  人は死の直前になって、心のままに生きていないことに気づく

第4章  今日を大切にするために、自分の「want」に向き合う

第5章  死を見つめることは、どう生きるかを見つめること

おわりに 「死」を意識して初めて生きることの「光」に気づく

【3.本書の感想】

「死」を考えることは「死ぬ」ことではなく「生きる」ことです。


「死」を考えることで、今の毎日が普通に過ごせる事に感謝するようになり、人生が充実します。

 

感謝する時というのは、得をしたり、幸運な事があったりした時ですね。

 

「死」を意識することで、毎日得をしたり、幸運な感情が芽生えます


感謝の気持ちが芽生えるということは、とても幸運な事なんです。

 

「死」を意識することは幸運な人生を送ることなんです。

 

みなさんも、是非、幸運な人生を送って下さい!

 

大丈夫です、この本を読んでも暗い気持ちにはなりません。(笑)

 

自分の人生を生きるために、本当に「自分のやりたいことは何なのか」ということを考えるようになります。

 

題名は少し過激な感じがしますが、患者との描写は至ってソフトですので、安心して、人生を考える為に考えながら読んで見て下さい。

 

自分の人生を充実したものにするために、自分は本当にやりたいことをやれているのかと考えるきっかけとなる本です。

 

自分の時間を、自分の1日を、自分の人生を無駄にしないために是非この本を読んで考えてみて下さい!

もしも一年後、この世にいないとしたら。

 

【4.本書関連書籍のご案内】

高血圧でお悩みの方はこちらをご参考ください↓

【荒木式】高血圧改善プログラム~薬もキツイ運動もやめられた画期的な食事法~

ホリエモンも自分の為に生きろと言っています。

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 鳥居さんは遠慮をしている暇は無いと言っています。

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 2000年前の人セネカはホリエモンのマネ(笑)をして、時間の大切さを問うています。

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出口さんは、人生は教養で面白くなると主張されています。

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 「原因」と「結果」は世界的 名著です。

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  今回の本と共通したところがあります。

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 日本のベストセラーです。

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■高血圧でお困りの方はこちらを御覧ください。

高血圧下げる「福辻式」

 

自分のやりたい人生を歩んでいますか?

まだ自分のやりたいことが見つかっていない方はこちら↓

スマホで学べるスタディング

 

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

 

【追加】

文響社さんからいいねを頂きました!

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文響社さんありがとうございました!