京都のリーマンメモリーズ

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日本が大きく成長する可能性とは? 「人生を面白くする本物の教養」 出口治明 幻冬舎新書

出口さんは、「稀代の読書家」として知られており、全国教養学界代表の様な方です。(笑)

 

経歴は、京大法学部を出て日本生命に入社、ロンドン現地法人社長の経験ありというエリート中のエリートです。その後、ライフネット生命を立ち上げ、100億円企業に成長させました。その後、公募APU(立命館アジア太平洋大学)の学長に選ばれて、現在に至ります。
 
この経歴を持つ人物が放つ言葉を、一市民がまともに受け止めるのはどうかとは思いますが、意識の高い人は、どんどん出口さんの言葉を受け止めて成長して頂きたいと思います。
 
先日「人生を面白くする本物の教養」と言う書籍と同じ題名のセミナー(日経スタディアム主催 @キャンパスプラザ京都)に参加しました。 
これがきっかけで、この本が自宅の本棚にありましたので、再度読んでみました。

【1.本書の紹介】

出口さんが、このテーマで本当に言いたかったのは、今の日本経済の停滞は、日本人の勉強不足によるものだと言うことです。
 
教養が人生を豊かにするという言い方をされていますが、日本国を考えた時、もっと勉強しないと外国に負けるという危機感がにじみ出ています。
 
もし、皆(国の中枢、企業経営幹部等)が高い教養を持つようになれば、再び日本は復活できると主張されています。
 
どこに遠慮しているのか、とてもソフトな言い方をしているので、読み手としては「私達はもっと教養を得るために知識を増やさないとね」と思うレベルで留まってしまいますが、出口さんは、日本国の為にもっと勉強しなさい!と言っているように聞こえます。
 
この本を通じて勉強の必要性を、出口さんの主張である、「数字ファクトロジック」で説明されています。
 
勉強をして教養を磨くべきだと主張はしていますが、仕事自体にはあまり深入りしない事人生豊かにする方法だと書いています。
 
これはそのまま受け取って良いのでしょうか?
 
出口さんが言っているからと言って、素直に、「仕事はどうでもいい」という態度が出ると、会社から「どうぞご自由に」と言われる可能性がありますね。(笑)
 
普通の人は出口さんとは違いますので、仕事をどうでもいいと言えるまでに、教養スキルは身につけておかないと、面白くない人生を歩むことになるかもしれません。
 
 エリートではない人が、エリートの言うことをそのまま受け取ると危険である点はここにあると思います。(笑) 

【2.本書のポイント】 

人間は何歳になっても世界を知りたい、世界の謎を解きたいと言う気持ちを持っているものです。好奇心と呼んでも良いでしょう。そうした気持ちのあり方がその人の教養を深める強力なエンジンとなるのです。
 
教養を身につける付けるには、ある程度の知識が必要です。教養と知識は、不可分の関係にあると言っても間違いではありません。
 
「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するに物ごとを自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため。たったそれだけのことです。そのために勉強するのです」(山本義隆)
 
意見を決められない時、私たちはどのくらいその問題について真剣に考えているのでしょうか。そのテーマに関する本の1冊も読んでいるのでしょうか。大して考えることがないままに、「決められない」と言っているだけではないでしょうか。日本人の教養不足の一因は、このような「手抜き」にあるように思います。端的に言えば、勉強不足です。
 
西洋にはギリシャ・ローマ時代以来「リベラルアーツ」と言う概念があります。一人前の人間が備えておくべき教養のことで、「算術」「幾何」「天文学」「音楽」「文法学」「修辞学」「論理学」の7つの分野から成ります。
 
日米の大学生が在学中にどのくらい本を読んでいるかを調べた調査がありました。それによると、日本の大学生が平均約100冊の本を読んでいるのに対して、アメリカの大学生は平均約400冊と言う結果が出ていました。
 
オックスフォードでは、1番優秀な学生は外交官を目指すそうです。ネゴシエーションを通じて連合王国の伝統と歴史を守り、没落のスピードを緩めたいと言うことなのでしょう。
 
戦後の日本社会は、冷戦構造と言う大枠のなかで、「キャッチアップモデル」「人口増加」「高度成長」という3つのキーワードを使えばそれだけで十分に説明が可能です。
 
世界を見渡せば、グローバル企業の幹部たちは、みんな必死に勉強し、いろいろなことを知っていて、自分の頭で考えている、というのが実相です。
 
世界的に見れば、日本の企業幹部圧倒的に低学歴です。私たちは、この事実をしっかりと直視しなければなりません。
 
行き詰まりをブレイクスルーするオリジナリティ、様々な相手を惹きつける「面白さ」「人間的魅力」、自分の頭で考える力など教養の力を全開することが、切実に必要とされています。戦後このかた、私たちは「みんな一緒に」を好んで得意としてきましたが、いまやかつてなく、「個の力」が問われているのです。
 
もし日本人世界標準の教養を身につけたら、まだまだこの国は大きく成長できる可能性を秘めているはずです。
 
物事を考えるには、いくつかのコツがあります。その第一は「タテ」と「ヨコ」で考えるということです。「タテ」は時間軸、歴史軸、「ヨコ」は空間軸、世界軸です。第二に、「国語ではなく算数で」考えると言う視点が重要です。これは要するに定性的な発想だけではなく、定量的に物事を考えてみようということです。
 
物事を考えるにあたっては「数字ファクトロジック」の三要素を踏まないと、詰めが甘くなります。
 
常識を疑う」ことはとても大切です。
 
結局モノを言うのは、情報機密情報のようなものではなく考える力なのです。考える力があれば、普通に入手できる情報でも、それらを分析するだけで、これまで見えていなかった世界が見えてきます。それは教養の力であり、知の力だと思います。
 
現代における新聞の存在意義は何かと言えば、それは「文脈」であり、「編集力」だと思います。
 
本・人・旅」は私の人生の道標なのです。私を動かしているのは、何よりもまず「面白い」と言う感覚です。私の価値観では常に「面白いかどうか」が一番上にあるのです。
 
新聞の書評欄は、新聞の中で最もクオリティーの高いページだと思います。
 
古典の定義はいろいろありますが、「岩波文庫東洋文庫に入っている本」と考えておけば、まず間違いありません。
 
「読まない」と言う選択肢がない本はさっさと読む
 
人間の脳はこの1万数千年、進化していないのですから、過去の人間の判断や対処の仕方は、そのままで役に立つわけです。
 
本質を捉えるときの第一の着眼点は「動機」です。原因と言っても良いのですが、この問題は何が動機で起こっているのか、幹のメカニズムをしっかり見極めることが肝要です。
 
英語力とは、英語を聞き取ったり話したりするスキルだけではなく、相手とどれだけ共通の話題テーマシェアしているかというコンテンツの力もそこそこ大きいのです。
 
私たち現在の日本人の価値観人生観は、職場仕事に少々偏りすぎているのではないでしょうか。仕事の話はできても、文学、美術や音楽、歴史や宗教の話ができないと言うのも、その偏りに起因しているのだと思います。
 
仕事など「どうでもいいもの」だと割り切り、相対視すれば、多少失敗しても自分の人生(ライフ)には関係がないし、上司の心証などそれほど大した事では無いと割り切れますから、かえって堂々と自分の信念に従った仕事ができます。
 
どうしても仕事がうまくいかなければ、さっさと仕事を変えてしまうと言う選択肢もあります。みんながみんな置かれた場所咲く必要などどこにもないのです。
 
私は、自分のやりたいことをやる人生が一番素晴らしいと思っているのです。頭に置いてほしいのは、自分のやりたい事は、人生のステージによって様々に変わるし、変わってもいいと言うことです。
 
私たちはもっとメリハリのある生き方をしなければならないのです。職場や仕事に従属した意識を改める一方、合理的な仕事の仕方によって極力無駄を省き、その分私生活を充実させる生き方にシフトすべきです。

 

【目次】

はじめに

第1章 教養とは何か?

第2章 日本のリーダー層は勉強が足りない

第3章 出口流・知的生産の方法

第4章 本を読む

第5章 人に合う

第6章 旅に出る

第7章 教養としての時事問題(国内編)

第8章 教養としての時事問題(世界のなかの日本編)

第9章 英語はあなたの人生を変える

第10章 自分の頭で考える生き方

おわりに 

【3.本書の感想】

講演の中で、日本経済の停滞の原因の1つは、輸出企業を優遇した点にあると言われていました。

 
私は、「なるほど!」と「まずい!」と言う2つの思いを抱きました。
 
理由は、かつてほどGDPに占める割合が高くない輸出企業を優遇するような施策に疑問を抱いていた点と、自分が勤務する会社が輸出企業であるからです。
 
日本が真面目に、新しい産業、事業を育成していくというスタンスに変わる前に、工業製品の輸出が日本経済の柱であるという考え方を変えないといけません。
 
講演会の終わりに、質問がある人は、メールをくれたら返事をするとおっしゃっていました。
 
出口さんの本には、出口さんのメールアドレスが載っています。
 
そのメアドに質問を送れば、受け付けてくれるそうです。
 
早速私も、先日の講演会と、この本の感想を送ってみました。
 
返事が来るのを楽しみに待っています。
 
9割位は返信しているそうですので、当選を期待しています。(笑)
 
メアドはこの本の中に書いてあります。
 
出口さんのメアドを知りたい方はぜひお買い求め下さい。(笑)

人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)

 

【4.関連書籍の紹介】

出口さん教養で日本が復活すると主張されていますが、

南川さんは、IoT製品で日本は復活すると主張されています。

さて、どうでしょう?

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深刻な問題は、子供たちの読解力の低下の方だそうです!

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「雪国」の冒頭ではなく、内容をご存知ですか?

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 最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

 

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【5.翌日、出口学長より】

◆出口学長よりメールの返信を頂きました!

 ◆おまけに出口学長にツイッターをフォローしていただきました!

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出口学長の教養高いですが、敷居低いようです。
出口学長の本を読んで、感想を投稿してみませんか?(笑)

人生を面白くする 本物の教養 (幻冬舎新書)