さあ、前回に引き続いてまいります!
お陰様で大好評を頂いて、すっかりお馴染みとなって参りました!(笑)
皆様よりご応募頂いた、気になる本、オススメしたい本を紹介するリクエストウィーク最終回です!
【1.本の紹介】
第5回目はこちら、
「雪国 川端康成著」です!
【2.リクエスト頂いた方のご紹介】
こちらはひめぐまさんのリクエストになります。
ひめぐま(id:himegumatan)さん: ダイヤモンド社率か高いような気がするので純文学系で新境地を
いつもは、ビジネス書を中心に紹介していますので、ほとんど純文学系の本は読みませんが、今回は純文学系をリクエストということで、純文学の1丁目1番地の作品を選ばせて頂きました。
ひめぐまさん、ありがとうございました!
ちなみにひめぐまさんのブログはこちらになります。
塾には頼らず、お母さんが娘さんの学習をやる気にさせるために奮闘されている様子を紹介されています。塾へやることで、親としての義務を果たした気持ちになっていませんでしょうか?このブログをみて、親がもっと子供の勉強に関わってあげることが、親子の絆を強くするんだなと感じました。「おやこ2人3脚で 塾なしで地域トップ高校に受かるまで」となっていますが、もうトップ高校に合格され、今は大学受験を目指されています。(笑)
子供の勉強にどう向き合ったら良いか、悩んでいる方がおられましたら、ぜひこちらをご参考にしてください!
旦那さんもたまに登場しますが、「おやこ2人3脚」となっているところに、他人事ではありますが、同じくお父さんの壁を感じているところです。(笑)
【3.本の内容】
今回は、世界に誇るノーベル文学賞を受賞した川端康成の作品の中でも、この本の中身を知らずして文学は語れませんよね~
この本の冒頭「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」この文章を文を知らない人は、いないと思います。
しかし、しかしですね、雪国の中身、この物語についてご存知でしょうか?
意外と知りませんよね?知りませんよね!
恥ずかしながら、私は知りませんでした。(笑)
本書のカバーの後ろに載っているあらすじにはこう書いてあります。
親譲りの財産で、無為徒食の生活をしている島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。島村は許嫁の療養費を作るため芸者になったという駒子の一途な生き方に惹かれながらも、愛情の繋がりを持とうとしないーー-。冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の烈しい情熱を、哀しくも美しく描く。川端文学の美質が完全な開花を見せた不朽の名作である。
この物語は、現代風に簡単に言うと不倫物語です。
不倫物語ですが、その表現が一つ一つ文学的で、不倫物語と言うには憚られてしまうほど、文章が練り上げられています。
場所は、今ではスキー場で有名になりました越後湯沢です。
こちらは、昔から温泉宿として有名でした。
東京に妻と子供がいる主人公島村が、年に1度程ふらっと訪れて、しばらく温泉宿で過ごす間の芸者駒子との様子を描いたものです。
主人公の島村は、通い出して3年目になります。
3年目ですが、まだ、東京の奥さんにはバレていません。
3年目でバレたのが俳優の東出昌大さんです。(笑)
よく見ると、主人公の島村と俳優の東出さんと状況が似ているところがあります。
島村(お金持ち、妻子持ち) ≒ 東出昌大(お金持ち、妻子持ち)
駒子(若い芸者) ≒ 唐田えりか(若い女優)
どちらもいい加減なことをしていることは同じですが、島村はあくまでも日常と非日常を分けていました。
境目がわからなくなってしまったのが東出さんかもしれません。
雪国は、不倫後という名の戦後処理の場面はありません。
東出さんは今、敗戦処理で苦戦しています。
恋愛の切り出し方、そして時代の違いが、文学作品として崇められる対象になるのか、週刊誌にぶっ叩かれる対象になってしまうのか、その差紙一重の世界なのかもしれません。
【4.本書の感想】
1回目に読んだ時は、ストーリーを追っかけていきましたので、「え!終わり?」という感じでした。
巻末にある解説など読むと、筋を追う読み方ではこの本は味わえないよ、ということが書いてあったので、2回目は、この情景とか心模様とかそういうものを味わうことに重きを置いて読んでみました。
すると確かに、この小説はよく出来ています。
よく出来ているような気がします。(笑)
読めば読むほど理解出来るような、素晴らしさがわかるような、そんなタイプの作品だと思います。
あと2回読めば、好きな小説第1位になるかも知れません。(笑)
この本を読んだ感想は、人によって3タイプに分かれると思います。
①文学に精通している人→素晴らしい!(まれ)
②あまり本を読まない人→つまらない!(わりといる)
③なんとか理解したい人→いい感じがする(それなりにいる)
ちなみに私は③のタイプです。(笑)
この作品は昭和初期の作品ですが、既に70年以上経っていますので、もう古典の部類に入っていると思います。
私達が普通に読んでも分からない言葉が出てきます。
温泉宿に芸者がいるなど、状況設定そのものが現実として理解できない若い方もおられると思います。
私達は、詰め込み教育を受けましたので、「川端康成=雪国=国境の・・・」は覚えています。
受験勉強では中身を味わう暇はありませんので、逆にそれでよかったと思います。
この小説には、性に関わる描写はぼかしてありますので一見、学生向けの国語教材としても大丈夫なように見えますが、本当に中身を味わう段階まで理解できた時、想像力の豊かな学生諸君は別世界に行ってしまうと思います。
この本は中学生や高校生が教材として読んで、楽しめる内容ではないと思います。
大人になってじっくり味わうものだと思います。
だからこそ、今、読み直す必要があるようにも感じました。
私が素晴らしい表現だと思ったのは下記の文章です。
道は凍っていた。村は寒気の底へ寝静まっていた。駒子は裾をからげて帯に挟んだ。月はまるで青い氷の中の刃のように澄み出ていた。
どうですか、素晴らしい描写でしょう?
こんな素晴らしい描写がこの本の中には、たくさん散りばめられています。
さすがに不朽の名作と言われるだけのものがあります。
生まれ育った環境はさておき、男と女の物語は、いつの時代にも変わらない重要テーマですね。
昭和初期の1つの愛の形を是非味わってみて下さい。
まだ、しっかりと読んでいない人は1度読んでおきましょう!
東出さんの問題は、夫婦の問題です。
そっと見守ってあげたいと思います。
唐田えりかさんも、頑張って復帰して欲しいと思います。
最近、唐田えりかさんは表に出てきませんが、ここでは、唐田えりかさんのやさしい声が聴けます。
今なら無料で聴けます!
唐田さんファンの方は是非どうぞ!
【5.リクエストウィーク御礼】
お陰様で、皆さんから頂きましたリクエストを紹介させて頂くことで、今まで読んだ事の無かった本に出会うことが出来ました。
良書がございましたら、ご連絡お待ちしています。
また、機会を見つけて、リクエストにお応えしていきたいと思っています。
この度は、緊急企画ではありましたが、短期間に沢山のリクエストを頂きましてありがとうございました!
それでは、エンディング曲を1曲、やはり「雪国」、吉幾三さんで締めて頂きましょう!
この曲は、小説雪国とは関係ありませんが、この曲も男性に対する愛情を綴った歌で、小説雪国にも通じる面があり、聞いていて心打たれます。
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!