京都のリーマンメモリーズ

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題名が素敵! 「父親が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話」 ヤニス・バルファキス ダイヤモンド社

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この本を読んで、自分の教養足りなさを痛感しました。(笑)
 
なぜなら、この本が「わかりやすくなかった」からです。
 
元々は、「簡単に経済がわかるとラッキー!」と思って題名に惹かれて買いました。
 
確かにこの本は、難しい経済用語はほとんど使っていません。
 
でも、理解するのに苦労します。
 
なぜでしょう?
 
それはずばり、教養足りないからです。
 
おそらくオーストラリアに暮らす、著者の娘さんは、それなりに教養身につけているのでしょう。
 
著者は、娘さんが理解出来るように、小説SF映画を例に出します。
 
その小説やSF映画が、私にはよくわからないのです。(笑)
 
日本で言えば、浦島太郎を知らない外国人に「いじめたら龍宮城いけないぞ!」と言ったところで、意味が通じないでしょう。
 
そう!そんな感じです。
 
本書の帯にかかれている、ブレイディみかこさんはこの本を原書で読んで絶賛しています。
 
すごいですね!でもブレイディみかこさんって誰?
 
既に、ブレイディみかこさんをよく知りません(笑)
 
ボーク重子さんとは関係ない方でしょうか?
 
ボーク重子さんも何をされている方か、詳しくは存じません。(笑)
 
そして、誰もが知る知識人佐藤優さんがこの本を絶賛しています。
 
絶賛している人の知的レベル高すぎる様な気がします。
 
もし、「とんでもなくわかりやすい」のであれば、今流行りのアイドルや、芸人が出てきて「私でもわかりました!」って書いてあるべきですよね~
 
この本は、わかりやすくないですよー!
 
よくよく考えて見ると、ギリシャ経済危機の時の財務大臣を務めるくらいの経済通が書いた本です。
 
わかりやすいと言っても、教養があるのを前提としたわかりやすさなんですね。
 
でもこの本にとって大切なことは、わかりやすいわかりにくいではありません
 
大切なことは、本書から得られるものがあるかないかですよね。
 
あるかないかと問われると、あります!
 
得られるものは、あります!」(小保方さん風)
 
何が得られたかと言えば、例えば、すべてのものは「余剰」から生まれたという見解です。
 
我々の祖先が狩猟生活をしている間は、余剰はありませんでした。
 
農耕が始まって、余剰(保存可能な財)ができました。
 
これが文字や国が出来た源です。
 
そして現在、経済の目的が利益の追求となってしまったためにおかしくなりました。
 
また、銀行お金を作れる状態もおかしい
 
 大切にすべきは交換価値(おカネ)よりも経験価値(コト)であるべきです。
 
これがベースにあれば、無茶な自然破壊や過剰な利益追求による弊害も起こらないでしょう。
 
一部の権力者達に富を握らせるべきではないし、通貨民主主義委ねるべきだと。
 
なかなか良い事を言っている感じがしませんか?
 
とても勉強になりますね!
 
ポイントは以下です。
すべては余剰」から始まったと言った。農作物余剰によって、文字が生まれ、債務通貨国家生まれた。それらによる経済からテクノロジー軍隊が生まれた。つまり、ユーラシア大陸土地気候農耕余剰を産み出し、余剰がその他のさまざまなものを生み出し、国家の支配者が軍隊を持ち、武器を装備できるようになった。そのうえ、侵略者は自分たちの呼吸や身体をとおしてウィルスや細菌も兵器として使うことができた。
 
交換価値経験価値を打ち負かし、「市場のある社会」が「市場社会」に変わったことで、何かが起きた。おカネが手段から目的になったのだ。どうしてそうなったのかを一言でわかりやすく言おう。人間が、利益を追求するようになったからだ。
 
人助けの場合には、楽しいことをしたと言う満足感経験価値になる。人を助けると自分の心が温かくなる。しかし、ローン契約の場合、見返りに何か交換価値のあるものを余分に受け取れることが貸し手の行動の動機になる。それが利子の受け取りだ。
 
貴族とは対象的に、新興の起業家が生き残れる保証はどこにもなかったむしろ、既存の政治や法律や慣習や慣習は起業家不利だった。だから、彼らが生き残るには利益生み出すしかなかった。
 
貴族とは違って、誰でも起業家になれた借金を背負う覚悟能力があれば。そして、起業家になった途端、リソースと顧客と生き残りをかけて、誰もが必死に争い始めた。
 
市場社会では、すべての富借金によって生まれる過去3世紀のあいだにありえないほど金持ちになった人はみな、借金のおかげでそうなった。
 
起業家は際限のない野心で、時空の膜を越え未来から無限の交換価値をつかみとり、現在持ってこようとする。
 
支配者だけでなく民間の銀行までもがどこからともなくおカネを生み出せるようになったことは、極めて現代的で、市場社会に特有の現象だ。
 
変革の目標が人間と機械を調和させることではなく、人間を機械に置き換えることになってしまっているのだ。この変革は、人間らしさを犠牲にするものかもしれない。
 
どうも機械われわれのために奴隷のように働いているわけではないようだ。人間はむしろ機械を維持するために必死働いているように見える。
 
市場社会にもまた同じように、もう少しと言うところでいつも叶わないことがある。それは、商品の生産から人間と言う要素を排除することだ。
 
市場社会は技術革新を利用して人間をロボットに置き換えるだけでなく、人間がロボットよりも安ければ人間機械代わりにしてしまう。機械と違って、人を雇えば、人はお金を循環させ、Tシャツなり他の製品を買うことができる。だから、仕事が単純化され機械化が進み、賃金が下がりすぎると、ある時点でものが売れなくなる。
 
労働者機械化に抵抗する事は、雇用主も含めて市場社会全体の得になる。労働者の抵抗が自動化にブレーキをかけて利益の破壊防ぐからだ。
 
経営者の夢は、どの企業よりも先に労働者を完全にロボットに置き換えて、利益と力を独占し、ライバル企業の労働者に自分たちの製品を売りつけることだ。
 
機械をつくるための新しい機械の設計に高いスキルを持つ人間が必要とされている限り、完全な自動化は実現しない
 
我々人間は、テクノロジーの可能性を余すところなく利用する一方で、人生や人間らしさを破壊せず、ひと握りの人たちの奴隷になることもない社会を実現すべきだ。そのためにはまず何よりも、機械を共同所有することで、機械が生み出す富を全ての人に分配した方が良い。自分たちが生み出した機械の奴隷になるのではなく、すべての人がその主人になれるような社会をつくる他に道は無い。では、どうしてそうできないだろう?機械や土地やオフィスや銀行を所有している、ほんの一握りの権力者たちが猛烈に反対するからだ。彼らを前にして、われわれはいったいどうすればいい?
 
経済は自然と違って、我々がどう思うか影響され、揉まれ、形づくられる。
 
国家に紐つかないビットコインのような仮想通貨の最大の弱点は、危機が起きたときにマネーの流通量を調整できないことにある。
 
通貨が政治と切り離せないことを認めたら、我々に出来る事は1つしかない。通貨を民主化することだ。ひとり1票の重みを通して、通貨管理する力人々の手与えるしかない。
 
交換価値をすべてに優先させる社会は、環境保護をとんでもなく軽視するようになる。木や微生物に交換価値がない限り、それらが破壊されても、市場社会にとっては何の意味もない。そしてその破壊から交換価値が生まれる限り、われわれは環境破壊に迅速に対処することができない
  
民主主義不完全で腐敗しやすいが、それでも、人類全体が愚かなウィルスのように行動しないための、ただ1つの方策であることに変わりない。
 
満足不満の両方がなければ、本物の幸福を得ることができない。満足によって奴隷になるよりも、我々には不満になる自由必要なのだ。世界と衝突し、葛藤を経験することで、人は成長する。
 
市場社会が見事な機械や莫大なをつくりだすと同時に、信じられないほどの貧困と山ほどの借金を生み出す。それだけではない。市場社会は人間の欲望を永遠に生み出し続ける
 
新しい現在の宗教こそ経済学だ。
 
本物の専門家など存在しないし、経済のような大切なこと経済学者任せておいてはいけないのだ。
 
経済を学者に任せるのは、中世の人が自分の運命を神学者や教会や異端審問間に任せていたのと同じだ。つまり、最悪のやり方なのだ。
 
私がなぜ経済学者になったから、君に話したことがあっただろうか?経済を学者にまかせておけないと思ったからだ。経済理論数学学べば学ぶほど、一流大学の専門家やテレビの経済評論家や銀行家や財務官僚が全く見当はずれだってことがわかってきた。
 
経済学者がせいぜい世慣れた哲学者のようなものだと自白してしまったら、もはや社会を支配する人たちは経済学者を歓迎してはくれなくなるだろう。彼らの正当性は、経済学者科学者のふりをすることで担保されているのだから。
 
大人になって社会に出ても精神を解放し続けるには、自立した考えを持つことが欠かせない。経済の仕組みを知ること次の難しい問いに答える能力は、精神の自由の源泉になる。その問いとは、「自分の身の回りで、そしてはるか遠い世界で、誰が誰に何をしているのか?」と言うものだ。
 
【目次】
★プロローグ 経済の解説書とは正反対の経済の本
第1章 なぜこんなに「格差」があるのか?
   ー答えは1万年前以上にさかのぼる
第2章 市場社会の誕生
   ーいくらで売れるか、それが全て
第3章 「利益」と「借金」のウエディングマーチ
   ー全ての富が借金から生まれる世界
第4章 「金融」の黒魔術
   ーこうしてお金は生まれては消える
第5章 世にも奇妙な「労働力」と「マネー」の世界
   ー悪魔が潜む2つの市場
第6章 恐るべき「機械の呪い」
   ー自動化するほど苦しくなる矛盾
第7章 誰にも管理されない「新しいお金」
   ー収容所のタバコとビットコインのファンタジー
第8章 人は地球の「ウイルス」か?
   ー宿主を破壊する市場のシステム
◆エピローグ 進む方向を見つける「思考実験」

「新興の起業家が生き残れる保証はどこにもなかった。むしろ、既存の政治や法律や慣習や慣習は起業家に不利だった。だから、彼らが生き残るには利益を生み出すしかなかった。」

 

この一文を読んだ時、ソフトバンクの孫さんを思い浮かべました。

 

ソフトバンクはめちゃくちゃ借金ありますが、莫大な利益も出しています。

 

新興の通信事業者として、既得権益に守られた当時の電電公社(現NTT)に苦戦を強いられていた姿が浮かびました。

 

なるほど、のし上がるには、利益を生み出すしかない

 

妙に納得しました。

 

 

この本で、現在の国や経済はどういう変遷を経て来たのかという事が整理できました。

 
現在の経済の問題点もなんとなくわかりました。
 
著者が主張するのは、今、経済はおかしな状態になっているので、自分の頭でしっかり考えないといけないと言うことです。
 
なんと著者は、経済の事を経済学者任せられないからと言って、自ら経済学者になりました。
 
まるで、ミイラ取りミイラになった様子をみている気持ちになります。
 
このミイラ取りを信じて良いのでしょうか?
 
この人は既にミイラになっているのではないのでしょうか?
 
その点も含めて、自分の頭で考えてね!と言っているような気がします。
 
今後、自分の頭で考える為に、もう少し易しい本で経済を勉強していきたいと思います。(笑)
 
それなりに知識のある方には楽勝です。是非どうぞ!

 

父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

最後までお付き合い頂きありがとうございました!