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【書評】お金の不安という幻想|田内学|なぜ私たちは「お金が足りない」と感じ続けるのか?

今週のお題「買ってよかった2025」

2025年に本当に買ってよかったもの。それは、大阪・関西万博の通期パスでした。
最初は夜間券で下見のつもりでしたが、「これは1回では絶対にわからない」と直感し、通期パスを購入。結果的に、合計22回万博に足を運び、そのほとんどは一人での訪問でしたが、毎回新しい発見があり、かけがえのない体験になりました。
ただ、万博が閉会し日常に戻ると、ふと頭をよぎるのが 「これからのお金、大丈夫かな…」という不安。しかし、「その不安は幻想だ」と真正面から言い切ってくれる、すんごい本を紹介します。(笑)

【1.本書の紹介】


最近、世の中がなんでもお金お金という感じがしていませんか?

 

確かにお金は必要ですが、人生においては、お金だけが必要なものではありません。

 

それなのに、投資を高校生や中学生に教える機会も増えているように思います。

 

昔の社会では、お金がなくても、互いの人付き合いの中で生きることができました。

 

人間関係が希薄になると頼れるものがないので、少しでも多くのお金があると心強く感じます。

 

お金に注目が行き過ぎるあまり、余計に他人への関心が薄くなっているようにも思います。

 

さて、お金の不安に悩まされないためには、どうしたら良いでしょうか?


【2.本書のポイント】

購買の動機は「憧れ」から「不安」へと静かにすり替えられた。


不安は、他人のモノサシから生まれる。安心は、自分のモノサシから始まる。


今の社会の貧困は、本当に努力不足や甘えだけの問題なのだろうか?日本社会が「もの経済」から「金経済」に移行したことで、格差の性質が変わった。


努力が報われやすいという意味で有利なのは、投資よりも労働だ。


戦後間もない日本では、自営業や家族で仕事を手伝う働き方が主流だった。

 

会社に守られる時代は終わる。自分の「すること」が報われる時代が始まる。


目の前の人にどうすれば喜んでもらえるのかを、いつも考えているんです。そうすると、自然に応援してくれる人が増えるんですよ。


社会の礎になっているのは、人々の共感であり、人間には「仲間を喜ばせたい」と言う願望が備わっている。


自分自身の知識や能力、経験を積み上げ、それらを社会に役立てることで、お金を稼げる、当たり前の時代に戻りつつある。


お金が価値を持つためには、「働いてくれる誰か」が必要。


「お金を稼ぐ人が偉い」この価値観が変わらない限り、家事や育児と言う人間社会を支える根幹の仕事は、正当に評価されないままだ。


円安の本質はお金自体の問題ではない。それは「人手不足という構造的な危機」そのものなのだ。


闇雲にお金を増やす努力だけしても、根本的な解決にはならない。本当に必要なのは、生産力そのものを底上げすることだ。


天然資源の乏しい日本が、外貨を獲得し続けるには、限られた人材をどう生かして、どんな価値を生み出すかが決定的に重要だ。やはり、世界で選ばれる商品やサービスを生み出す力を育てる努力から逃れることはできない。


「お金さえ回せば経済は良くなる」と言う常識は、人もモノも、無限に存在すると言う前提に立った、旧世界の幻想に過ぎない。

 

「お金が経済を回す」と言う常識は通用しない。「働く人」を大切にする価値観が求められる。


私たちの給料が物価以上に上がってきた本当の理由は、高額商品の開発ではなく、効率化によって仕事を減らしてきたことにある。

 

効率化や新しい価値を生む「挑戦」にお金が流れることが、本当の意味での投資になる。


融資でも投資でも、金融の本来の役割は、「挑戦したい人」にお金を融通することだ。


これまで、私たちの暮らしを豊かにしてきたのは、面倒な仕事を減らし、効率化を進めてきたからだ。これから始まる人手不足の時代も同じように乗り越えられる。ただし、それには「ひとりで頑張る」のではなく、「みんなで進む」必要がある。

 

重要なのは「大人になってから身に付けた常識」と「子供の頃に感じた。素直な直感」との間にある葛藤に気づくことだ。

【目次】

はじめに
第一部 整理する―「外」に侵されない「内」の軸
 第1話その不安は誰かのビジネス―焦りを生む空気からどう抜け出すのか?
 第2話投資とギャンブルの境界線―成功者を真似てもなぜうまくいかないのか?
第二部 支度する―「内」に蓄える資産
第3話「会社に守られる」という幻想―労働と投資、報われるのはどちらか?
第4話愛と仲間とお金の勢力図―お金以外の何に頼ればいいのか?
第三部 直視する―変えられない「外」の現実
第5話「あなたのせい」にされた人口問題―なぜ「稼く人が偉い」と思われるのか?
第6話「お金さえあれば」の終焉―いつまでお金に支配されるのか?
第四部 協力する―「内」から「外」を動かす可能性
第7話「仕事を奪う」が投資の出発点―どうすれば仕事を減らせるのか?
第8話「子どもの絶望」に見えた希望―“大人”の常識はこれからも通用するのか?
おわりに

 

【3.本書の感想】

人口減少でモノを作る力が劣ってきて、海外に輸出できるものが減り、外貨を獲得できない為、日本が貧乏になってきています。

 

最近の物価高、例えば燃料代や小麦代やココア代の値上がり分は、日本国内の誰かではなく、海外の誰かに支払われています。

 

日本人が貧乏になるはずです。

 

日本国は天然資源が乏しいので、付加価値のあるモノやサービスを創造して売るしかありません。

 

というわけで今求められているのは、価値のモノやサービスを作り出す人達です。

 

投資する側はたくさんいます。

 

いいモノいいサービスを考えて、外国からお金を稼ぎましょう!

 

この本は、お金に関して不安を抱えている方、つまり日本人のほとんどの方に読んでいただきたい内容になっています。

 

是非、読んでみてください!

 

 

【4.関連書籍の紹介】

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最後までのお付き合いありがとうございました!