京都のリーマンメモリーズ

京都で働くサラリーマンです。東寺や書籍の紹介をします。

【書評】ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか?~不便益という発想  川上浩司  インプレス

今週のお題「わたしのドメイン」

ドメインは、名前そのものです。何か気の利いたドメインがあればそれにしたいのですが、これを考えるのもまた、骨が折れますね。最近は、ネットの世界でも、いろんなものが簡単にできるようになりました。はてなブログも簡単にブログが始められます。その点はとてもありがたく感じています。しかし、あえて少し苦労して行うことで、そのプロセスを体験する益を得ましょうというすんごい題名が長い本を紹介します。(笑)

 

【1.本書の紹介】

世の中は、便利になり過ぎて、実は本来、我々が感じることができるはずの嬉しさを奪われてしまっている可能性があります。

 

それを再認識するのが、この不便益という考え方になります。

 

例えば、何か制約があると窮屈さを感じますが、実は、そのおかげで嬉しさが増したりすることがあるようです。

 

さて、不便益というのは、どのように理解したらよいのでしょうか?

 

【2.本書のポイント】

師匠から学生に向けられた「不便益」という言葉は、私に向けての「自動的に設計してくれるコンピュータなんかを作ってて、面白いか?」という問いでもありました。

 

「富士山エレベーター(歩かなくても 頂上へ行ける)」や「睡眠学習器(寝てる間に記憶する)」や「究極のゴールデンバット(必ず狙ったところにヒットを打てる)」は、まさに便利なものたちです。しかしこれらを使うことは、楽しいでしょうか。それらを使って、人は本当に嬉しいでしょうか?

 

不便であることが「おっ、と気づいて(機会の拡大)」「フラっとやれる(工夫の余地がある)」 不便なほうが、飽和しない習熟を許す性質を持つことが多いようです。そしてそれは、機械には真似されません。

 

習熟している自分を感じると、人は嬉しくなります。 主体性を持てることは、嬉しいことです。 スキル低下を防ぐ、あるいは 新身体能力を向上させることも、嬉しいことです。

 

不便益は、手間をかけ、頭を使わねばいられない益があればいいのです。

 

変わらずに済むのではなく、それは変わる能力を発揮する機会を奪われているだけかもしれない。

 

不便が与える益の一つは、手間をかけ頭を使わされるという不便は、自分を変えてくれる、ということなのです。

 

いつか手動運転が禁止される日が来るかもしれません。「運転しなくても良い」が、明示的に「運転してはならない」に移る日がくるのは、イヤですね。

 

不便益 原理カード

・限定せよ

・劣化させよ

・大型にせよ

・操作数を多くせよ

・時間がかかるようにせよ

・アナログにせよ

・刺激を与えよ 危険にせよ

・情報を減らせ

・操作量を多くせよ

・無秩序にせよ

・疲れさせよ

 

不便益 益カード

・主体性が持てる

・工夫できる

・発見できる

・対象系を理解できる

・俺だけ感がある

・安心できる信頼できる

・能力低下を防ぐ

・上達できる

 

目次

まえがき

序章 不便は手間だが役に立つ

第1章 そもそも、便利って何だ?

第2章 不便じゃないと楽しくならない!

第3章 これは不便益だ!

第4章 「便利」と言う害

第5章 安心も「仕掛け」も、不便から

第6章 「益をもたらす不便」の性質

第7章 不便益 システムを作る

第8章 不便益を「形」にする

あとがき 

【3.本書の感想】

今や、電気や車の無い世界は考えられないですね。

 

しかし、私たちのご先祖様は、電気や車が無い世界で生きてきました。

 

最近、みなさんはスマホをお持ちだと思います。

 

スマホはとても便利ですが、この小型PCとも言える機器が手元にあることにより、私たちの能力は退化している部分があります。

 

例えば、電話番号ですが、みなさん何件覚えていますでしょうか?

 

おそらくスマホの中には、数百件の番号をお持ちの方もおられると思います。

 

スマホや携帯電話が無い時代には、ある程度の件数の番号を覚えていたと思います。

 

最近は漢字変換に頼るあまり、いざ、ペンを持って書いた時、漢字を忘れてしまった方も多いと思います。

 

便利になることはとてもいい事ですが、自分の能力が退化する面も考えておかないといけません。

 

何でも便利になって当たり前という感覚を一度見直して、あえて不便を体験してみてはいかがでしょうか。

 

車を使わず、自転車を使ってみる。

 

エレベーターを使わず、階段を使ってみる。

 

辞書はスマホで調べず、紙の辞書を使ってみる。

 

メールを使わず、手紙を送ってみる。

 

こんなことをやってみるうちに、その行為の中に発見があったり、工夫があったり、こだわってみたり、楽しみが見つかるのかもしれません。

 

毎日忙しいですからね。

 

そんなことやってられないよ!という方もおられるでしょう。

 

その忙しさ自体を考え直すためにも、不便なことをやってみるといいかもしれません。

 

急に時間が空いた時、次の休みなどに、あえて不便を感じてみてはいかがでしょうか?

 

これは、行き過ぎた文明社会を、自分の体感として考え直すきっかけとなるとても面白い本です。是非ご覧ください!

 

ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりをかんじていうなら、不便をとり絵入れてみてはどうですか?~不便益という発想

 

【4.関連書籍の紹介】

グチを言って楽しく生きるという発想。

www.fukuikeita21.com

最後までのお付き合いありがとうございました!