外山滋比古さんのご略歴は以下です。
1923年愛知県生まれ。東京文理科大学英文科卒業。『英語青年』編集長を経て、東京教育大学、お茶の水女子大学などで教鞭を執りました。著書に『思考の整理学』『ことわざの論理』『知的生活習慣』など多数あります。
先日、新聞をみていたら、外山滋比古さんがお亡くなりなったのを知りました。96才でした。私が外山さんの作品を初めて読んだのが中学生の時でした。とても読みやすい作品で、当時、読書が苦手な私にとって助け舟みたいな本だと感じました。それ以来、外山さんの作品を見つけては、読んでいました。私にとっては懐かしい思い出の作家さんです。
というわけで、今回は、外山さんの作品を1冊紹介させていただきます。
【1.本書の紹介】
この本は、大ベストセラーにしてロングセラーの「思考の生理学」の読書版となっています。
アイデアを出す為に、乱読が効果的だと言うことを紹介しています。
文章が簡単に書かれているので、読みやすいし、分かりやすいのですが、ご本人は相当の努力家です。
本当に頭のいい人は、よく知らない人に対しても説明がうまいと言いますが、外山さんがまさにそんな感じがします。
【2.本書のポイント】
かくされているから好奇心をそそれれる。白日のもとにさらしてみれば、目をそむけたくなる。危ないのがおもしろい。健全なものは退屈にきまっている。人間はそういう先入主をもっているらしい。
風のごとく、さわやかに読んでこそ、本はおもしろい意味をうちあける。本は風のごとく読むのがよい。
セレンディピティ(serendipity)思いがけないことを発見する能力。
乱読でなくてはおこらないセレンディピティがあることを認めるのは新しい思考と言ってよい。
学校を出て、自分で考えた問題を作り、借り物でない思考によってモノを書きたい、論文をまとめたいと思うようようになるのに10年はかかった。
成功からは新しいものが生まれない。失敗、誤解のもとにおいて偶然の新しいアイデアが生まれる。
エディターシップの概念をつくり上げた。第二次創造論である。第一次創造は素材をつくる。しかし、それだけでは、読者の欲する読み物にならない事が多い。そこで第二創造の出番がある。適当な加工を加えると、第一次創造になかった価値が生まれる。
とにかく英語がよく読めるようにならないといけないと思った。一日外へ出ない日は、朝から夜の十時、十一時までずっと英語ばかり読んでいた。だんだん読むスピードもついた。ひところは1時間に15ページくらい読んだ。これだと二百ページくらいの本が二日で読み上げられる。
古典は作者ひとりで生まれるのではなく、後世の受容によって創り上げられるもののようである。絶対的作者の概念は、古典に関する限り、修正されなくてはならない。
イギリス人で最も独創的で切れ味の良い発想ができたのはT・E・ヒュームであるようだ。
いちばんつよく感銘をうけたのは、モンテーニュのことばである。『随想録』をそぞろ読みしていて、「私の頭は、歩いてやらないと眠ってしまう」をいうことをのべている。ものを考えるのに、歩くことがいかに大切かということをこれほどはっきり言っているのを知らなかった。私に散歩への眼を開かせてくれたのはモンテーニュである。
【目次】
まえがき
1本はやらない
2悪書が良書を駆逐する?
3読書百遍神話
4読むべし、読まれるべからず
5風のごとく・・・
6乱読の意義
7セレンディピティ
8『修辞的残像』まで
9読者の存在
10エディターシップ
11母国語発見
12古典の誕生
13乱読の活力
14忘却の美学
15散歩開眼
16朝の思想
あとがき
【3.本書の感想】
乱読というのは、失敗も多いそうです。
しかし、人間は失敗から多くを学ぶので、失敗を経験することが大切です。
だから、乱読が必要だそうです。
いろんな本、そもそもわからない分野なんかの本を立ち読みすると、めまいがすることがありますが、それで良いといっています。
乱読は失敗のもと。
失敗は成功のもと。
つまり、乱読は成功のもとなんです!
失敗を恐れず、何でも読んでみましょうと言うことです。
・・・今度、本屋さんへ行ったら、ビジネス書以外の本も立ち読みしたいと思います。(笑)
アイデアの出し方に困っている方は、休憩がてらこの本を読んで見て下さい!
乱読のセレンディピティ【文庫電子版】 (扶桑社BOOKS文庫)
外山滋比古さんのベストセラーです!
こちらもお勧めです!
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!