今週のお題「上半期ふりかえり2025」
毎年感じる事ですが、もう半年!という感じです。毎日毎日同じような生活をしていると、特に思い出もなくあっという間に時間が過ぎてしまいます。これは大問題です!という訳で、人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学を教えてくれるというすんごい本を紹介します。(笑)
【1.本書の紹介】
人生の大問題と正しく向き合うために何かが必要なんて考えたことがあるでしょうか?
何か問題があっても、いつも行き当たりばったりになっているような気がします。
しかし、認知心理学を学ぶと、人間はどのような思考をしているのかが理解できるようです。
自分は常に正しいと感じている人は、世の中にはたくさんいます。
しかし、それを頭から否定するのではなく、それを理解したうえで、働きかけることが必要なようです。
さて、私たちは、人、そして人生の大問題に向き合うにはどのようにすれば良いのでしょうか?
【2.本書のポイント】
本講義は、「人間を知る」ことを目指して作ってきたものです。人は無意識に文脈を考え、期待し、予測をしながら、世界を見ているのです。同じ写真を見ていても、人によって色の見え方が違うことがある。人間は、あまりに脆弱で、ビデオカメラのように記憶することはできない。対象に名前がついただけで、そのモノ、コトの記憶が書き変わってしまうこともある。何かが起こったときには、その原因を考えずにはいられない。しかし、その推論も、時に大きく間違っている。人間は、確率に基づいて考えるのが極端に苦手。ちょっとしたことで、論理性や合理性を失ってしまう。基準率の確認や確率計算によって、妥当性を検討することが大事。世界の知識と自分の知識の区別がついていない人が非常に多いと感じます。私たち人間には、数え切れないほどのバイアスが存在する。「バイアス=悪」ではない。人間の学習に役立つ側面がある。言語はそもそも世の中を抽象化し、切り取り、圧縮したもの。わかりやすい話でも、聞き手は「共感を埋める」ことなしには理解できない。アブダクション推論は、なかなか定義が難しいものですが、特徴としては「正解が一義的に決まらない、論理の飛躍を伴う推論」であるといえます。ある種の非論理的な推論です。アブダクションは、結論を導くために、論理の飛躍があるため、思い込みや偏見の源にもなりがちで、良いことばかりではありません。しかし、非常に人間的な推論の仕方であるといえます。コミニケーションが成り立つも、質の高い学びができるのは、アブダクションが働くから。アブダクションによって、正しい、正しくないを超えた意味の世界に入っていくことができる。バイアスのある人間がアブダクション推論をうまく働かせることで、言語を始めとする膨大な物事を「生きた知識」そして学ぶことができる。AI、動物は、推論のしかたが違う。人間が自然に行っているアブダクション推論こそ、人類の進歩を生み出してきた。科学者は、ある種の直感によって仮説を立てていると言うことです。そして、優れた科学者ほど、アブダクション推論の精度が高いのです。人間とAIの決定的な違いについて考えておきましょう。AIはアブダクションをしない。そして、もう一つ、決定的な違いがあります。それは、AIは「記号接地」をしないと言うことです。記号接地問題全く意味のわからない記号の意味を、他の、やはり全く意味のわからない記号を使って理解することはできない。究極の知識はどのように作られるかと言えば、「知識を発見して使い、推論をして、そこでさらに新しい知識を創り、それを様々な場で使う練習を重ね、身体の一部にする」ことによってしかありません。ではそのために何が必要なのでしょうか。ズバリ、練習です。「真剣で考え抜いた訓練」を、少なくとも一万時間続けることです。記号接地とは、対象と記号の間の単なる対応づけではない。そのため、AIは記号設置を行えず、意味を持つことができない。感情がなく、「好き」のないAIは、「突き詰める」ことができない。「好き」がある人間には、超一流への扉が開かれている。得手に帆を掲げろ。得手と言うのは、ただ好きだと言うことではなく、どういうことをやると充実感が得られるか。大変なこともあるけれど、それを乗り越えたときの喜びを感じられるかどうか。そういうことです。記号接地とは、自分で経験し、そこから自分で経験を抽象化したり、拡張したりして「知識を作る」ことですが、効率性に重きを置く人は、経験を省き、自分の外にある知識を記号接地のプロセスなしにうまく使ってその場を乗り切ろうとしてくるかもしれません。効率性や単純な思考ばっかりを強化し続ければ、私たちは「人間としての強み」を失い、AIに代替されるものになってしまいかねません。そうした状況になりそうだと感じたら、自分は何が好きなのかを考えること。そして「得手に帆を掲げる」という言葉を思い出すことです。最後に皆さんに言いたいのは、「楽しんでください」ということです。楽しんで、悩んで、良い人生を送って欲しい。【目次】開講 AI時代を幸せに生きるには
そもそも私たちは、「客観的」に世界を見ることができるのか?
「記憶」はあまりにも脆弱(ぜいじゃく)
人は基本的に「論理的な思考」が苦手である
「確率」よりも「感情」で考えてミスをする
「思考バイアスに流されている状態」は、思考しているとはいえない
スキーマがあって初めて、高度な思考が成り立つ
情報処理能力や記憶の制約が生み出した人間独自の思考スタイルとは?
アブダクションによって人は、知識を拡張し、因果関係を解明し、新たな知識を創造している
一般人と一流の違いは、アブダクションの精度にある
AIは記号接地しない=新しい知識・生きた知識を生み出さない
A I が生み出すのは、「一般人の平均値」。唯一無二のパフォーマンスを生み出せるのは、人間である「あなた」
「得手(えて)に帆(ほ)を揚(あ)げる」という生き方
【3.本書の感想】
人間には、思い込みがあり、真実を正確に見ることができないものなのですね。
思い出も、知らないうちに美化されると聞いたことがありあます。
人間ってロマンチックな生き物かもしれません。(笑)
お互いに理解し合うには、コミュニケーションが必要になりますね。
以前、なんでもググる人の事で話題になりましたが、今後はなんでも生成系AIになって、自分でじっくりと考えることがなくなるのかもしれません。
そうすると、点と点しか理解できずに、思考で面への拡張ができなくなる可能性があります。
自動車が人間の脚力を弱めたように、生成系AIが人間の思考能力を弱めるのかもしれません。
慌ただしい毎日に追われるのではなく、計画的に考える時間を確保することが、人間らしい人生につながるのかもしれません。
人生の大問題と正しく向き合いたい人は是非読んでみてください!
【4.関連書籍の紹介】
アブダクションについて理解したい人はこちら。
編集工学を学んでみましょう。
時間を大切に。
時間のある方は、これを抑えておきましょう。
最後までのお付き合いありがとうございました!