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【書評】才能を開く編集工学 世界の見方を変える10の思考法  安藤昭子  Discover

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今週のお題「肉」 

食欲の秋なので、焼き肉なんか食べた日にゃついつい食べすぎてしまいますよね。これには注意したいところですね。肉は体の栄養には欠かせないものですが、今回は脳の血肉となるすんごい本を紹介します。(笑)

 

【1.本書の紹介】

ご存知ですか?

 

才能って何でしょう?

 

記憶力のことでしょうか?

 

計算力のことでしょうか?

 

教養のことでしょうか?

 

違います。

 

たぶん。(笑)

 

ではいったい、才能って何なんでしょう?

 

そして、才能を伸ばすにはどうしたらよいのでしょうか?

【2.本書のポイント】

物事の間に潜在する関係を見つけ、組み合わせをつくることによって、新しい意味や価値を生み出していく。この関係の発見を意図的に起こしていく営みが「編集」であり、それを遂行する力が「編集力」です。「編集力とは関係発見力」と言ってもいいでしょう。

 

「アナロジー」とは「類推」であり、「似ている(類推)」ものを「推し量る(推論)」ことです。ひとことで言えば「何かにたとえて考える」ということでもあります。

 

編集の基本は「情報は多面的である」ということを肝に銘じることです。

 

ロジカル・シンキングのトレーニングを徹底して受けたという組織ほど、アナロジーの発動力が乏しいのです。

 

自分のイマジネーションに向き合うことさえできれば、誰の中にもアナロジカルに発想する力はあるのです。

 

人間の最大の誘惑は類似のものを見つけ出すという事にあった。(カイヨウ)

 

出来の良い仮説というのは、たいてい複数の「ゆきづまり」をいっぺんに突破する力を持ちます。

 

アブダクションは、「ある現象の内に潜む仮設理論を引き出して提示すること」によって、推論を進めていく思考法とも言えます。

 

帰納は「正当化のための文脈」で機能しますが、アブダクションは「発見の文脈」でこそその力を発揮します。

 

1.「おや?」と思う。(驚くべき事実C)

 →あの見知らぬ動物は鮭を食べている!<C>

2.<説明仮説H>だと考えれば、<C>もうなずける。

 →<H>クマは鮭を食べる。見知らぬ動物が鮭を食べるの<C>もうなずける。

3.そうか、<H>ということか。

 →あの動物はクマの仲間<H>ということか。

 

どこかよくない方向に向かっていると思ったら、アブダクションをきっかけとした探求と創造のプロセスに思い切って入っていくことをお勧めします。

 

「アフォーダンス」は、「アフォード(与える)」を名詞化したギブソンの造語で、「環境が動物に与え、提供している意味や価値」のことです。

 

脳がすべてを「意味」や「価値」に変換しているのではなく、そもそも環境の中に「意味」が潜んでいる、それを動物は利用している。ギブソンはそう考えました。

 

今地球全体が「他者への想像力」に飢えているように見えます。けれど一方で、知り得ないところにこそ宿る世界の豊かさを、私たちはイマジネーションで感じることもできます。

 

関係発展の原動力となる「アナロジー」、思い切った仮設にジャンプする「アブダクション」、世界と自分の関係を柔らかく捉え直す「アフォーダンス」、これらを編集工学では「3A」と読んで非常に重視しています。この三つの「A」が連鎖し触発しあうことで、編集力はどんどん動いていきます。

 

戦略的原型 「カフェ」

・ステレオタイプ(典型):特定の何かや誰かに代表されるもの:「スタバとか」

・プロトタイプ(類型):一般的な概念によって示されるもの :「コーヒーが飲めるちょっと洒落たお店」

・アーキタイプ(原型):わたしたちの意識や記憶や文化の奥に潜んでいる原型性です。「憩いの場」「ワーキング・スペース」

 

「原型をたどる」「そもそも問う」「起源を訪ねる」を自分が自分である実感を持つためのささやかなおまじないとして、携えることをお勧めします。

 

人間の問いには、科学的な事実記述によって答えられる問いと、そうでない問いがある。後者には答えがないうゆえに問う意味もない、と根拠もなく錯覚されているような現代は、ある意味で文化の貧困な時代といわざるをえない。(蔵本由紀)

 

真の美はただ「不完全」心の中に完成する人によってのみ見出される。(岡倉天心)

 

日本人がことさら「余白」や 「引き算」や「不足」や「不完全」重視してきたのは、「何が」という実体への理解よりも、「どのように」の中に立ち現れる「生き生きとした面影」交換することに、人間のコミュニケーションの本来があると見てきたらからかもしれません。

 

人々は想像力とはイメージを形成する能力だとしている。ところが想像力とはむしろ近くによって提供されたイメージを歪形する能力であり、それはわけても基本イメージから我々を解放し、イメージを変える能力なのだ。イメージの変化、イメージの思いがけない結合がなければ、想像力はなく、想像するという行動はない。(ガストン・バシュラール)

 

想像力は解放されたがっている

想像力は枯渇しない

想像力は希望をつなぐ

 

その人だけに宿る「才」とは、個人の静止した特性のことではなく、いつでも動き出しうる「想像力」そのものなのです。それを引き出す「能」が自分の内側と外側を自在に繋げる編集力です。「才能」というのは、「私の中にある想像力を自在に引き出す力」とも言えるでしょう。

 

【目次】

編集的自由の会得のために 松岡正剛

はじめに

第1章 編集工学とは?

第2章 世界と自分を結び直すアプローチ

第3章 才能を開く「編集思考」10のメソッド

第4章 編集工学研究所の仕事

第5章 世界はつながっている

あとがき

【3.本書の感想】

「才能」の意味をご理解いただけましたでしょうか?

 

「才能」というのは、「私の中にある想像力を自在に引き出す力」なんですね。

 

発想法やアイデアのつくり方に通じる考え方です。

 

想像力を高めるためには、たくさん旅行したり、映画を見たり、本を読んだりして、イメージをたくさんインプットしておくといいですね。

 

想像力を自在に引き出すには、頭を柔らかくする必要があります。

 

この本には、頭を柔らかくする方法が紹介されています。

 

実際やってみると、こんなものの見方があったのかと驚いたり、楽しくなったりします。

 

この本は、題名からして、少し難しい感じを受けるかもしれませんが、理解不能な本ではございません。

 

とても価値ある作品です。

 

知の巨人、松岡正剛さんのお弟子さんが試行錯誤の上、描き下ろした作品ですので、読むだけでもとても勉強になります。

 

ここに書かれている事を理解出来る頃には、今までとは違う考え方や発想力が鍛えられて、才能が成長した気持ちになります。

 

柔らか頭になりたい方、自由な発想力を身に着けたい方、天才になりたい方は是非、御覧ください!

才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10 の思考法

 

【4.関連書籍の紹介】

ムダと思うところに思わぬ発見や感動が!

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最後までのお付き合いありがとうございました!