著者は未来調達研究所という、主に調達(購買担当)に関するコンサルティングを行っている会社の経営者です。
一度、展示会のセミナーで著者の講演を聞いた事がありますが、少し、クセのある経営者ですね。
クセがあるので、それ以来、興味を持ちました。(笑)
【1.本書の紹介】
今回の題名はとてもキャッチーな感じですが、4部構成のうちの1つのテーマを本の題名にしたものです。
目先の気になるテーマに、それぞれ著者なりに回答を出しています。
一般に間違った解釈をされているものについては、はっきり違うと言っています。
ここはとても参考になります。
しかし、この本の「はじめに」で書いているように、例えば、「購入とレンタルはどちらが得か?」という問題に対しては、答えは万人共通ではないと言っています。
だから、みなさんは「コスト」と「リターン」で長期視点を踏まえて考えましょうというのが本書の主張になります。
【2.本書のポイント】
日本人の給与は1997年にピークの467万円をつけ、リーマンショック後の2009年に406万円になっているのが分かります。
多くの日本人の多くが「なんだか豊かになっていない」と言う感覚は、さほど間違っていないわけです。
日本人はもはや国際的には「安い人たち」になっています。
私たちが人間として生活できる水準が相場で決まり、それが給料の額になると言うことです。
労働者はマルクス的に言えば資本主義の構造上、基本的に搾り取られる立場にあります。
なぜ日本人の給料が安いのか
①日本の社会は「製造業」がベースにあるから
製造業的な「終身雇用」「全員横並びの安定した給料」こそが、あるいは現在の日本人の給料の安さを決めているのかもしれません。
②流動性の低さ
不確実性を嫌う日本人は、そう簡単に会社を辞めたり、転職したりはしません。そうすると、会社が方向転換するたびに、人が余る状況が生まれます。
③給料の上方硬直化
基本終身雇用で社員を雇用する企業は、日本人の気質を前提とすると、あるいは社員の給料を上げることができるかもしれないけれど、下げるのは難しいと判断します。とすれば、資本家(経営者)にとって、最も優れた戦略は、「上げない、下げない」と言うことになります。
④人事評価の不徹底
「何をすべきか」と「何を達成すれば良いか」と言う事ですが、日本の社員一人ひとりにこうした行動目標や、業績目標をしっかりと決めていない企業がほとんどです。
この体制である以上、日本の企業で、個々の人の成果が正しく評価され、できる人の給料を上げることは、はっきり言えば絶望的でしょう。
日本人が「給料が安い」「給料を上げたい」と思うなら。「転職」か「独立」、あるいは「副業」を考えることになるかもしれません。
日本のみならず、給料の多くは「業種業態である程度決まる」給料を上げたければ「平均給料が高い、稼げる業界を選べ」と言うことになるでしょう。
本当に悩んでいるのであれば、転職でも独立でも、まずはやってみることをお勧めします。なぜなら日本はリスクとリターンが歪んでいるからです。失敗しても生活保護や再就職支援が手厚く、「日本では絶対に死なない=リスクが実は少ない国」です。
今、日本では、消費者金融から1,000万人程が借金をしています。
年金に関する誤解
①年金を払わない人がたくさんいる
未納率はたった2.3%です。
②年金制度は崩壊する
賦課方式だから「減る」だけでゼロにはなりません。
年金を廃止できる政治家がいないから。
③年金保険料は払った分ほど戻ってこない
2015年で45歳の方は、1.6倍になっています。という事は信じられないかもしれませんが「支払い損は無い」と結論がつきます。「えー、国民年金は不利なんだ」と感じる方がいるかもしれませんがそれは間違いです。
・年金収入は1世帯平均210,000円(月)に対し、支出は260,000円(月)
・現役時代にもらっていた収入と比較する年金受給額の「所得代替率」は60%
・ただしそれまでに払った年金保険料の金額よりも多くもらえる(らしい)
私は今40代で、未来にあまり悲観的ではありません。つまり私は年金制度が崩壊するとは考えていません。また、根拠はありませんが、「年金がもらえない事はないだろう」「ただし、もらえてもどうせ70歳位からだろう」と思っています。ですから65歳から5年間分の生活費を余分に貯金しておこうと考えています。したがって私が必要と考える加算すべき預貯金額は、260,000円(月)×12ヶ月×5年=1560万円
自営業の方は付加年金には加入していたほうが良いでしょう。
私のイメージでは、高所得者はパリッとしたスーツを着て英語をペラペラ話す、外資系のコンサルタントでした。しかし実は収入が高いのは、中小企業経営者を魅了するコンサルタント、つまり「決裁権限者=お金を出せる人」を魅了する人だったのです。
退職後に起業しようとしたら、最も容易なのが自分の知識や経験を、他社から買ってもらうコンサルタント業かもしれません。
重要なのはあなたの能力を必要としている無数の相手を見つけ、そこにアプローチすることです。
金融機関がなぜ特定の金融商品を進めるかと言うと、それは手数料を稼ぐためです。
インデックス投資は、投資信託よりもその理由は2つ。1つは、どんなに頭が良い人でも、特定の企業がこれからも成長するかなんて予想が難しいこと。2つ目は、世界の資本主義が成長する限り、資本の資本主義社会に投資するのが最も確実だと言うことです。
老後困らないための当たり前の戦略は、リターンを得る前に、とにかく「生活にかかるコスト」を下げることです。
年金は年金保険料の支払額以上のリターンがあり、それは民間保険のそれを上回っています。
買いどきカレンダー
- 1月 ・衣料品全般 ・ワイン ・電子辞書
- 2月 ・寝具類 ・温風ヒーター ・電気カーペット
- 3月 ・家具一般 ・スポーツウェア類
- 4月 ・缶コーヒー
- 5月 ・電子レンジ・自転車
- 6月
- 7月 ・婦人下着
- 8月 ・ビール ・スポーツドリンク ・炊飯器 婦人下着
- 9月 ・ビール ・洗濯乾燥機 ・プリンター
- 10月 ・ふりかけ ・エアコン
- 11月 ・冷蔵庫 ・エアコン ・パソコン ・ゴルフクラブ ・旅行
- 12月 ・酒類全般 ・発泡酒 ・家事用品 ・掃除機 ・テレビ ・ビデオカメラ ・テニス用品 ・玩具 ・自動車・カメラ
私はそのうち冷蔵庫がただで配られる時代になると予想しています。無料冷蔵庫は無数のセンサーとともにネットにつながれ、家族の誰がなにをどの程度消費したかを把握します。このデータがネット配送業者に共有されると、冷蔵庫のユーザのもとには消費した分の食品や飲料が補充され自動的にネット決済が完了仕組みです。これらはコスト意識のまったくない買い方です。気づいたらとても高い値段で買い物を続けていたり、必要なくなったものまで惰性で買い続けたりするかもしれません。
「サブスクリプションビジネス」は儲かるのか?
多くの売り手はほとんど儲かっていません。少なからぬ会社が潰れています。
Netflixはサブスクリプションを成功させた企業の1つですが、この企業は細やかな顧客データをもとに、莫大な費用かけてオリジナルの番組を作ったのが成功の鍵でしょう。
【目次】
・はじめに
・第1章 日本人の給料はなぜこんなに安いのか
労働に対する「コスト」と「リターン」の経済学
・第2章 年金は払い損にならないのか?
老後のお金の「コスト」と「リターン」の経済学
・第3章 消費税増税!もう大物買いはソンなのか?
モノ購入の「コスト」と「リターン」の経済学
・第4章空き家大国日本、やっぱり家は買ってはいけない!?
住宅購入の「コスト」と「リターン」の経済学
【3.本書の感想】
買いどきカレンダーは、意外と参考になりますね。
サブスクリプション(毎月一定の金額を支払うことでサービスを受けられるシステム)が流行りだしました。
これについて、著者は警鐘を鳴らします。
日常必需品でも、食べ物でも、サービスでも、それは便利な様だが、一つ一つの価格やサービスについて、自分で考えないようになると、それは知らない間に結局高いモノを買わされていたり、もう必要無くなったモノまで買わされる可能性がある。
また、モノを考えないようになる。と言っています。
便利なサービスは、思考停止を招きます。
電卓が登場して、どれだけ暗算する機会が減ったでしょうか?
携帯電話が登場して、どれだけ電話番号を覚える機会が減ったでしょうか?
自動車が登場して、どれだけ歩く機会が奪われたでしょうか?
便利なものにはその逆があります。
それをよく見ておかないと、我々、人間がダメになってしまう可能性があります。
これも、コストとリターンでよく考える必要があると思います。
給料も大事ですが、その前に健康な体と頭も大事ですね。
給料を上げるために転職するのか副業するのか選択が大事だと言っています。
転職して給料を上げる為にも業界を選択することが大事です。
自分の給料、年金問題、サブスクリプション、持ち家について考えてみたい方は是非ご覧下さい!
日本人の給料はなぜこんなに安いのか ~生活の中にある「コスト」と「リターン」の経済学~ (SB新書)
【4.関連書籍の紹介】
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最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!