京都のリーマンメモリーズ

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【書評】才能の科学 マシュー・サイド  河出書房新社

今週のお題「わたし○○部でした」

高校時代は吹奏楽部でした。音楽が苦手だったので、音符が読めると良いなと思って入ったのがきっかけです。ホルンを担当しました。楽器に対する才能がないので、上手くなるはずないやろーと思っていましたので、予想通りの結果でした。しかし、結果とは、苦手とかそういうものではなく、どれほど努力したのかで違う、という事を教えてくれるすんごい本を紹介します。(笑)

 

【1.本書の紹介】

本書の著者は、「失敗の科学」や「多様性の科学」でベストセラーを獲得したとても著名な方です。

 

この人は、卓球のオリンピック選手でもあります。

 

オリンピック選手が分析する才能の姿が、この本を通じて明らかになります。

 

私たちは、よく、速く走る人を見て、上手に歌う人を見て、自分とは違う世界の人だとあきらめていませんか?

 

実は、私たちの能力は、自分が思った以上に伸ばせるそうです。

 

さて、私たちの能力が高くなるためには、どうしたら良いのでしょうか?

【2.本書のポイント】

 モーツァルトは歴史上最も 勤勉な作曲家の一人で、気の長い多大な努力なしには成長していなかっただろう。

 

10代半ばの頃には、ウッズは1万時間に及ぶ熱心な練習を重ねていた。

 

エキスパートの練習は違う。それはうまくできないこと-あるいは全然できないこと-をやろうとして、相当量の集中した継続的な努力を行うのだ。

 

世界に通用する水準のパフォーマンスは、少しばかり手が届かないところにある目標に向けて、そのギャップの埋め方をはっきりと意識して努力することで得られる。

 

念入りな研究の結果、創造的なイノベーションがかなり 一貫したパターンをたどることがわかった。傑出性と同じで、目的性訓練の苦難から生まれるのだ。エキスパートは、自分の選んだ分野にとても長いことひたっているために、創造的なエネルギーが充満するとでも言ったらいいだろうか。別の言い方をすれば、ひらめきの瞬間は 青天の霹靂ではなく、専門分野に深く 没頭した後に沸き起こった高潮なのだ。

 

一流のスポーツマンは望ましくない証拠を取り除いて、自分の能力についての過大な信念を維持する方法を身につけているのだ。

 

顕在記憶システムから潜在記憶システムへの遷移には、大きな利点が二つある。第一に熟練者は複雑な技を構成する各部分を滑らかな一つの塊にまとめ上げられる。第二にそちらに気を取られずに済むために、技能のより高度な側面、つまり作戦や戦術に集中させてくれる点だ。

 

知識は知覚に組み込まれている。

 

注意とは非常に 容量の制約が厳しい リソースである。

 

脳の高次領域に推論を任せている。 何時間も積み重ねた練習によって、わざわざ 考えなくてもショットを打つ運動プログラムを開始して実行に移せる。つまり、脳の潜在システムにストロークをまかせているのだ。

 

なんとと言ってもヒトゲノムは気まぐれな進化の過程の産物なのだ。生活を向上させ、苦しみを軽減する安全な遺伝的介入というものを受け入れても良い頃合いではないだろうか。

 

我々が-走ることにかけての優れた能力だけでなく-あらゆることを人種的根拠から評しがちなのは、人種的偏見の色付きメガネで世間を見ているからにすぎないのだ。

 

ケニア 最高の陸上選手たちはもっぱら、他の東アフリカと比べてさえ高地出身だという事だ。空気が薄いと、酸素を運ぶ赤血球を増やそうとするので、それが 耐久性を高めるのだ。

 

多くのケニア最高の走者達が通学に凄まじい 距離(時に 1日20 km 以上)も走ったという驚くべき事実。

 

この世には遺伝的に決まる「才能」なんてものはない、すべては努力(と運)だ。

 

頑張って練習すれば、必ず成功する!みんながんばれ!

【3.本書の感想】

引用の最後2行は、訳者あとがきです。

 

著者は、この2行を言いたいがために、たくさんの事例を用いながら努力の大切さを説いています。

 

みんなできるんですよ。

 

ただ、できるまでやらないんですよ。

 

ということを再認識しました。

 

よく例えられると思いますが、自転車に乗るのは最初、とても難しいです。

 

しかし、そのうち慣れてくると、手放しでも運転できるようになります。

 

そっとペダルと漕いで、バランスを取って、ハンドルを右左している時は、景色を見ている暇はありません。

 

それがいつの間にか景色を楽しめるまでになっていると思います。

 

プロとか名人とか言われる人は、簡単に言うと、それぞれの分野で自転車を手放し運転できるくらいに達するまで努力しています。

 

普通の人は、少しやって、難しいな~と思って諦めます。(笑)

 

初めて自転車を与えられた人間が、いきなり手放し運転できませんよね。

 

ちょっとやれば、すぐにできると思ってしまうのが、私たちのようです。

 

ほんとにやりたいのであれば、それ相当の努力が必要であるという事を理解して情熱をもって取り組みましょう!

 

人の才能を見て、あきらめている人、努力が中途半端で挫折している人、人間の可能性を理解したい人は是非ご覧ください! 勇気が出ます。

才能の科学

【4.関連書籍の紹介】

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最後までのお付きあいありがとうございました。