京都のリーマンメモリーズ

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【書評】超二流 天才に勝つ一芸の究め方 野村克也 ポプラ新書

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【1.本書の紹介】

最後に少しだけ私の夢を語らせて欲しい。今年(2019年)の6月、私は学生野球資格を回復した。つまりは高校野球の監督ができる、というわけだ。そうなれば、どうしても夢を見てしまう。母校の監督。である。

 

これは野村監督が亡くなるなくなるおよそ7ヶ月前に書かれた言葉です。

 

当時84歳の野村監督は、自分が母校(京都府立峰山高校)の監督になるのが今の夢だとおっしゃっています。

 

生前の映像をNHKの番組で見ましたが、杖をついて歩いているオジイちゃんがですよ、母校の監督を務め、いい選手を育て、京都の強豪校に勝ち、いい選手を野球界に送りたいという夢を語っているんです!

 

野球にかける情熱には、ただただ頭が下がる思いです。

 

野村監督がお亡くなりになり1年が過ぎましたが、この本は比較的新しく書かれたものになります。

 

野球を通じた人間教育の大切さ。

 

それは、一社会人である私達にも、充分過ぎるほど通じる教えがあります。

 

 さて、ここで出てくる「超二流」とはいったい何のことでしょう。

【2.本書のポイント】

選手の育成は「見つける」「育てる」「活かす」。感じる力を持っていなければ「見つける」ことができない。

 

外野選手は勝負を左右する「守備」の場面において、自らの頭で考える機会はめったにないということだ。

 

プロに入ってから途端に伸びなくなることがある。それは、プロに入ることが目的になってしまっているからだ。

 

感謝の気持ちを持っているかどうか。野球に限らず、人を育てる重要な要素の一つだと私は思っている。

 

本来の野球の面白さは戦力的に決して強くない集団がやりくりして強いチームを倒すことにある。

 

自分の仕事における本質的な能力を向上させる努力を諦めてはいけないということを、読者の皆さんには分かってほしいのだ。

 

あなたがコミュニケーション下手を自覚しているなら、「世渡り上手」目指すのではなく、まず実力をつけるのが先だ。

 

自分のことを凄い選手だ、一流だ、と勘違いしてしまったら、そこで努力をしなくなるし成長が止まってしまう。

 

これだけは誰にも負けないという強みを見つける。そうすれば生きる道は自ずと開けてくるはずだ。

 

もしも自分が自分で思っているだけの評価が受けられないと感じているならば、それは甘えが産まれている自分に対する警鐘だと思うべきだ。

 

自己評価が正しいとしてる前提がおかしい。肝心なのは自己評価ではなく、他人の評価だ。言ってしまえば他人の評価が全てだ。

 

非常に厄介なことは、努力には即効性がないということだ。素振りのような基礎練習はすぐに効果が出ない。だからつまらない。基礎練習の努力を続けられない人が少なくないのだ。

 

どんな仕事、職業、役割にも、本質というものは存在する。勘違いしないでほしいが、「本質」はけっして「答え」ではない。「答え」を導いてくれるきっかけになる「出発点」だと思ってもらいたい。

 

「プロセス」さえ見つかれば、私は結局「徹底できる人」こそ、一番強いと思っている。

 

「監督の『何』によって、組織が変わるのか?」私は、一つの答えとして「説得力」を挙げる。

 

多くの名監督を見てきた「経験」、実際に指揮を取ってきた「経験」から、監督の「信」がチームに如実にあらわれることを知っている。

 

監督の仕事は、試合が始まるまでのプロセス管理なのだ。

 

そもそも「褒める」と「叱る」は同じことだと私は思っている。それは、どちらも根っこに「愛情」があるからだ。

 

まさに「野球とは」という本質論、いわゆる「とは理論」になるが、これを選手に教えるのが監督やコーチにとって一番大事な仕事なのだ。 大切なことは、自身が考えること。問題意識をいかに持たせるか。 

 

コーチが選手に指導する時には、教えるのではなくて質問を投げかけるといいだろう。「変化球の対応をどうしている?」「今のボールの根拠は何だ?」

 

阪神から教わったこと。それは、人や組織には「合う・合わない」という越えられない壁のようなものが存在するということだ。

 

選手を育成していく中で、最も大切なことは「人間教育」だ。 プロ入りはゴールではなく、そこからがスタート。それを勘違いしてしまえば、成長は止まってしまう。

 

【目次】

まえがき

本文の前に 指導者の道に進む教え子たち

第1章 「超二流」論 天才に勝つ一芸の究め方

第2章 自主的に考える力 他人の評価と素直な心

第3章 より成長するために 「超二流」ヘの条件

第4章 物事の本質を考える

第5章 「超二流」集団をどうリードするか

第6章 「超二流」とは才能を生かせる者

第7章 才能を最大化するための「人間力」

あとがき

【3.本書の感想】

野村監督の本を読むと、いつも勇気をもらえます。

 

野村監督は、自分の個性を見極めて活躍できる様、努力することが大事だと言います。

 

流行に乗らず、あくまでも努力が大事だと言うところが、良いと思います。

 

最近は、楽しくないことはすぐやめよう的な風潮がありすが、やはり、最低限努力は必要だと思います。

  

努力は即効性がない。

 

だから、続ける人が少ない。

 

結果、成功する人も少ない。

 

逆に言うと、努力を続ければ、成功できるということですね。

 

「正しいプロセス(やり方)」を見つけて、ひたすら打ち込む。

 

違う言葉で、「正しい努力」という人もいます。

 

正しいプロセス、正しい努力になるように導くのが、指導者の大切な使命です。

 

教えるのではなく、本人が自分で考えるように導く事ができるのが、本当の指導者です。

 

指導者のあり方についても持論を展開されています。

 

この本は、新しい時代になっても、忘れてはいけない努力の大切さを思い出させてくれる1冊です。

 

是非ご覧下さい!

超二流: 天才に勝つ一芸の究め方 (ポプラ新書)

 

【4.野村監督シリーズの紹介】

野村監督の著書はたくさんありますが、その中の1部ではありますが、紹介させて頂きます。

 

こちらの本を読むと、夢の叶え方がわかります!

若い人だけでなく、皆さんにとても参考になります。

www.fukuikeita21.com

 

野村監督の「運」に対する考え方です。

「運」はそこらへんを適当に漂っているものではなく、引き寄せる事が可能だそうです。ではどうすれば「運」が向いてくるのでしょうか?

www.fukuikeita21.com

 

野球をしている人、野球を指導している人、テレビで野球を見ながらぼやいている人、この本を読んでいないと、野球界では非常識と言われますよ!

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 野村監督が書き続け、教え続けた「野村ノート」を選手側から語る本です。

www.fukuikeita21.com

 さて、「超二流」に似た本はいくつかありますが、お勧めの本をもう一冊紹介します。

 

「超一流の二流を目指せ」です。

 

世界の99%は凡人だそうです。

 

だから一流を目指すのは戦略として間違っている。

 

だから、すんごい二流を目指そうという本です。(笑)

 

具体的には、会社をやめる。

 

お金を使い果たす。

 

そして借金をしまくる。

 

すると、真剣に生きる事を考えるようになります。

 

「終わり」が最大のエネルギー。

 

だから死を意識しながら有限の時間を使い尽くせ!

 

どうですか?

 

行動に移れないでいる人に、背中を推してくれる1冊です!

超一流の二流をめざせ!

 

最後までのお付き合いありがとうございました!