私は、この本を読んで衝撃を受けました!
日本野球界のバイブルです!
私が野球をやっていたのは少年野球でしたが、その時は、ただ投げて打って走ってという単純に楽しい遊びでした。(笑)
この本を読むと、野球というスポーツは、様々な情報分析から1つ1つのプレーが予測され、実行されていることがわかります。
予測通りに行けば勝ちますし、予想が外れると負ける。
そんな頭脳野球が行われています。
野球の監督をしている人であれば、この本を知らずに指導していると恥ずかしい思いをするかも知れません。
日本の野球は、野村監督の功績により、レベルが上がりました。
そして野球は、データを用いる戦略と人間力がその基本となりました。
世の中がデータ勝負をしている時代に、清原は、「真ん中で勝負せい!」と言う。
野村監督は、これは時代遅れだと言います。
巨人は、強力な選手が多かった事もあり、あまり考えてプレーをするということがなかったそうです。
それでも私は巨人が好きでした~(笑)
一流選手一流監督にあらずというのは、野球の技術が邪魔しているのではなく、人間力が足りないからなれないと分析しています。
少年の頃、打てる打てないの差は「力」しかないと思っていましたが、野球と言うスポーツは、頭を使うことが必須です。
この本はリーダー論としても、野球を楽しむ読み物としても、たくさんの気づきが得られます。
ポイントは以下です。
私は監督をやっていくうえで、次の5原則に従って職務を遂行してきた。
①「人生」と「仕事」常に連動しているということを自覚せよ。
②人生論が確立されていない限り良い仕事はできないということを肝に銘じておくこと。
③野球をやる上で重要なのは「目」(目のつけどころが大事だ)、「頭」(考えろ、工夫しろ)、「感性」(感じる力を養え。それには負けじ魂や貪欲な向上心やハングリー精神がポイントとなる)の3つである。
④技術的能力の発揮には次の3点、「コツ」(投げる、打つ、守る、走る時のコツ(感覚)を覚える)、「ツボ」(相手チームの得意な形、相手バッテリーの配球の傾向、マークする選手、座席でのマークする球種、相手打者の攻略法、クセ探しなどのツボを押さえておくこと)、「注意点」(相手の中でマークする選手、投手は手の得意なコースや球種は絶対に投げない、理想のフォームを崩さないための※意識付け※をしておくこと。性格面でもそうであるようにどうしても欠点が出てしまう)が重要となる。
⑤無形の力を付けよ。技量だけでは勝てない。方力を身につけることは極めて重要である。情報収集と活用、観察力、分析力、決断力、先見力、ひらめき、鋭い勘等々である。
「プロ野球選手は野球博士になるべきだ」といって、ルールから勉強させた。
人生という二文字から私は次の四つの言葉を連想する
「人として生まれる」(運命)
「人として生きる」(責任と使命)
「人を生かす」(仕事、チーム力)
「人を生む」(繁栄、育成、継続)
よく「おまえ成長したな」と何気なしに言われることがある。ところが何を根拠に「成長した」なのか考えてみると、自分の間違いに気が付いて正しているからなのだ。また一方で、「判断基準のレベルアップ」をしてこそ成長なのである。
「仕事」と「人生」は切っても切り離せない関係にある。「人生とは幸福への努力である」(トルストイ)と言い切っているように、仕事を通じて成長と進歩があり、人生と直結しているのだ。
打者のタイプを、私は A、B、C、Dと4つに分けた。
A型=直球に重点をおきながら、変化球にも対応しようとする。
B 型=内角が外角、打つコースを決める。
C 型=右翼方向か左翼方向か、打つ方向を決める。
D 型=球種にヤマを張る(このタイプは根拠を見付ける努力をするとよい)。
管理するものは、絶対に結果論で部下を叱ってはいけない。
多くの打者には共通する苦手ゾーンがある
①外角低めのストレート(原点)
②低めの変化球
③特殊球
④内角への快速球や鋭く小さい変化球
古田という人間は自信家、いや過信家と言っていいほど自己中心的な性格をしているが、ことリードという点では探究心、向上心があった。そして何より野球に対する感性(センス)がよく頭脳明晰である。
イチローが天才であることは間違いない。同時にすごい努力家だ。
集中力を高める2大要素とは「興味」と「必要」である。
松坂が「興味」と「必要」を感じたとき、そうした方一番でも安心して送り出せる、日本の不動のエースに成長してくれることだろう。そう私は信じている。
仕事をする上で必要なこととして3つの能力が必要とされる。「問題分析能力」「人間関係能力」、そして最後の一つが「未来創造能力」である。
4番の最も大きな役割は「全試合に出場する」ことであり、常に「打線の中心に存在する」ことだ。「中心なき組織は機能しない」というのが組織論の原則と言われるが、素晴らしい4番打者のいるチームは常に優勝を狙う上位に入ることができる。
私は野球というスポーツは根拠に基づいて成り立っていると見ている。9つのポジション、9つの打順には全て役割がある。いい選手を9人集めるのではなく、9つの適材適所に合わせて選手を集め育成する。そのスタート時点が誤っていては、いいチームは作れない。
野球というスポーツはひとつひとつのプレーに間があり、そこに考えるという動作が要求される。だからこそセンス、感性が必要となる。
監督業というのは、人をつくり、何かを気づかせ、そしてそれが組織に反映されるのを待つしかない。成長がなければ、やはり人間の根本の部分に欠点があるわけだから、もう一度人間教育を繰り返す。結局この繰り返しでしかない。
自分の思うようにしたい。ところが現実はなかなか思うようにならない。そこに理想と現実のギャップが出てくるわけだが、だからこそ努力が必要である。自分の思うようにするために努力していく。その先にあるのが理想であり、夢であり、希望であり、願望である。
ヤクルトの監督になって私がすぐに手を入れたのがスコアラーのデータ改革である。スコアラーの提出するデータを細分化し、例えば縦横各3マス(計9マス)が当たり前だったストライクゾーンを縦横5マス(計25マス)、その他、ボールゾーンの左右高低に2マスずつ取ったため、合計81のマスを作らせた。
私は指揮官、つまりリーダーについて、常に以下のことを念頭においている。
①リーダーいかんによって組織全体はどうにでも変わる。
②リーダーはその職場の気流にならなくてはならない。
③リーダーの職務とは「壊す・創る・守る」。
実践においては意識づけを中心に、「備えあれば憂いなし」「準備の充実なくして良い結果は得られない」という準備重視(プロセス重視)が私の野球である。
よく一流選手は一流の監督にはなれないと言われるが、戦士として一流だったから指導者になれないということはありえない。その選手が技術的には一流でも、一流の人間ではなかった、だからリーダーとしてはそぐわない、そういうことなのである。
野球は`間`のスポーツであり、1球1球、アウトカウントやボールカウント、走者の状況など、その場面場面に生じる投手(捕手)、打者の心理の絡み合いが野球の妙であり、それを背景に数々のドラマを生んできた。
【目次】
第1章 意識改革で組織は変わる
第2章 管理、経験がベースとなる
第3章 指揮官の最初の仕事は戦力分析にある
第4章 才能は学から生まれる
第5章 中心なき組織は機能しない
第6章 組織はリーダーの力量以上には伸びない
第7章 指揮官の重要な仕事は人づくりである
第8章 人間学のないものに指導者の資格なし
終章
下の写真が81マスです。
以前は9マスだったことを考えると大変な進歩ですね。
これを見ながら詳細に指示を出すのと、9マスを口だけで指示を出すのでは、理解度が全く違いますね。
様々な分析を試みた野村監督ですが、この81マスには、素人の私にでも、その凄さが伝わってきました。
野球を人間力まで広げて考えた野村監督は、やはり、日本球界にとって功績がとてつもなくでかい人だったと思います。
こちらの動画で野村ノートがどんなモノであったかを具体的にイメージ出来ます。
思い出しても、監督がノート見ながら采配を振るうという姿は、あまり記憶にないですね。
頭で覚えきれない程のデータがこのノートに蓄積されていたということだと思います。
少年野球からプロ野球まで、監督、コーチをしている人、経営者、チームリーダーの方は是非この本をご覧下さい!
そしてお茶の間のお父さん、今年は開幕まで時間があります!
プロ野球開幕までに、この本を読んでしっかり準備をしておきましょう!
至急!聞く「野村ノート」をもらっちゃいましょう!
野村さんのベスト本です!
野村監督は、運は努力だと言っています。
身長はまだ伸びます!
いろんな事に効きます!
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!