京都のリーマンメモリーズ

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【書評】聞く技術 聞いてもらう技術 東畑開人 ちくま新書

今週のお題「大人になってから克服したもの」

大人になって克服したもの、それは、ブラックコーヒーです。子供のころからコーヒーが好きでしたが、当時はミルクと砂糖入りでした。大人になり、友人宅で、豆を挽きたてで淹れたブラックコーヒーを飲んだところ、とても美味しくて驚きました。それ以来、ブラックコーヒーを飲むようになりました。この話、ちゃんと聞いて頂けましたでしょうか?聞くことって難しいですね。そこで、今回は、聞く技術と聞いてもらう技術を教えてくれるというすんごい本を紹介します。(笑)

 

【1.本書の紹介】

最近は、聞くことが大切だという事がよく言われます。
 
言うよりも、聞く方が難しいですよね。
 
言う場合は、自分が言いたいことを言えば終わります。
 
聞く方は、時間が読めません。
 
最近は、生産性やタイパなど効率が重視されすぎています。
 
常に何か結果を出すことが求められている気がして、人と話をするというのは、生産性のない事こととみなされているのかもしれません。
 
そんな世の中ですので、職場でも最低限の挨拶のみで、雑談などせずに1日が終わってしまう人も多いのではないでしょうか?
 
聞く技術、聞いてもらう技術があると、お互いにコミュニケーションできそうですね。
 
さて、聞く技術を習得するにはどうしたら良いのでしょうか?

【2.本書のポイント】

聞く技術
1 時間と場所を決めてもらおう
2 眉毛にしゃべらせよう
3 正直でいよう
4 沈黙に強くなろう
5 返事は遅く
6 七色の相槌
7 奥義オウム返し
8 気持ちと事実をセットに
9 「わからない」を使う
10 傷つけない言葉を考えよう
11 何も浮かばないときは質問しよう
10 また会おう
 
話を聞いてもらうためには、先に聞かなくてはならない。聞かずに語った言葉は聞かれない。
 
僕らの社会に今、最も欠けているのは「聞く」だと思った。
 
孤独には安心感が、孤立には不安感がある。
 
心の中を飛び交ううるさい声が消えて、ポツンと1人でいる自分に気がつく。すると、「あー、私は寂しかったんだ」と思える。これが孤独です。孤立しているときには話は聞けないけど、孤独になれるならば、話を聞く力が戻ってくる。
 
自分と向き合うためには、他者のことをとりあえず忘れていられるような自分だけの個室が必要です。
 
メンタルヘルスの本質って、結局のところ「つながり」なんですね。
 
心は人々の間を回遊しているのが自然で、個人に閉じ込められると病気になる。
 
他者とつながるために勇気が必要ですが、その勇気は安心からしか生まれてきません。
 
魔法のアドバイスや運命の出会いよりも、緻密な関係性の積み重なりの方が役に立つ。
 
カウンセリングをやっていて、素晴らしいなと感動するのは、孤立していたはずのクライエントが、実は既につながりの中にいたと気づく時です。
 
つながりって、能動的に気づくものではなく、気づいたときには自分を取り巻いている自動的なものだと思うのです。
 
必要なのは賢い頭ではなく、戸惑う心です。混乱した心が溢れ出すと、周りが心配して、「何かあった?」と聞いてくれます。そうなってしまえばしめたもの。後はまとまりのない話を、長い時間をかけて聞いてもらえば良い。
 
「聞いてもらう技術」とは「心配される技術」に他なりません。
 
聞いてもらう技術
日常編
1 隣の席に座ろう
2 トイレは一緒に
3 一緒に帰ろう
4 Zoomで最後まで残ろう
5 焚き火囲もう
6 単純作業を一緒にしよう
7 悪口を言ってみよう
緊急事態変
8 早めにまわりに言っておこう
9 ワケありげな顔をしよう
10 トイレに頻繁に行こう
11 薬を飲み、健康診断の話をしよう
12 黒いマスクをしてみよう
13 遅刻して、締め切りを破ろう
 
何かしているんだけど、頭は空っぽの時に、聞いてもらうが発生しやすい。
 
僕らは心のケアをするのは苦手でも、体のケアは比較的得意なんですね。心配される方としても、体の事だったら、安心してケアを受けやすい。
 
自分でも何と言えばいいのかわからないから、辛いわけで、必要なのは周りが心配して、言葉になるのを待ってくれることです。
 
心のケアとは話を聞かれることである。それは日常で皆がやっていることである。
 
「悔しいよね」と誰かが言ってくれるから、僕らは悔しい気持ちに少しだけ耐えられるようになります。
 
「聞く技術」の本質は、「聞いてもらう技術」を使ってモジモジしている人にそう声をかけるところにあります。「何かあった?」と声をかけることで、話が始まります。
 
「何かあった?」と声をかけ、彼らの抱えている複雑な事情を、時間をかけて聞いてあげて欲しい。白か黒かの極端な結論だけでなく、その辺にある灰色の長い話に耳を傾けて欲しいのです。
 
必要なのは、体をモジモジとさせて、「ちょっと聞いて」ということです。誰かに話を聞いてもらってください。
 
【目次】
まえがき
第1章 なぜ聞けなくなるのか
第2章 孤立から孤独へ
第3章 聞くことのちから、心配のちから
第4章 誰が聞くのか
あとがき

【3.本書の感想】

人は、聞いてもらわないと、聞けないそうです。

 

だから、まずは聞いてもらいましょう。

 

聞いてもらうには、相手に「何かあった?」と言ってもらう必要があります。

 

そのための方法が、隣の席に座ったり、一緒に帰ったりすることです。

 

これくらいなら、できそうな気がしますね。

 

私たちは人間なので、お互いにコミュニケーションをとって、つながりを実感することが大切です。

 

タイパを求められる今は、つながりを感じづらい状況になっているのかもしれません。

 

直接、聞いてもらう。

 

直接、話をする。

 

スマホの画面と話すのではなく、生身の人間と時間をかけて話をするように心がけましょう!

 

この本は、今、人に話ができずに困っている人にはとても参考になります。

 

聞く技術を得たい人、聞いてもらう技術を得たい人は是非、読んでみてください!

 

【4.関連書籍の紹介】

聞くことをもっと深めたい方はこちら。

www.fukuikeita21.com

聞いてもらうための話し方を学んでみましょう。

www.fukuikeita21.com

頭のいい人は話す前に、こんなことを考えています。

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上手に話をすると、すごい情報が引き出せます!

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最後までのお付き合いありがとうございました!