京都のリーマンメモリーズ

京都で働くサラリーマンです。東寺や書籍の紹介をします。

【書評】LISTEN ケイト・マーフィ 日経BP

今週のお題「わたしのプレイリスト」

わたしのプレイリストは、クラシック音楽です。中でも、バロック音楽が好きです。なぜクラシックかというと、作業のバックグランドとして聞いていることが多いからです。今回は、聞き流すことではなく「聞くこと」が最高の知性であるというすんごい本を紹介します。

【1.本書の紹介】

最近は、質問する力とか、正解よりも問いを考える方が大事だという風潮がありますね。

 

質問すること、つまり相手に聞くということは、自分の知らないことを知るということですね。

 

それは、自分にとっての新しい知でもあります。

 

自分が言いたいことをひたすら言う。

 

たいていは同じことの繰り返しになると思います。

 

それに対して、人の話を聞いてどんどん知識を増やす人と、どちらが厚みのある人生になるでしょうか?

 

それは、人の話を聞ける人の方ですね。

 

さて、人から聞くことができると、どんないいことがあるのでしょうか?

【2.本書のポイント】

耳を傾けたがために職を失った人はいない(カルヴィン・クーリッジ)
 
自然は人間に、舌ひとつと耳ふたつを与えた。自分が話すその倍は、人の話を聞くようにと。(エピクテトス)
 
CIAの局員は、情報を得るために、他者を巧妙にだましたり、食いものにしたりするのもいとわないよう訓練されています。
 
いちばん優秀な聞き手は、取り調べと情報活動に配置されます。
 
生きた実感を一番味わせてくれるのは不確実性です。
 
不確実性を避けたいがために、人の話に耳を傾けないのだとしたら、そこで確実に起こることは、退屈な時間と、新しい学びがないためにあなた自身もつまらない人間になる、それだけです。
 
相手が誰であれ、関係を作るには、何か共通点はないか聞きながら探し、徐々に信頼関係を築くのが王道です。
 
話し相手への質問は、自分の正しさを証明するためや、罠をかけるため、相手の考えを変えるため、相手を愚かに見せるためではなく、好奇心から出なくてはいけません。
 
「戦うか、逃げるか、すくむか反応」を起こしたとき、何かに耳を傾ける事はほとんどできなくなります。
 
人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けることだ。
 
聞き上手は、「消極的能力(短期に事実や理由を求めることなく、不確かさ、謎、疑念を抱き続けられる能力)」を備えています。
 
スティーブ・ジョブズは、社員のアイディアを残念なほどに押し解していましたが、それに負けず、ジョブズのアイディアを押し返してくるような人を採用していた。
 
「聴くこと」は、創意工夫の原動力です。聴くことなしに欲求を理解し、問題を察知するのは無理な話ですし、完成度の高い解決法を見いだすなど、なおさらできません。
 
データ中で答えを探す難しさは、大まかに言って、酔っ払いが街灯の下で鍵を探しているようなものだ。データ(街灯)は、データがある場所しか照らさないのです。
 
聴くときに最も難しいのは、人の言葉をそのまま受け取らず、自分の意見を挟みたい、と言う衝動を抑えること。
 
現在の経済においては、聞くことそれ自体があなたの仕事なのではないでしょうか。1980年以降に雇用が拡大した職業は、ほぼ全て、高いレベルで人間関係づくりが求められるものです。
 
さらに心を満たしてくれるのは、自分が素晴らしい会話に加わり、そこでお互いに耳を傾け、考えを発展させること。
 
デートとは、笑い合えるくらいまで相手をよく知るためのしきたりです。(ボブ・マンコフ)
 
経験さえあれば、人は偽りの表情を見破ったり、本当の感情を読み取ったりをかなり正確にできるものです。
 
【目次】

chapter1 「聞くこと」は忘れられている
chapter2 私たちは、きちんと話を聞いてもらえた経験が少ない
chapter3  聞くことが人生をおもしろくし、自分自身もおもしろい人物にする
Chapter4 親しい人との仲もレッテルからも「聞くこと」が守ってくれる
chapter5 「空気が読めない」とは、そもそも何が起こっているのか
chapter6 「会話」には我慢という技術がいる
chapter7 反対意見を聞くことは「相手の言うことを聞かなければならない」ことではない
chapter8  ビッグヒットは消費者の声を「聴く」ことから生まれる
chapter9 チームワークは、話をコントロールしたいという思いをやめた人のところにやってくる
chapter10 話にだまされる人、だまされない人
chapter11 他人とする会話は、自分の内なる声に影響する
chapter12 「アドバイスをしよう」と思って聞くと失敗する
chapter13 騒音は孤独のはじまり
Chapter14  スマートフォンに依存させればさせるほど、企業は儲かる
Chapter15 「間」をいとわない人は、より多くの情報を引き出す
Chapter16 人間関係を破綻させるもっとも多い原因は相手の話を聞かないこと
Chapter17 だれの話を「聴く」かは自分で決められる
Chapter18 「聴くこと」は学ぶこと

【3.本書の感想】

今までは、人に対してどれだけのことを言えるのかが重要だと考えていましたが、逆のようです。

 

自分発信という言葉が流行り、自分から何かを発信しないと価値がないような雰囲気に負けてしまっていますね。

 

人の話を聞くことが実は、最も大事であるということがよくわかりました。

 

人の話を聞くというのは、自分にとって新しいことを教えてくれることですが、場合によっては、自分を否定することにつながります。

 

だから、人の話を素直に聞くことはむずかしいのだと思います。

 

いや、人の話を素直に聞いているよ!という方は、いわゆる賢人と言われる人の話や、セミナーなどでお金を払い、自分がすごいと思っている人の話を聞くときのことだけだと思います。

 

例えば、子供の話や部下の話を聞くときは、自分の気持ちを押さえて、素直に最後まで話を聞けているでしょうか?

 

違うとか、ウソつくなとか、思わず話を遮っていないでしょうか?

 

偉い人の話であれ、自分より弱い立場の人の話であれ、しっかりと聞く態度が必要です。

 

人として成長する唯一の方法は、反対意見に耳を傾けることだ。

この意味は分かりますが、実際にやろうと思うとハードルが高いことは皆さん、経験済みだと思います。

 

聞くことは、自分を成長させてくれますので、耳をふさがず、人の話を聞く訓練をしていきませんか?

 

この本は、聞くことの重要性を教えてくれるとても良い本です。

 

人間関係がうまくいっていいない方、もっと成長したい方は是非、読んでみて下さい!

・・・聞いていただけましたでしょうか?(笑)

 

LISTENー知性豊かで創造力がある人になれる

 

【4.関連書籍の紹介】

やっぱり問いが大事です。

www.fukuikeita21.com

 

取材は問いの結晶とも言えますね。

www.fukuikeita21.com

最後までのお付き合いありがとうございました!