すごい作家が出てきました!
今後日本文学の中心人物の1人となるであろう、ヒロインの誕生です!
【1.本書の感想】
すごい!これが感想です。
2004年に最年少で受賞した綿矢りささんの作品「蹴りたい背中」とは全くタイプが異なります。
「蹴りたい背中」は、最後のじれったいような恥ずかしいような、なんとも言えない感覚を味わったあと、「これだけ?」という感じがしましたが、今回の作品は、文字が多くてなかなか前に進ませてくれませんでした。(笑)
私は、ふだんビジネス書を読むあらすじ追う男(おうお)君なので、ストーリーをサクサクと追っかけるのが好きです。
しかしこの本は、いちいち状況や心理描写が入りますので、なかなか進めません。
これは、愚痴ではなく、称賛ととらえてください。(笑)
主人公の行動に、読者が共感できるように、ひとつひとつ、状況説明が入る感じです。
これだけの作品を書こうと思うとかなりの知識というか、技法が身についていないと書けないと思います。
もう、あっぱれ!ですね。
著者は今後もまた、素晴らしい作品を生み出されると思います。
今、大学生ということなので、今後末永い活躍が期待されます。
【2.芥川賞とこの作品について】
表題の「ケチを付けます」という言葉に期待されていた人、期待ハズレで申し訳ございません。
これから少しケチつけます。(笑)
芥川賞の対象は、新人に近い方の純文学なので、選考基準を照らし合わせると確かに、この作品が受賞対象として全くおかしくありません。
芥川賞を受賞した作品に言うことではないかもしれませんが、今回の作品は、オタク女子高生が主人公なので、本来は、芥川賞の審査員のおじさんおばさんが喜ぶような難解な表現を散りばめるのではではなく、主人公と同じ世代が共感しやすいように、読みやすいレベルの作品にしたほうが、多くの読者と共感が生まれ、結果、この作品がもっと活きたのではないかと思いました。
著者には力がありすぎ(難しくなりすぎ)るので、例えばこの作品を読み切ることができる人は、高校生全体の3割程度ではないかと勝手に想像します。
逆に「蹴りたい背中」はとてもわかり易く、同世代の人もかなり読むことが出来て共感が広がったのではと思います。
この作品に対して、どうしてもケチを付けろというのであれば、ストーリー面ですね。
ストーリーはわりと平凡でした。(笑)
それくらいしか、ケチの付けようがありません。
さて、本離れが叫ばれる昨今、出版業界にとっては希望の星が誕生しました。
芥川賞、直木賞は文学の世界と大衆をつなぐ最後の砦のような立場だと思いますので、格調高くすることだけを良しするのではなく、まずは、読者を増やすことも考えて頂きたいと思いました。
これ以上、文学にこだわりすぎていると、出版の世界はマニアックな人々だけのモノになってしまい、芥川賞も直木賞もオタクの賞の1つとなってしまうのではないかと懸念しています。
さて、芥川賞がどうであれ、この「推し、燃ゆ」を書き上げたすごい作家が出てきたことには間違いありません。
この作品の帯の裏面をご覧下さい。
各紙誌激賞です!
この中では、「一番新しくて古典な・・」という表現が私の感想に近いです。
宇佐見さんは、確実にこれからの日本文学界の中心人物の1人になります。
今から、チェックしてくことをお勧めします。
是非、ご覧下さい!
文藝春秋を購入して読むと、お安く読めます。
【3.関連書籍の紹介】
読解力といえば、AI研究の第一人者の新井紀子さんが、子どもたちの読解力の低さを嘆いておられます。純粋にAIの本かと思ったら、子供の読解力を心配する本でした。(笑)
こちらは、お笑い芸人が芥川賞を受賞したということで話題になりました。
内容は、漫才師が主人公ですが、簡単には笑えません。(笑)
よく読む力、読む忍耐力が必要です。
だけど、面白いですよ!
さてこちらは、昭和、平成の推し、代表みたいな方です。
彼の名は、ひろみGO-!です。
今年、芸能活動50周年を迎えます。
今年は、話題になること間違いなしです!
こちらは、まだまだ燃えています!
本書主人公の推しのグループでも総選挙が行われていました。
そう、皆さんご存知の通り、総選挙の元祖はAKB48です。
AKB48の元祖総監督は高橋みなみさんです。
さあ、総監督は何を考えAKBグループを引っ張っていったのでしょうか?
やっててよかった!新型コロナ禍でも1万円を10万円に増やした方法
最後までのお付き合いありがとうございました!