作者は、「働く君に贈る25の言葉」で有名な、元東レ経営研究所の社長を勤めた方です。
著者の略歴は下記になります。
1969年東大経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男を含め3人の子どもを持つ。
しばしば問題を起こす長男の世話、加えて肝臓病とうつ病を患った妻を抱え多難な家庭生活。一方、会社では大阪・東京と6度の転勤、破綻会社の再建やさまざまな事業改革など多忙を極め、そうした仕事にも全力で取り組む。
2001年、東レ同期トップで取締役となり、2003年より東レ経営研究所社長となる。
2010年(株)佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表。
何度かの事業改革の実行や3代の社長に仕えた経験から独特の経営観をもち、現在経営者育成のプログラムの講師などを勤める。
社外業務としては内閣府の男女共同参画会議議員、大阪大学客員教授 などの公職を歴任。
【1.本書の紹介】
今回は、土光敏夫さんと小倉昌男さんのお話をベースにリーダーシップについて書かれています。
皆さんご存知の通り、土光さんも小倉さんもとても素晴らしい経営者であり素晴らしいリーダーでしたので、経営者の方以外にも大変人気があります。
主にお二人がリーダーとして活躍したお話のダイジェスト版のような感じの内容となっています。
【2.本書のポイント】
リーダーとは、人を動かして「結果」を出す人である。「力になりたい」「力を貸したい」という気持ちと熱意を引き出したのだ。私は、これこそがリーダーシップだと思う。大切なのは、己の中に「自分の志は何としても実現したい」と言うピュアな思いがあるかどうかなのだ。人は働くことによって、人に褒められ、人の役に立ち、人から必要とされるからこそ、生きる喜びを感じることができる。「自分の頭で考える力」を身に付けるためにはどうすれば良いのか?現実のビジネスに全力でぶつかることだ。リーダーは、仲間に「向かうべき方向性」を明示しなければならない。「部下とは真剣勝負せよ。能力より高めの目標を出して、尻を蹴り飛ばして締め上げる。その苦し紛れのあがきの中から、部下は必ず新しい飛躍の途を発見する。そして、それが彼の成長と自信につながっていく」「事を起こせば、必ず摩擦はある。雑音も出る。しかし、ザワザワ批判している人が事情も知らぬまま断片的な事象で無責任なコメントをしている場合が多い。うまくいったら拍手喝采するのもこの連中。そういう外野に会社に右顧左眄せず、確信のある事は断固やれ。そして必ず自分が火の粉をかぶれ」「問題が発生したら、考えて考え抜く、悩み抜く。寝ても覚めても考える。すると不思議なもので、何かの拍子にアイディアが出てくる。それでもどうにもならなかったら他人に相談すること。」「できない理由を探そうとするな。今すぐは難しくても『やるための理由』を上げて努力せよ。そういう人には奇跡が起こる。人生も運命も変わってしまう」落ちこぼれの2割を育てようとするリーダーのいる職場は、おしなべて士気が高い。誰もが、「倫理」について語ることはできる。しかし、そこに「命」を込めることができるのは、それを実践するものだけである。
【3.本書の感想】
私も20年程前に初めて小倉昌男さんの本を読みました。
その中で言われていた「サービスが先、利益は後」が衝撃で、頭から離れませんでした。
まずは赤字になるとしても、新しいサービスを試してみる。
内容が良ければ、利益は後からついてくる。
この考え方でヤマト運輸は、日本を代表する運輸会社に成長しました。
20年前にこの言葉を知ったのですが、未だに活かせていません。(汗)
今、起業する、または、新規事業を起こす場合、最初は赤字になる。
それでも、最終黒字が読めるから事業を進める。
これが出来ないと、他社にマネされて新規事業の意味がなくなる。
逆に言うと、最初に赤字にならない事業は、やっても将来性がないという事でしょうか。
まずは、自分が飛び込み、先行者利益を取り、業界ナンバーワンの位置を確立し、他社と差別化する。
1つの事業だけでなく、次から次へと新しいサービスを考える。
この繰り返しが、起業家精神を維持しながら大企業へと発展する道かも知れません。
せっかく出会い、折に触れて思い出す、「サービスが先、利益が後」という言葉がありながら、自分は普段から「利益が先」の考えから抜け出せていません。(笑)
ちなみに「右顧左眄」これはなんと読むかご存知でしょうか?
「うおうさおう」ではありません。(笑)
「うこさべん」と読みます。
意味は「右を見たり、左を見たりして落ち着かない意から、周囲の人の意見が気になって決断力が鈍ること。ぐらつくこと。ためらい迷うこと。」です。
ちなみに私は、ここで初めて知りました。(笑)
ためになりますね!
そうです、この本は、読んで非常にためになる一冊です!
是非ご覧下さい!
佐々木さんのベストセラー作品です!
こちらもぜひご覧下さい!
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!