【1.本書の紹介】
【2.本書のポイント】
職人さんだろうと、公務員だろうと、サラリーマンだろうと、仕事とは、結局、表現ですよね。一行目はのけぞらせろ。読者は、あなたに興味がない。読者にとって、あなたの書こうとするテーマは、どうでもいい。書き出しののけぞらせる一行目は、「銃」である。うまいとは、分かりやすいことである。①文章は短くする。② 形容語と非形容語はなるべく近づける。③ 1つの文に、主語と述語はひとつずつ良い文章とはなにか。重すぎない、つまりは徳のある文章。人は、なぜ、「等」を入れるのでしょうか。怖いからです。正確であろうとするからです。すべての映画の出だしは、監督が最大の注意を払って作っている。常套句を使うとなぜいけないのか。ありきたりな表現になるからです。常套句は物の見方を常套的にさせる。世界の切り取り方を、他人の頭に頼るようにすることなんです。自分だけの言葉で、描き出すのが、文章を書くことの最初であり、最後です。美しい「花」がある。「花」の美しさと言うようなものはない。(小林秀雄)感性のマイノリティーになることが、文章を書くことの本質だ。型破りはいいんです。型無しはいけません。自分の(起承転結の)転は、自分しか書けない。そこが最大のポイントなんです。ライターでもミュージシャンでも画家でも、役者でも、およそ表現者の役割で、「世間に揺さぶりをかける」ということ以上のものは、ない。深い穴を掘るには、直径を大きくしなければならない。有名性を支えている現代社会の特質は何か。1つは末期的に発展した資本主義であり、2つ目は、インターネットのコピー文化である。われわれは、感情を文章で説明してはならない。(笑)なんて文中に使うライターは、下の下です。筆者の感情をト書きで読者に伝えようなんて、怠慢かつ傲慢です。われわれは、「説明しない技術」を、どうしても身につける必要がある。<論>ではなくて、<エピソード>に語らせる。場面に語らせるんです。怒っていること、悔しいことが読者にわかるような、場面を見つけるんです。ほんの些細な動作を、口調、表現の変化を、目を皿のようにして探すんです。五感を磨き抜くのだ。もしも世界が単色で、人生がつまらないのだとしたら、それは、あなたのせいだ。世界のせいではない。あなたが悪いのだ。あなたの感性が、鈍っているのだ。無理して、努力して、面白がる。ライターには、そういう無茶な思い込みが、どこかで絶対に必要だ。質問しろ。同意を求めるな。疑問形で聞け。日本語の質問の多くは、疑問形になっていない。誰も理解してくれなくても、誰に求められなくても、自分のために、世界のために書く。そういう文章は、熱量が途方もなく高ければ、どこかに読者は現れる。広告コピーは半年も持たない。ヘーゲルは200年も読み次がれている。天才とはだれか。2つの要件を備えた人のことだ。第一の要件。天才とは、努力を続けられる人のことだ。第二の要件。天才とは、努力を発見する人のことだ。人が努力しないことを、努力する。善く、生きている人。それが、良いライターだ。辞書を引くのは、意味を確認するためだけではありません。むしろ、発想を変えるためにひくのが、辞書本来の使い方なんです。語彙を多彩で豊かにする。考え方の<ベクトル>を変える。ものの見方を、<変調>させる。辞書は、そのためにあります。言いたいことがあるなら、言っても良い。しかし、チョコでくるめ (ビリー・ワイルダー)笑いとは、危険から、緊張から、圧迫から、怒りや悲しみから、一瞬、解放された時に出る吐息です。人の関心、下司の好奇心、やじ馬根性、カネ、欲望がうずまくところ。それについての企画を堂々と書く。その下司の話題が、人間にとって、世界にとって、何を意味しているのか。そこに知恵を振り絞るんです。他のライターが書いていることなど、絶対書かない。書かないことを、まず先に決める。スペースは、そこに生まれます。表現者に、ワーク・ライフ・バランスなどあるわけがない。「ワーク・イズ・ライフ」だ。銭金ではない。名誉でもない。いい企画を考えられた。それはライターにとって、最もアドレナリンが出る瞬間の1つだ。企画とは、結局、編集なのだ。企画とは、自分自身を知る作業だ。人に話し、心を動かすことができ、また自分も救われる。そんなことが仮にも期待できるとすれば、それは、ナラティブの力を信じているからだ。しぜんと、体の内側から出てくるもの、それがオリジナルな比喩表現です。読者も自分で工夫してほしい。なにに対しても、いいわけはできる。いいわけを考えていると、短い人生は一瞬で終わる。時間は、創るものだ。創りかたは、あなたにしか分からない。【目次】
第1章 文章の基本
第2章 禁じ手を知る
第3章 ライターの心得
第4章 書くための四つの道具
第5章 読ませるための3感
第6章 自己管理の技術
第7章 生まれたからには生きてみる
【3.本書の感想】
「(笑)なんて文中に使うライターは、下の下です。筆者の感情をト書きで読者に伝えようなんて、怠慢かつ傲慢です。」
これは、私のことでしょうか?(笑)
私は(笑)を多用するタイプなので、私の文章スタイルに影響が出てきますね?
(笑)って不要ですかね?
こんなことにこだわるよりも、この本には、もっと為になることが書かれています。
例えば、常套句を使うというのは、皆さんにわかってもらいやすいためにあるので、多用した方がいいと思っていましたが、そうではないようですね。
表現が同じという事は、確かに、新しい視点や自分視点で考えないという事ですね。
みんなが同じ表現しか使わなくなったら、なんでも「ヤバい」になってしまいそうですね。
こういう事に慣れてしまったので、辞書を引かなくなったのかもしれません。
自分が感じる表現に最も近いものを、きちんと日本語から探し出す。
この作業が、豊かな日本語を後世まで伝えるポイントになると思います。
他人と同じ表現をしなくてはいけないという、昭和時代の学校教育が染みついているので、自分オリジナルというのは控えるべきだと思っていました。
良い文章を書きたい方には、とても参考になる本です。
著者のマネをすることが良いのではなく、こういう人もいるので、マネをしないというのも1つの考え方です。
読んでいて楽しい文章本ですので、文章力を向上させたい方は是非、読んでみてください!
【4.関連書籍の紹介】
著者の最新作です。こちらも人気急上昇中です!
百冊で耕す <自由に、なる>ための読書術 [ 近藤康太郎 ]
- 価格: 1760 円
- 楽天で詳細を見る
大人は読んでおくべき文章術の本です。
気軽に文章を書いてみましょう!
すごくためになる文章本です。
最後までのお付き合いありがとうございました!