京都のリーマンメモリーズ

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【書評】 三行で撃つ 近藤康太郎 CCCメディアハウス

今週のお題「ゾッとした話」
本屋さんで、何気なく本を探していました。そこでゾッとしたのがこの本です。三行で撃つ?とても物騒な題名ですね。題名こそ物騒ではありますが、文章を書く時の心構えを教えてくれるすんごい本を紹介します。(笑)

 

【1.本書の紹介】

上手な文章を書くにはどうしたら良いのでしょうか?
 
こんな悩みや、上手に書きたいという欲求を持っている人は多いと思います。
 
今回の著者は、田舎で猟師をしながら、書くことを教えているという少し変わった方の文章術本になります。
 
さて、三行で撃つというのは興味がありますね。
 
一体どういう事なのでしょうか?
 

【2.本書のポイント】

職人さんだろうと、公務員だろうと、サラリーマンだろうと、仕事とは、結局、表現ですよね。
 
一行目はのけぞらせろ。
 
読者は、あなたに興味がない。読者にとって、あなたの書こうとするテーマは、どうでもいい。
 
書き出しののけぞらせる一行目は、「銃」である。
 
うまいとは、分かりやすいことである。
①文章は短くする。
② 形容語と非形容語はなるべく近づける。
③ 1つの文に、主語と述語はひとつずつ
 
良い文章とはなにか。
重すぎない、つまりは徳のある文章。
 
人は、なぜ、「等」を入れるのでしょうか。怖いからです。正確であろうとするからです。
 
すべての映画の出だしは、監督が最大の注意を払って作っている。
 
常套句を使うとなぜいけないのか。ありきたりな表現になるからです。常套句は物の見方を常套的にさせる。世界の切り取り方を、他人の頭に頼るようにすることなんです。
 
自分だけの言葉で、描き出すのが、文章を書くことの最初であり、最後です。
 
美しい「花」がある。「花」の美しさと言うようなものはない。(小林秀雄)
 
感性のマイノリティーになることが、文章を書くことの本質だ。
 
型破りはいいんです。型無しはいけません。
 
自分の(起承転結の)転は、自分しか書けない。そこが最大のポイントなんです。
 
ライターでもミュージシャンでも画家でも、役者でも、およそ表現者の役割で、「世間に揺さぶりをかける」ということ以上のものは、ない。
 
深い穴を掘るには、直径を大きくしなければならない。
 
有名性を支えている現代社会の特質は何か。1つは末期的に発展した資本主義であり、2つ目は、インターネットのコピー文化である。
 
われわれは、感情を文章で説明してはならない。(笑)なんて文中に使うライターは、下の下です。筆者の感情をト書きで読者に伝えようなんて、怠慢かつ傲慢です。
 
われわれは、「説明しない技術」を、どうしても身につける必要がある。<論>ではなくて、<エピソード>に語らせる。場面に語らせるんです。
 
怒っていること、悔しいことが読者にわかるような、場面を見つけるんです。ほんの些細な動作を、口調、表現の変化を、目を皿のようにして探すんです。
 
五感を磨き抜くのだ。
 
もしも世界が単色で、人生がつまらないのだとしたら、それは、あなたのせいだ。世界のせいではない。あなたが悪いのだ。あなたの感性が、鈍っているのだ。無理して、努力して、面白がる。ライターには、そういう無茶な思い込みが、どこかで絶対に必要だ。
 
質問しろ。同意を求めるな。疑問形で聞け。日本語の質問の多くは、疑問形になっていない。
 
誰も理解してくれなくても、誰に求められなくても、自分のために、世界のために書く。そういう文章は、熱量が途方もなく高ければ、どこかに読者は現れる。広告コピーは半年も持たない。ヘーゲルは200年も読み次がれている。
 
天才とはだれか。2つの要件を備えた人のことだ。
第一の要件。天才とは、努力を続けられる人のことだ。第二の要件。天才とは、努力を発見する人のことだ。人が努力しないことを、努力する。
 
善く、生きている人。それが、良いライターだ。
 
辞書を引くのは、意味を確認するためだけではありません。むしろ、発想を変えるためにひくのが、辞書本来の使い方なんです。
 
語彙を多彩で豊かにする。考え方の<ベクトル>を変える。ものの見方を、<変調>させる。辞書は、そのためにあります。
 
言いたいことがあるなら、言っても良い。しかし、チョコでくるめ (ビリー・ワイルダー)
 
笑いとは、危険から、緊張から、圧迫から、怒りや悲しみから、一瞬、解放された時に出る吐息です。
 
人の関心、下司の好奇心、やじ馬根性、カネ、欲望がうずまくところ。それについての企画を堂々と書く。その下司の話題が、人間にとって、世界にとって、何を意味しているのか。そこに知恵を振り絞るんです。
 
他のライターが書いていることなど、絶対書かない。書かないことを、まず先に決める。スペースは、そこに生まれます。
 
表現者に、ワーク・ライフ・バランスなどあるわけがない。「ワーク・イズ・ライフ」だ。
 
銭金ではない。名誉でもない。いい企画を考えられた。それはライターにとって、最もアドレナリンが出る瞬間の1つだ。
 
企画とは、結局、編集なのだ。
 
企画とは、自分自身を知る作業だ。
 
人に話し、心を動かすことができ、また自分も救われる。そんなことが仮にも期待できるとすれば、それは、ナラティブの力を信じているからだ。
 
しぜんと、体の内側から出てくるもの、それがオリジナルな比喩表現です。
 
読者も自分で工夫してほしい。なにに対しても、いいわけはできる。いいわけを考えていると、短い人生は一瞬で終わる。時間は、創るものだ。創りかたは、あなたにしか分からない。
 

【目次】

第1章 文章の基本
第2章 禁じ手を知る
第3章 ライターの心得
第4章 書くための四つの道具
第5章 読ませるための3感
第6章 自己管理の技術
第7章 生まれたからには生きてみる

【3.本書の感想】

「(笑)なんて文中に使うライターは、下の下です。筆者の感情をト書きで読者に伝えようなんて、怠慢かつ傲慢です。」

 

これは、私のことでしょうか?(笑)

 

私は(笑)を多用するタイプなので、私の文章スタイルに影響が出てきますね?

 

(笑)って不要ですかね?

 

こんなことにこだわるよりも、この本には、もっと為になることが書かれています。

 

例えば、常套句を使うというのは、皆さんにわかってもらいやすいためにあるので、多用した方がいいと思っていましたが、そうではないようですね。

 

表現が同じという事は、確かに、新しい視点や自分視点で考えないという事ですね。

 

みんなが同じ表現しか使わなくなったら、なんでも「ヤバい」になってしまいそうですね。

 

こういう事に慣れてしまったので、辞書を引かなくなったのかもしれません。

 

自分が感じる表現に最も近いものを、きちんと日本語から探し出す。

 

この作業が、豊かな日本語を後世まで伝えるポイントになると思います。

 

他人と同じ表現をしなくてはいけないという、昭和時代の学校教育が染みついているので、自分オリジナルというのは控えるべきだと思っていました。

 

良い文章を書きたい方には、とても参考になる本です。

 

著者のマネをすることが良いのではなく、こういう人もいるので、マネをしないというのも1つの考え方です。

 

読んでいて楽しい文章本ですので、文章力を向上させたい方は是非、読んでみてください!

 

 

 

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最後までのお付き合いありがとうございました!