京都のリーマンメモリーズ

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【書評】読みたいことを、書けばいい。 田中泰延 ダイヤモンド社

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「読みたいことを、書けばいい。」なんて言われると、やっぱり、「自分の書きたいことを書けばいいんだ!」と思いませんか?
 
そうは問屋が卸しません。(笑)
 

【1.本書の紹介】

自分の書きたい事を書くには条件があります。
 
それは、一次資料に当たって調べる事です。
 
調べて、調べてそれから書く事です。
 
基本は、「調べまくった一次情報10の中で9を棄てて、1を書くべし」だそうです。
 
さらにその中で自分の考えは1割以下にする事だそうです。
 
最初この題名を見て、「あ、自由だ!」と思いました。
 
しかし、この本が言いたいことは逆なんです。
 
1つの情報を10倍に膨らませているような文章を書く人は、「橋の上で詩集を売ろう!」と言っています。(笑)
 
つまり、事実が薄く自分の妄想だけを単に膨らませているだけでは、結局読んでもらえない文章になると言うことです。
 
それって私のこと?(笑)
 
書き方を反省させられる本となりました。(汗)

【2.本書のポイント】

自分の中で、やれといわれてもしたくないことと、やるなと言われてもしたいことがはっきりしたから、生き方を変えただけなのだ。
 
ほとんどの人はスタートのところで考え方がつまづいている。最初の放心が間違っている。その前にまず方針という漢字が間違っている。出発点からおかしいのだ。
 
偉いと思われたい。おかねが欲しい。成功したい。目的意識があることは結構だが、その考え方で書くと、結局、人に読んでもらえない文章が出来上がってしまう。
 
よい広告コピーとは、わかりやすい言葉で書かれているが、ちょっと発見があるもの、ということになる。
 
まず自分が面白くなければ、面白くないだろう
 
有能な科学者とそうでない科学者の差は、最初に立てる仮説の違いである
(利根川進)
 
読み手など想定して書かなくていい。その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。自分で読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄になる。
 
深夜、暗い部屋で腰の痛みに耐えながらキーボードを打って、自分で書いたものを自分で少し笑う、それが「書く人」の生活である。
 
「たくさん読まれたい」「ライターとして有名になりたい」という思い違いを捨て、まず、書いた文章を自分が面白いと思えれば幸せだと気がつくべきだ。
 
他人の人生を生きてはいけない。書くのは自分だ。誰も代わりに書いてくれない。あなたはあなたの人生を生きる。その方法のひとつが「書く」ということなのだ。
 
つまらない人間とは何か。それは自分の内面を語る人である。少しでも面白く感じる人というのは、その人の外部にあることを語っているのである。
 
事象とは、つねに人間の外部にあるものであり、心象を語るためには事象の強度が不可欠なのだ。
ライターの考えなど全体の1%以下で良いし、その1%以下を伝えるために後の99%以上が要る。「物書きは調べることが9割9分5厘6毛」なのである。
 
調べたことを並べれば、読む人が主役になれる。
 
一次資料に当たらなければ話にならないのである。「ここがその話の出所で、行き止まりである」という資料は意外や意外、簡単に見つかる。そして、資料まで当たった時に感じることが多いのは、「だいたいの話は、出所からあやしい」ということだ。
 
これだけ調べたうえで思ったことは、「一次資料と言っても意外なほど真偽不明のことが書いてある」「取り立てて新発見はない」だ。しかし、行き止まりまで調べた事実があって、やっと自分が読んでおもしろいと思える文章を書く基礎ができた
 
評価を受けた背景には、「好きなことを書いていても、書き手は一次資料に立脚している」という理由があったのだと思う。
 
巨人の肩に乗る、というのは「ここまでは議論の余地がありませんね。ここから先の話をしますけど」という姿勢なのだ。
 
わたしが愛した部分を、全力で伝える」という気持ちで書く必要があるのだ。愛するポイントさえ見つけられれば、お題は映画でも牛乳でもチクワでも良く、そのまま伝えれば記事になる。
調べることは、愛することだ。自分の感動を探り、根拠を明らかにし、根を張り、枝を生やすために、調べる。
 
事象に出会う。感動したり、疑問に思うなどの心象を抱く。そこから仮説を立てる。証拠を並べる。考える。その時点での結論を出す。
 
自分が最も心を動かされた部分だけをピックアップして、後は切り捨てる「編集」をするのは、自然なことだ。
 
事象に出会ったとき、
その事についてしっかり調べて、
愛と敬意の心象を抱けたならば、
過程も含め、自分に向けて書けばいい。
 
起:実際の経験だという前置き
承:具体的に何があったか
転:その意味は何か。テーゼ化
結:感想と提言。ちょっとだけ
 
あなたが読書で感じた体験を、感動を、いつの日か、あなた自身が書くことで誰かに与えられる可能性がある。だからこそ、人間は書くのである。
 
「金持ちになりたいのではない。自分の正しさを証明したいのだ」
 
自分がまずおもしろがれるものであること。これは、ビジネスアイデアでも文章を書くことでも全く同じだ。それが、世の中に公開された時点で、あくまで結果として、社会の役に立つか、今までになかったものかがジャッジされる。自分の正しさが証明されるかどうかだ。
 
文章を書いて人に見せるたびに、「それは誰かの役に立つか?今までになかったものか?」と考え抜けば、価値のある意見には、必ず値段がつく
 
「これは、人生、するか、しないかというその分かれ道で”する”というほうを選んだ、勇気ある人々の物語です」(荻昌弘・映画ロッキーの解説)
 
「書けば、人生なんか、ある日、パッと変わるんや」
(田辺聖子)

 

【目次】

序章 なんのために書いたか

第1章 何を書くのか ブログやSNSで書いているあなたへ

第2章 だれに書くのか 「読者を想定」しているあなたへ

第3章 どう書くのか 「つまらない人間」のあなたへ

第4章 なせ書くのか 生き方を変えたいあなたへ

おわりに

【3.本書の感想】

本文の中で、著者がこれまでに書いてきた文章のWEBサイトを紹介しています。
 
面白い文章がたくさん読めて楽しいです。
 
そのなかでもこちらは著者の代表作でもあると思いますので、ご一読をお勧めします。
 
「秒速で1億円稼ぐ武将 石田三成~すぐわかる石田三成の生涯~」
 
この本で紹介しているWEBサイトの文章をすべて読むほうが、この本より時間が掛かります。(笑)
 
WEBの文章はとても長いです。
 
長いですがこの本に紹介している、本、WEBを読むことができた人は文句なく、著者を語る権利が得られると思います。
 
さまざまな本の著者について、もし文句を言いたい時は、全て読んでからにするべきだとよく言われます。
 
だとすれば、一生掛かっても読めない程書いてしまえば、誰からも文句を言われずに済みますね。(笑)
 
価値のある文章を書くことは、楽ではありませんという事がよく分かりました。
 
楽ではないからこそ、この世には価値のある文章が存在するのだと思いました。
 
ふと思ったことや不確かな記憶を頼りに書くというのではなく、一次情報を元に書くという事をすれば、少なくとも、その情報は確かなものなので、価値ある文章となります。
 
これは、文章が大量に散乱する時代にはとても大切な事だと思いました。
 
この本は、ユーモアあふれながらも、大切な事を伝えています。
 
この本の評価が高い理由が分かりました。
 
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
 
ちなみに著者のWEB文章は、こんな程度の長さではありません。(笑)
 
が、しかし、是非、読んでみて下さい
 
まずは短い方のこちらから御覧下さい!

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

【4.著者より】

著者の田中泰延さんよりいいねを頂きました!

ありがとうございました!

  

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編集者の今野良介さんよりいいねを頂きました!

ありがとうございました!

 

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【5.関連書籍の紹介】

ストレスが溜まっている方は、笑って解消しましょう!

げらげらグチる。楽しい働き方に効くグチ学 

最後までのお付き合いありがとうございました!