【1.本書の紹介】
「言ってはいけない」でおなじみの著者です。
今回も、裏付けのあるデータを元に、えっ!と驚くような事実を教えてくれます。
普段、新聞やテレビからの情報だけを鵜呑みにしている私達には、たまにはこういう斜に構えたように感じる人から情報を得ることが大事なのかもしれません。
私達は、メディアの言うことだけを信じるのではなく。自分で調べられる範囲は自分で調べて置かないとえらいことになるということを示唆してくれていています。
【2.本書のポイント】
次のような驚くべき事実(ファクト)を受け入れざるを得ない。①日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。②日本人の3分の1以上が小学校3~4年生以下の数的思考力しかない。③パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人が1割以下しかない。④65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない。行動遺伝学などの知見によれば、子供の人格(キャラ)は遺伝と(子供時代の)友達関係で決まり、親が影響を及ぼせる事はわずかしかありません。象徴的なのは、アメリカに移民した子供たちがたちまち英語を話しはじめ、母国語を忘れてしまうことです。会話のための言葉すら教えられないとするならば、親にできることとは一体何なんでしょう。家庭のルールは友達集団の掟と対立した場合、子どもが親の言うことを聞くことはぜったいにない。友達集団の掟と対立しない家庭のルールには、子供を従わせることができる。上司を機嫌よくさせておけば、実際の仕事ぶりはあまり重要ではない。また逆に上司の機嫌を損ねたら、どんなに仕事で成績を上げても事態は好転しない。これは「成果主義」「実力主義格」の代名詞になっているアメリカ企業の話です。アメリカのビジネス専門誌の調査では、同調性の低い人間の方が、同調性の高い人間より年収が1万ドルも多くなりました。「同調性が低い」と言うのは、利己的で他人のことなどどうでもいいと思っている、と言うことです。組織においては、上司にゴマをすりつつ、自分勝手に昇給を要求することが成功の秘訣なのです。ドーパミンが生じさせるのは快感ではなく、極めて強い「快感の予感」でした。きれいごと言う人は、道徳の貯金箱がプラスになったように(無意識に)思っているので、現実には差別的になる。受験や就職に失敗して絶望する人もいるでしょうが、有名校にわずかな差で落ちた人と合格した人のその後の人生を大規模比較したところ、高校受験でうまくいかなかった生徒も一流大学に進学し、大学受験に失敗しても同じような一流企業に就職していることがわかりました。1点差で合格、不合格が決まるのは運で、能力に違いがあるわけではありません。ビックデータは、不運は人生に決定的な影響を及ぼすのではなく。失敗は取り返せることを教えてくれるのです。グローバル化の進展にともなって、リバタニア(差別しない派)の圧力はさらに強まっており、日本でも大手メディアのリベラル化が更に進むでしょう。こうして、取り残されたドメスティック(保守派)とのあいだで、社会の分断が進んでいくのです。シリコンバレーのベンチャー企業では、エンジニアやプログラマは会社に泊まり込んで働いています。日本でも同じでしょうが、法律によって彼らの長時間労働を規制してなにかいいことがあるのでしょうか。日本的雇用の特徴は、スペシャリストとバックオフィスが正社員と言う「身分」でいっしょに扱われていることです。そのため本来は裁量労働制を適用すべきでないバックオフィスに長時間労働させる一方で、自由に働きたいスペシャリストに窮屈な枠をはめて生産性を落とすことになっています。日本の社会のいちばんの問題は、会社にも官庁にもまともな専門家(スペシャリスト)がおらず、「仕事は苦役」と考える素人が適当なつじつま合わせをやっていることです。日本の会社の際立った特徴はスペシャリスト(専門家)を作らないことで、「ゼネラリストを養成する」と言う建前のもと、数年単位で全く異なる部署に異動させていきます。世界標準の働き方では、学歴、資格で仕事内容が(おおよそ)つまり、専門外の分野に移ることはない。ヘッドハンターによると日本企業と海外資系企業では採用基準が違うそうです。外資系企業が評価するの学歴・資格・職歴・経験、そして何よりも実績で、男女の別や国籍、人種は問いません。それに対して日本企業は「男性」「日本人」が当然の前提で、女性や外国人はそもそも対象にもなりません。そして、極めて重大な属性が「体育会」です。
【3.本書の感想】
ここに引用したのはほんの一部です。
引用したいのですが、引用しにくい部分も多々あります。
新聞やテレビでは、まともに取り上げない話題がたくさん載ってます。
まともに希望が持てたのは、「運には差がなく失敗は取り戻せると、ビッグデータが示している」点です。
目先のことに一喜一憂せずに長い目で見て日々努力していきたいものだと思いました。
この手の本にしては、終わりがきれいになったのではないかと喜んでいます。(笑)
【4.関連書籍の紹介】
同じ著者で最近話題を振りまいています上級国民について、知りたい方はこちらをご覧ください。
上級国民の一夫多妻制とはどういうことなのか?意外と納得出来る回答となっています。 www.fukuikeita21.com
最後までお付き合い頂きありがとうございました!