京都のリーマンメモリーズ

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えっ本当ですか!「宅配が無くなる日  同時性解消の社会論」 松岡真宏 山手剛人 日本経済新聞社

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宅配がなくなったら困りませんか?
 
同時性の解消をするのであれば、宅配はなくなると言っています。
 
宅配という家まで運んでくれるというサービスがなくなるということで、配達がなくなるということではありません。
 
本書は「同時性解消」がテーマです。
 
「同時性」とは電話の様に同時でないと役目を果たさないもののことです。
 
荷物の受取も同じです。
 
宅配業界が躓いたのは、宅配を受け取る人々の考え方、生活習慣の変化を見誤ったからだそうです。
  
通信の世界では、メールやツイッターなど、同時性を解消した物が登場し、そのトラフィック量を増やしています。
 
逆に電話などの通信量は減っています。
 
 
人々がスキマ時間を有効に使い始め、固まった時間に縛られなくなって来たという変化を宅配業界は気づかなかったと言います。
 
この本を読むまで気づきませんでしたが、言われてみると確かにそうなってきているなーと思います。(汗)
 
 
ポイントは以下です。
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通信という世界においては、「同時性解消」が行われたことで大きく3つの変化が生じたと言える。第一は時間あたり通信費と言う単位の大幅な下落、第2には「同時性解消」型サービスの拡大による通信市場自体の急成長、第3は通信産業におけるパワーシフトとカーストの再編成である。「同時性解消」こそが、通信業界を前進させたといっても過言では無い。
 
「同時性解消」こそが、技術革新と産業構造の間を取り持つ強力な触媒なのである。
 
消費者の「節約時間割」は大きく増進することが見込まれる。
 
時間資本主義を生きる私たちの時間や空間が細切れに再設定されていくことが予想される。
 
今後は、時間と空間を細切れにして他者とシアリングすることが生産性を引き上げる時代であり、それが結果として消費者の時間価値を引き上げることとなる。空間を保有・賃借していて、これをシアリング提供できる企業にとっては大きなチャンスが到来している。消費者はスマホを持つことで時間と空間を柔軟に旅をすることができる。消費者のこの動きを捉えてどのように消費者のニーズに合わせて空間提供できるかがビジネス成功のカギとなる。
 
スマホはすきま時間の活用の力を私たちに与えた。活用時には私たちのいる空間を細切れにして細切れになった空間を取引させるビジネスを見出した。そして時間と空間を束ねたサービス、つまり時空間サービスは継続的に進化していく。
 
ストレス発散のための買い物は、店員と言うリアルな人間との触れ合いに基づいている。
 
今後はさらに資本の力が弱くなる、プロ経営者、プロ経営者集団、プロ経営者サポート集団など、優秀な労働の担い手の価値が上昇することが予想される。
 
人口減少と私たちには何らかの解放を成し遂げる時代である。人間の希少性が高まると言う事は、私たち人間が重要になったり、大切になったりすることである。
 
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥディが2012年から導入している「6時間労働制」も興味深い取り組みである。午前9時に出勤して、ランチは基本的にデスクで済ませ午後3時の退社を促すと言うもの。
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スタートトゥディの6時間労働制は、とても面白いと思います。
 
8時間、休憩を挟みつつ仕事をするのではなく、6時間突っ走って、さっさと帰る。
 
6時間しかないので、相当集中してやらないと1日の仕事が終わりません。
 
逆に8時間かけてやるよりも、6時間の方が集中するので、質が高くなることもおかしな事ではありません。
 
実際、スタートトゥディは、業績を上げてきたのですから、素晴らしい取り組みだと思います。
 
一方、ファッションで定評のある百貨店の伊勢丹は、伝統的な店舗型のお店です。
 
店舗を構えるということは、お客様にお店まで足を運んで頂く必要があります。
 
つまり、「どうしても試着をしに行きたい」と思わせるような事を考える必要があります。
 
しかし、そこまではできませんでした。
 
ネットで洋服を購入しているのは夜10時から1時であり、その時間は伊勢丹は閉まっています。
 
人の行動が変わっているのに、今までと同じやり方にこだわっている人、企業は取り残されてしまいます。
 
世の中の変化をよく見る事が、いかに大切であるかということがよく理解できました。