京都のリーマンメモリーズ

読書×仕事術をやさしく解説。3分で要点→今日すぐ使えるコツに落とし込みます。自己紹介の型、雑談の始め方、才能の見つけ方など“明日から変わる実践知”。

【書評・要約】生きる言葉|短歌に学ぶ“伝わる日本語”の磨き方(俵万智)

速さ重視の時代に、言葉の手触りを取り戻す一冊。短歌の凝縮力と比喩の効き目、相手を思う表現のコツを、日々の会話や文章に生かすヒントとして紹介。

 

今週のお題「夏休みの宿題」

「そういえば今ブログで読書感想文を書いている」これにぴったりあてはまりました。(笑) 学生時代の読書感想文はとても苦手でした。なぜならば、提出締め切り前に読み始めるので、中身をよく理解できないままに書き始めざるをえないので、自分でも何を書いているのか分からなくなるからです。今思うと、国語力をつける大切な時間だったんだなーと後悔しています。今回は生きる言葉を教えてくれるというすんごい本を紹介します。(笑)

 

【1.本書の紹介】

忙しい毎日が当たり前になったせいで、正しい日本語や、奥深い日本語を味わう時間を持てなくなっているような気がしませんか。
 
メールやチャットの発達で、意思伝達を可及的速やかに行うこと常識になり、ゆっくり考えて返事をするというゆとりがなくなっています。
 
伝達のスピードは確実に速くなりましたが、YesかNoか、はっきりした回答が求められ、いわゆるNoに近いYes、Yesに近いNoのようないわゆるグレーな気持ちが伝わりにくくなりました。
 
例えば、車は人間の生活を便利にしましたが、人間の脚力を確実に弱めたように、メールやチャットは伝達を便利にしましたが、国語力を弱めている存在なのかもしれません。
 
このままでいいのかな。
 
なんて思っているい人も多いのではないのでしょうか?
 
この本では、そんな人達に、国語、言葉の力を再認識させてくれます。
 
さて、私たちが生きるために必要な言葉の力を強化するには、どのようにしたらよいのでしょうか?

【2.本書のポイント】

つかうほど増えてゆくもの かけるほどが育つもの 答えは言葉
お金や時間やものは使えば減ってしまう。でも言葉は、興味を持って使っているうちに芋づる式に増えていくのだ。なぞなぞやしりとりも、その可愛らしい例だろう。
 
言葉と言うのは、持たざるものが生きるための最後の武器なのだ。
 
大体新しい言い回しと言うのは、若い人から生まれて、大人が渋い顔をすると言うのが定番だ。その若い人から生まれるのが「とか弁」を始め、句点なしなどの新しい曖昧表現と言うところが面白い。本質は、上の年代と変わっていないとも言える。
 
「人間はどうして勉強しなきゃいけないの?」
世界を知るためだよと答えてあげたい。大げさに言えば、人類が長い時間をかけて知ったことや作り上げてきたことを、コンパクトにまとめて教えてくれるのが学校だ。初等中等教育の間は、いろんなジャンルの詰め合わせで幕の内弁当みたいなものだから、もしかしたら好き嫌いはあるのかもしれない。でもとりあえず食わず嫌いはせずに、味わってみることをお勧めする。
 
「この味がいいね」と君が言ったから、七月六日はサラダ記念日
今は「いいね」の数を競うような風潮がある。けれど、これはたった一つの「いいね」で幸せになれると言う歌です。
 
私の場合、40年以上歌を作ってきて、神様が微笑んでくれたことがあったのか、なかったのか。読者が決めることではあるが、もし1首あげていいならいいなら、これかなと思う。
最後とは知らぬ最後が過ぎていくその連続と思う子育て
 
「私は作品を書く過程で自分の中を掘り下げて、嫌だったことや楽しかったことが作品の中になんとなく出てくるところが面白いので、やはり書いている過程が楽しいんですよね。作品は大事だけど、あくまで副産物で、文章を書いたりすることで、自分をよく知ることが、一番の宝物、主産物なんだと、非常に腑に落ちました。どことなく人間をマシンとして見ているから、『AIに侵食される」みたいな論が出てくるのかなと思います」そうなのだ。結果の優劣に意識がいきすぎると、見失うものがある。ご自身でも小説も書かれる川添さんの言葉には説得力があった。
 
表面的な意味だけでなく、背景にある意図を汲み取れるのが人間のコミュニケーションだ。
 
手ぶらでスタート地点に立てるものは、なかなかない。が、短歌の場合、道具とも言うべき日本語は、とっくに手にしていて、扱える状態だ。だから私は誰彼となくお勧めしている。短歌を作ってみませんか?と。楽器で言えば、既に音が出る状態なのだから。そこから、さらに良い音色を出すことができれば、日々がきっと今より楽しいものになるはず。言葉の力は生きる力に直結する。
 
雨の日も嵐の日も太陽が照りつける日も、人生が上り坂でも下り坂でも、私たちは言葉を使って生きている。
傘だった言葉を閉じて歩く時杖ともなりていく空の下
言葉は、世界を共に歩く頼もしい相棒だ。
 
【目次】
1 「コミュ力」という教科はない
2 ダイアローグとモノローグ
3 気分のアガる表現
4 言葉が拒まれるとき
5 言い切りは優しくないのか
6 子どもの真っすぐな問いに答える
7 恋する心の言語化、読者への意識
8 言葉がどう伝わるかを目撃するとき
9 和歌ならではの凝縮力と喚起力
10 そこに「心」の種はあるか
11 言葉は疑うに値する

【3.本書の感想】

本書では、寮生活をしているお子さんの学校生活を見学に行って、下記を詠んでいます。

「渋柿を甘くする知恵身につけて五ヶ瀬中等教育学校」

 

これを見て、思い出したのが、下記です。

「万智ちゃんを先生と呼ぶ子らがいて神奈川県立橋本高校」

 

サラダ記念日の中の1首ですが、この短歌を読んだ時、その表現の自由さにびっくりしました。

 

たったこれだけのいわば言葉の羅列ですが、もうあれから40年近く心に残っています。

 

言葉の力はすごいなと思いました。

 

高校時代の国語の先生もサラダ記念日が好きで、この歌を推していました。

 

この歌に自分を重ねていたのかもしれません。

 

そうはさせたくないので、ここで一首。

 

「おっちゃんを先生と呼ぶ子らがいて・・・」(笑)

 

言葉は、すべてを伝えきれるものではありません。

 

だからこそ、その想いに限りなく近い言葉を選ぶ。

 

そのちょっとした言葉を選ぶ力が、どれだけ多くの言葉に接しているかの差なのかなと思いました。

 

私たちは今、コスパタイパの時代に生きています。

 

効率性を求めている中で、逆に非効率になっているものがあります。

 

1つの言葉に含みを持たせない言葉のやり取りによるコミュニケーションは、その1つだと思います。

 

これまでに日本人が生み出した日本語は、とうてい私たちが一度きりの人生で使い切れるものではありません。

 

せっかく日本に生まれてきたのですから、簡単明瞭な言葉だけでなく、様々な形で残されている日本語に触れることも大切だなと思いました。

 

この本を読むと、日ごろの日本語の使い方について、立ち止まって考える時間が持てます。

 

ふだんの言葉使いを振り返るきっかけになります。

 

毎日のコミュニケーションに渇きを感じている人は是非読んでみてください!

 

【4.関連書籍の紹介】

伝わりやすいのはひとことですね。

www.fukuikeita21.com

伝えるために整理しましょう。

www.fukuikeita21.com

頭がよく見える人をマネしてみましょう。

www.fukuikeita21.com

心をつかむ言葉術を学んでみましょう!

www.fukuikeita21.com

 

最後までのお付き合いありがとうございました!