京都のリーマンメモリーズ

京都で働くサラリーマンです。東寺や書籍の紹介をします。

【書評】冒険の書 孫泰蔵 日経BP

今週のお題「レイングッズ」

レイングッズと言えば、傘ですが、それはお出かけする時の必須アイテムですね。しかし、雨の日は家で楽しむという選択肢もあります。家で楽しむ時の最強アイテムはやっぱり読書ですね。家に居ながら冒険が楽しめるというすんごい本を紹介します。

【1.本書の紹介】

この本は、ソフトバンクの孫正義さんの弟、孫泰蔵さんが執筆された本です。
 
孫さんは、ネット系の技術に明るくて、こんな感じの本は書かないのではとおもっていましたので意外でした。
 
なぜ、勉強をしないといけないのでしょうか?
 
なぜ、学校の勉強は面白くないのでしょうか?
 
私達もかつて子供の頃、こんな疑問を持った記憶があると思います。
 
いつの間にか大人になって、そんな疑問を考えなくなりました。
 
逆に「なぜ、勉強しなくちゃいけないの?」と子供に聞かれて、「大人になって困るから」なんて当たり障りのない事を答えていないでしょうか?
 
私達が知らない間に時代が変わり、「なぜ、勉強しなくちゃいけないの?」という問いにしっかりと向き合う時期に来ています。
 
本当に、勉強をしなくちゃいけないのでしょうか?

【2.本書のポイント】

常識に縛られ、不安にかられ、自分の本当の気持ちを押さえ込んで生きるのをやめさえすれば、本当はみんな楽しく生きていけるはずです。
 
「自由に遊んでいる中で、気がついたら学んでマスターしてしまっている」と言う状態が最も理想です。
 
作るべきは、ルールではなく、「試行錯誤できて、失敗から学べる環境」。
 
変わったのは、子供を取り巻く社会状況であり、それが子供の抱える生きづらさとも関係しているのだと思います。(浜田寿美男)
 
「学び」から「遊び」がなくなり、つまらない「勉強」になった。「働き」と「遊び」と分けられて、つまらない「仕事」になった。
 
今、世間で「教育」と言われるものは、いつも他人のことを考えているように見せかけながら、実は自分のことしか考えないような人間を作っているばかりだ。
 
子供の差別については、人々は相変わらず「まぁ、それは区別されても仕方ないよね」と考えています。「仕方ないよね」。これこそが差別の最たるものです。子供の差別こそ、「人類の最後の差別」だと僕は思います。
 
「機械化した人間」も「成果」で評価されるようになった。
 
「誠実に、心を込めて、相手の良さを認める」
(デールカーネギー)
 
社会における人間の知恵は、生まれなどによって決まるのではなく、その人の持つ能力によって決まるべきである」と言う考え方があります。そのような社会を「メリトクラシー」といいます。
 
学校は「学力」を身に付ける。訓練所、すなわちメリトクラシーを強化する総本山となっていた。
 
「能力を高めれば、幸せになれる」と言う能力信仰こそが、学力を高めないといけない大きな原因だった。
 
能力信仰と自己責任がメリトクラシーを形成し、それが人々を分断し、不幸に追いやっているということがわかりました。そして、学校はその信仰を強化し、その結果、学校の勉強がつまらなくなっているのだと言うこともわかりました。
 
社会の役に立つために能力身に付けようと頑張ることが、結局はすさんだ社会を生み出すことにもなる。
 
人間は「役に立つか立たないか」という意味を見出そうとする習性からなかなか逃れられない。
 
これからの時代の僕たちの仕事は、「社会にいかに無駄や余白を組み込むか」を考え、いつでもリフレーミングができるようにすること。
 
人の言うことを鵜呑みにせず、常に自分の頭で考える習慣をつけなさい。
 
すべては複雑に絡み合っていて、だからこそ、豊かな世界が生み出されていくのだ。
 
イノベーションはあらかじめ予測できないと言う事実。
 
先が見通せない難問だらけの、これからの時代において、大事なのは、論理的に解決策を出そうとすることではなく「良い問いを立てる」ことだと思うのです。
 
小さな「問い」に始まり、「つくる」ことを通じて「わかる」ようになる。同時に「わからない」ことをたくさん入れて、そこからさらなる「問い」が生まれる。それらを繰り返しているうちに、何か「形になったもの」が生まれる。
 
「評価」や「査定」は「人と違うことをするな」と言う「同調圧力」を強めてしまうのです。
 
「今何がわかっていて、何がわかってないか」を知る事はとても大事なことなのです。そして優れた専門家の素晴らしいところは、まさにそれをきちんと答えられるところにあります。
 
専門家に任せて、ほとんどの人が考えない社会より、誰もが自由に発想する社会が大事だと思うのだ。
 
私たちは、好きなことだけして生きていくべきなのです。
 
親の言う事は、絶対に聞くな!まじで!
 
自分の人生は、誰がなんと言おうと自分で決めるべきだ。
 
「やりたい事は特にない」と言う人たちは「やりたいこと」の定義を「お金になるようなことの中で、自分がしたいこと」と限定して捉えているのです。
 
誰も必要としないけれども、誰からも必要とされない社会を「無縁社会」といいます。そこには何の「必然性」なければ、「使命」もない。だから、人々は自分は何がしたいのか、何のために生きてるのかが分からなくなるのです。
 
「自立」とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。「依存先を増やしていくこと」こそが、自立なのです。(熊谷晋一郎)
 
この世に生まれてきた意味は、与えることによって与えられる。いや、与えることによって、こちらが与えられてしまう。(近内悠太)
 
僕はただひたすら豊かさを分け続けようと思います。見返りなどを求めず、ただひたすらに。それこそが、本当の「豊かさ」なのだから。
 
自分の人生をいきいきと生きてくれれば、それは幸せな状態と言っていいと思う。
 
「世界は自ら変えられる」とはどういうことでしょうか。それは「自分自身が変わること」だと僕は考えています。
 
「善く生きる」とは、「人類が自然の生態系を破壊してきたことを反省し、多様な自然を愛で、守る存在として生きること」であり、「公共の利益」とは、「あらゆる種がすこやかに生きていける地球を作り上げるために世界を変えていくこと」と定めます。そして、これこそが「幸福な人生を送る」ことの新しい定義であり、教育の目的にしたいと思うのです。

 

【目次】

はじめに
父からの手紙
第1章 解き放とう 学校ってなんだ?
第2章 秘密を解き明かそう なんで学校に行くんだっけ?
第3章 考えを口に出そう なぜ大人は勉強しろっていうの?
第4章 探究しよう 好きなことだけしてなぜいけないの?
第5章 学びほぐそう じゃあ、これからどうすればいいの?
おわりに 新しい冒険へ
旅の仲間たちへの謝辞
世界に散らばる冒険の書たち
本書の問い

【3.本書の感想】

なぜ、勉強しなくちゃいけないのか?これは子供にとって永遠の問題のように考えていましたが、実は、わりと最近できた考え方なんですね。

 

大人と子供、勉強と遊び、効率を求めていろんなモノを分けてしまったがゆえに、つまらなくなったというのは、その通りだと思います。

 

例えば、マクドナルドは、効率的なオペレーションをして低コストを実現していますが、そこで働く人たちの仕事は単調で、やりがいや仕事の難しさ楽しさを見つけにくくなっています。

 

だから、入ってきてもすぐにやめるので、常にアルバイトを募集しています。

 

今から、どんどん新しいモノが出てきます。

 

その度に、まずは大人が十分理解した上で子供に教えるのではなく、子供も大人も共に学ぶ場が必要です。

 

今、AIの力で時代が大きく変わろうとしています。

 

この本を読むと、身近な所から私たちが変化すべきであるという事がわかります。

 

これからの学び方、生き方を考えるにはとても最適な本です。

 

今までの常識をいい意味で壊してくれる素晴らしい本です!

 

是非、ご覧ください!

冒険の書 AI時代のアンラーニング

 

【4.関連書籍の紹介】

5月24日まで99円キャンペーン実施中です!

文章術ベスト: 副業で稼ぐライターの選書術

 

決められた人生ばかりが良い人生とは限りません。

www.fukuikeita21.com

最後までのお付き合いありがとうございました!

【5.なんと著者より】

著者の孫泰蔵さんより「いいね」を頂きました!

孫泰蔵さん、ありがとうございました!