京都のリーマンメモリーズ

京都で働くサラリーマンです。東寺や書籍の紹介をします。

【書評】おとなの小論文教室。 山田ズーニー 河出文庫

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山田ズーニーさんって女性なんですね。

 

ご存知でしたでしょうか?(笑)

 

ズーニーというネーミングと文章指導という硬いイメージから、てっきり男性だと思っていました。

 

文章を読んでいて、関わる題材によって、女性っぽくなっていくもんだなーと感じていました。(笑) 

 

ズーニーとは、カシミール後で「月」という意味で、北インドのカシミール地方を旅したときに地元の人につけられた名前である。(ウィキペディア)

というわけで、ズーニーさんは、月のように美しい人です。

 

ツイッターで、「山田ズーニー」を検索すると、「山田ズーニー」さんがたくさん出てきます。(笑)

 

それぞれ、違う人で、それぞれが「山田ズーニー」さんなんです。

 

この本の著者は、日本のいや、おそらく世界の「山田ズーニー」さんの中で、一番有名な「山田ズーニー」さんです。(笑)

 

【1.本書の紹介】

さて、この本は、おとなの小論文教室となっているので、少し、硬いイメージを持たれるかも知れませんが、そんなことはありません。

 

では、アダルトな内容だと期待される方がおられるかと思いますが、残念ながらそんなこともありません。

 

小論文の形を指導するというよりは、書く前の考えや気持ちを表現することに重点をおいています。

 

さて、こどもではなく、おとなの小論文を書けるようになるには、どうしたらよいのでしょう?

【2.本書のポイント】

ビジネスや趣味においても、今自分がやっていることは、要するに・・・要するに・・・何なのか?端的に言ってみるほどは莫大な効果があるように思います。

 

そうか。ライバルは競合他社じゃない。カレシだったり、ドラマだったり。ドラマを見る1時間を削っても、この雑誌を読む。どうやらそれくらいの引力あるものでないと、ダメなんだということが分かってきました。

 

読者は全部読んで、いい、悪いを決めるのではなく、ぱっと見て、読むか読まないかを決めるのです。そこで「要約力」が必要になってくる。

 

自分は、自分の、目利きプロデューサーになれるだろうか?

「私はこれからどこへ行けばいいの?」

「それはどこへ行きたいかでちがうさ」 (ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」)

 

独立してからの私は、「自分の潜在力を活かす」ということに信を置いて自分をプロデュースしている。

 

みんなライターって仕事に、やりたくて入ってくるけど、だけど、どうも違うはずだった、みたいに思うのは、やっぱりライターという場を借りてやってる内容と、自分の思う世界との食い違いがあるんだと思うの。じゃあ、何を求めるかって言ったら、自分の求める世界を、それはライターという形じゃないにしても、何かクリエイトしていく、そういう意思を示すことでしょ。(Y 先輩の話)

 

自家発電する、ということを、私は考えていた。自分の力だけで、前に、前に進んで行かなければいけない。そんなときに、あんな燃料はだめ、これはだめ、と燃料から不純物を排除して、小さく小さくし、やがて発電もできなくなるよりは、どんな燃料でも、つかんで、燃やして、前に前に進んだ方がずっといい。燃料は「意欲」で、そこには「欲」という子も含まれる。

生きる方へ、生きる方へ、

自分を生かす方へ、生かす方へ、

岐路では、それを考えたらいいんだなと思う。

あなたは、いま、どんな燃料で進んでいますか?

 

私は、いつも人に憧れてばかりで、自分のことが嫌でたまらなくなります。何がやりたいのかわからない。いまやっていることが本当にやりたいことではない気がする。そんな思いで日々過ごしています(読者 Mさんからのメール抜粋)

メールを読んで、あまずっぱかった。

 

自分の個性は、人に出会って、関わって、自分の価値を認めた相手の中にあると考えてみる。

 

自分の思いをきちんと言葉にして人に伝えられる人は自由だ。言葉の中に、意志があり、色があり、その人がいる。 これだけの言葉を、自分のものとして使いこなせるようになれば、遠くにいても相手との距離が近く、自分のことはよく人に通じていて、未知の人、未知の状況にも臆せず臨んで行ける自由がある。

 

自分の思いを言葉で表現できるようにするには、とにも、かくにも、アウトプットだ。自分の思いを言葉にする。人に話す。文章に書く。発信する。汗をかく。恥をかく。

 

表現力は、就職とか、受験とか、何か先の物事を通過するための手段なんかじゃない。今をつかむためだ。今をもっと面白がるためだ。

 

先輩は「いま」を、言葉でひとつかみにした。それは、そばにいた私まで、観る世界を変える「ひと言」だった。私は、「いま」を逃し、逃したことさえ、もう少しで気付けなかった。

 

まわりを見てみると、世の中を面白くしているのは、周りになんか気をつかわない、自分の面白いと思ったことを実践している人たちではないかな。気を使って生きている人は、実は気を使わない人にいろんな面でぶら下がって生きているのでは。(シミズカオリ)

 

すごく仲の良い友達だから、たまには会ってお茶したいし、飲みにも行きたい。それを伝えるのに躊躇するなんてナンセンスですよね。(やすかふぇ)

 

果たして批判メールは、私を育てたか? 答えは、NOだった。

 

優しさは、多くを生み、多くを育てた。

 

つかみに行かないのではなく、自分の置かれた状況がつかめていないために、自分の前に横たわっているチャンスも、そこで活かせる自分の可能性も、見過ごしてしまい、それゆえに「つかみにいけない」のだと私は、思います。  

 

自分の本当の考えを言ったら、社会に、撃たれるのではないか、と恐れる人は大勢います。しかし、自分を取り巻く人物一人ひとりを把握していったとき、表現を阻むモンスターなど、どこにいるのでしょうか?問題は、別のところにあるのではないか、周りはきっとこう思っています。「なぜ、つかみにいかない! 」

 

【目次】
はじめに
第1章自分を表現してますか?
第2章自分の才能って?
第3章一人称がいない
「ほぼ日」コラムを書き始めた理由

【3.本書の感想】

著者は、高校生の小論文指導を経験していたこともあり、若者の文章をたくさん読んだ経験から、文章の初々しさを醸し出しています。

 

それは、悩みであったり、もやもや感であったり。

 

著者は、自分の思いをきちんと言葉にできることは、何よりも自分が自由になる術だから、しっかり訓練しましょうと言っています。

 

その為には、ひたすらアウトプットが必要です。

 

書いて、発信することで、汗をかいて、恥をかいてそして、その術は磨かれるということですね。

 

勇気が出てきませんか?

 

恥ずかしいから、書かない。

 

何か言われるかも知れないから言わない、書かない。

 

これでは、自分を表現する力が育ちません。

 

周りの人は、逆に、なんで表現しないの?と思っています。

 

だから、堂々と、書いていきましょう!

 

書くこと、発信することは、恥ずかしいかもしれませんが、それは、自分が自由になるためのステップと考えましょう。

 

ブログを書く我々にとっては、とっても勇気付けられる言葉ですね。

 

この本は、著者の悩んでいた時代、不自由な時代の心描写が、文章を詩的にしているところがあり、読んでいて、素敵だな~と感じます。

 

より良い文章を書きたいと思って、文章の形を学んできたけど、自分の文章に色艶が出ないと悩んでいる方には、今までとは違う角度からの気づきが得られると思います。

 

是非、ご覧ください! 

おとなの小論文教室。 (河出文庫)

 

まずは問いをはっきりさせましょう!

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

 

手っ取り早く想いを伝えたいと思っている人はこちらをどうぞ。

話すチカラをつくる本 (知的生きかた文庫)

 

文章を効果的に書くための技術が得られます。

伝わる・揺さぶる! 文章を書く (PHP新書)

 

お時間のある方はこちらをどうぞ。

www.fukuikeita21.com

 

これを読んでも、文章はうまくなりません。(笑)

どちらかというと、お金を稼ぐ方法です。

www.fukuikeita21.com

あなたならできる!

ユーキャンのランキング

 

 山田ズーニーさんが、昔、勤務していた会社です。(笑)

 

最後までのお付き合いありがとうございました!