京都のリーマンメモリーズ

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【書評】コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画 冨山和彦 文藝春秋

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【1.本書の紹介】

こちらの著者は、経営共創基盤(IGPI)の代表取締役CEOとしてご活躍中の冨山さんです。

 

経営的に危ない企業又は、倒れてしまった企業を立ち直らせる企業再生業界ではとても有名な方です。

 

今回のコロナ禍により、日本社会が大きく打撃を受けましたが、これを機会に次世代の成長につなげるにはどうすればよいかということを指南しています。

 

誰も経験したことのないコロナ禍下の中で、企業は、我々個人は、どうすればよいのでしょうか?

【2.本書のポイント】 

「破壊の時代」私たちは生きているのである。

 

過去、危機の局面をその後の持続的成長につなぐことに成功した企業は、危機の克服や事業再生、すなわち TA(Turn Around)モードを引き金としてCX(Corporete Transformation)を展開した企業である

 

危機の襲来に退治し、これから起きることに対して最善の準備と最良の決断をするには、なんといっても想像力が重要であり、歴史はまさに想像力の基盤になるのである。

 

生き残りの戦いにおいて、指標とすべきはなんといっても存続の命綱であるキャッシュである

 

危機は必ず終わる。危機に耐えながらも虎視眈々と反転攻勢、投資や買収の機会をネアカに狙うべし、である。

 

悲観的・合理的に考えて準備を整え、楽観的・情熱的に敢然なるアクションを起こすことで、この危機を乗り越えていこう。

 

危機はいつも新しい形で押し寄せてくる。その新しさの本質を洞察し、それを歴史的な法則に当てはめ、想像力を働かせて答えを導くには、形而上的な広範な知識や教養と、形而下的な凄まじい修羅場体験から凝縮されたリアルな抽象的原理とその両方を持っていないと難しい。あらゆる産業、あらゆる局面でこの両方を持ち合わせている人間なんていない。だから他人の言うことは、あくまでも判断材料の一部とした方がいい。

 

歴史は繰り返し、またいつか新しい危機がやってきて、そこで倒れる企業がどこかは分からないのだから、当該組織固有のスキルではなく、世の中全般にどこでも通用する、誰にでも説明できる能力を磨いておくことである。この意味では、企業破綻時などに最も潰しが効くのは、実は現場のモノづくりや、現場オペレーターの人たち。逆に一番困るのはいわゆる総合職採用で長年同じ職場で勤め上げた「管理職」っぽい人達である。

 

私は、エアラインだけでなくグローバル大企業全てを巻き込む G(グローバル) 型産業の経済危機の第二波が、大方の人々の予想以上の大きさで襲うと思っている。その先には F (ファイナンシャル)の世界の金融危機リスクも待っている。

 

私たちはこの30年間、ほぼ10年おきに「100年に一度の危機」に遭遇している。

 

問題の根源は「稼ぐ力」が落ちたことである。

 

デジタル革命で次々と不連続な破壊的イノベーションが起こされ、既存の産業やビジネスが瞬時に破壊される。ここから生まれる新しい付加価値、顧客がたくさん対価を払ってくれる価値は、よりソフトでネットワークで知識集約的なサービスとなっていき、逆に集団共同作業で大量生産される単体のハードウェアの付加価値は削られていく

 

日本の大企業の根本病理は、圧倒的に日本人男性の終身年功サラリーマンで占められ、その同質性、固定性が現代の経営環境とあまりにもマッチしなくなったことにある。

 

経済危機に強いビジネスモデルは、基本的にリモートな方法でソリューションサービスをリカリング(繰り返し利用、定期購買利用)提供するタイプのビジネスモデルである。

 

【目次】

はじめに 破壊的危機に、どう対処すべきか

第1章 L(ローカル)→G(グローバル)→F(ファイナンス) 経済は3段階で重篤化する

第2章 企業が、個人が、政府が生き残る鍵はこれだ

第3章 危機で会社の「基礎疾患」があらわに

第4章 ポストコロナショックを見すえて

終わりに 日はまた昇る、今は200%経営の武器

【3.本書の感想】

 「逆に一番困るのはいわゆる総合職採用で長年同じ職場で勤め上げた『管理職』っぽい人達である。」

 

これは、私が入社する際、ゴールとして描いていた自分の姿です。(笑)

 

私のサラリーマン人生は、昭和時代の典型的なサラリーマンだった父親の姿を踏襲する形をイメージしていました。

 

しかし、これだけ世界が変化するというのは予想外でした。

 

世の中が変わっているので、自分の仕事への考え方も変えないといけませんね。

 

私が勤め始める頃、60才の定年は遥か先のことでした。

 

ところが、気づかないうちに定年へのカウントダウンが始まるとともに、これからは100年人生!なんて言葉が流行りだし、60才そこそこで、働くのをやめるなんて考えられない時代となりました。

 

会社の60才定年は来るかも知れませんが、そこで働くことをやめるわけにはいきません。

 

サラリーマンの負の象徴「住宅ローン」の返済もまだまだありますもんね。(笑)

 

あと、2~30年働く事を考えないといけません。

 

どうせ働くなら、楽しく働ける事を考えたいと思います。

 

この本には、コロナ禍でどうしていくべきか、中小企業、大企業含めて対策が書かれていますので、その指針を参考にして頂き、来る次世代に備えて頂きたいと思います。

 

ぜひ、ご覧ください!

 

コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画 (文春e-book)

こちらではなんと、この「コロナショック・サバイバル」が無料で聞けます!

 

こちらはこの本を動画で解説しています。

前編後編それぞれ20分、計40分程で、この本の内容が理解出来ます。


【コロナ後の経済①】リーマンショックを超える経済危機からの復興計画


【コロナ後の経済②】勝つためにはグローバル×デジタルじゃないとヤバい

 

こちらは、コロナショック・サバイバルの続編になります。

コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える (文春e-book)

著者の代表作の1つです。

AI経営で会社は甦る (文春e-book)

 

 企業の立て直しをリアルに再現しているのがこちらになります。

www.fukuikeita21.com

 「この本読んだよ」がビジネスマンの常識になりつつあります。

www.fukuikeita21.com

 最後までのお付き合いありがとうございました!