【1.本書の紹介】
本書の著者は、京都の小西美術工藝社の社長です。
最近は、様々なところで、日本の生産性、特に観光業の収益を増やすべきだと言って、活躍されています。
実際に京都の二条城などをプロデュースして、観光客を増やしています。
著者の主張は簡単。
日本には、世界でも珍しいほど、観光の要素が詰まっているので、それで稼ぎましょう!
つまり観光資源に働いてもらいましょう!と言うことです。
日本の産業、特に電機機器などは衰退が激しいです。
しかし、世界的にみても、観光業は伸びているし、日本はまだまだ改善の余地があるそうです。
さて、どうすれば、日本の生産性があがるのでしょうか?
そして、どうすれば明るい日本になるのでしょうか?
【2.本書のポイント】
文化財業界は様々な問題を抱えているからこそ、それを正すことにチャンスがあり、伸びしろがある。
観光産業は、世界のGDPの10%を占めるものだが日本は現時点で7%と言われている。
日本は気候、自然、文化、食事という観光立国に必要な4つの条件すべてを満たしている珍しい国。欧米などの上客を獲得せよ!
タイでさえ欧米人は854万人来ている。日本は295万人。
観光客は約4ヶ月前には観光スケジュールを決めている。
フランスは様々な趣向の人たちのニーズに応えており、観光客の9割がリピータ。
訪日外国人が食べたいもの ①鮨 ②しゃぶしゃぶ ③すき焼き ④天ぷら ⑤焼肉 ⑥焼き鳥 ⑦カツ丼
イギリスで習う科目はすべて「論理的思考力」をトレーニングするためのツール。
仮説を立てて推測する時代が過ぎつつあり、EBPM(証拠に基づく政策立案)、政策を立案する上で事前に実証分析できる時代。それにより、先進国の生産性が向上している。しかし日本では未だにあたかもデータのない時代のまま。
これまでのように「ただ目の前の仕事をこなせばいい」という人間では問題を解決できない。論理思考が否が応でも求められる。それを可能にするには何よりも、データをそれを分析する能力が先決。
【3.本書の感想】
この人は、どうして日本人ではないのかと思うくらい、日本の事を考えています。
著者の一貫した主張ですが、日本の観光業は生産性が低いと言っています。
代表的なのが、拝観料や入場料です。
例えば、英国のバッキンガム宮殿は3,000円~6,700円まで5段階で設定されています。
しかし、日本の平均は593円だそうです。
ちなみに、京都の御所は、無料で拝観できます。(笑)
アトキンソンさんは、きちんと拝観料をとって、それだけの付加価値を感じてもらえるようにすることが大事だと言っています。
最近、京都では、八坂神社が国宝に指定されました。
国宝を維持するには大変な費用が掛かります。
国宝を大事に保管するために見せないというのが日本の伝統的な考え方でした。
これからは、国宝を見せて高い拝観料をとる。
つまり、国宝に働かせなさいとというのがアトキンソンさんの主張です。
日本の観光業は遅れているそうです。
まだまだ改善できますので、観光業はまだ伸びます。
今は、コロナ禍での耐える時期ではありますが、コロナ禍が終息すれば、必ず観光客は帰ってきます。
その時の為に、準備をしておきたいですね。
この本では、観光業に関してだけでなく、日本人の凝り固まった考え方をスマートに指摘しています。
なるほどという気づきを与えてくれる1冊です。
ぜひ、ご覧ください。
もっとアトキンソンさんの主張を知りたい方はこちらをどうぞ。
アトキンソンさんにプロデュースして欲しい京都の東寺です。
素晴らしい建造物がたくさんあります。
外国人来日再開までに英会話の準備をしておきましょう!
私は6年ほどお世話になっています。
もう、英語がペラペラです!
子供用の英会話教室は高いですよね。
こちらは、おうちで毎日英会話ができますよ!
最後までのお付き合いありがとうございました!