本書の著者は現在放送作家ですが、以前は落語家でした。六代目三遊亭円楽(当時は楽太郎)に弟子入りしていましたが、弟弟子の実力を見て限界を感じて、放送作家に転身されました。その弟弟子というのが、伊集院光さんだったんです!
【1.本書の紹介】
特に初めて会った人には、話が面白いと思ってもらった方が会話も弾みますし、お互いに楽しいですよね。
しかし、現実は、会話が続かない、盛り上がらない、プレゼンやスピーチで聞いている人の心をつかめないなど、なかなかうまくいきません。
それは、この本の著者自身が経験し苦しんだことでもあります。
そこで、著者は古今東西の笑いの本を読み漁り、ついに「誰でも面白い話ができる伝え方の方式」があるのを発見しました!
その内容を実例を交えながらわかりやすく紹介しています!
【2.本書のポイント】
言葉は意味を凝縮したうえで、短くすればするほど強くなります。
笑いを生み出すためのシンプルな公式
空気を読む✕笑いの原理✕伝える技術
コミュニケーションの土台は「空気を読む」こと
談笑さんが何度も口にしていたのが次の一言です「相手を観察して、気を配れ」
枝雀師匠が唯一笑いの原則としたもの、それこそが「緊張の緩和」の理論です。枝雀師匠は「緊緩(キンカン)の法則」と名付けました。人は緊張が緩和された時に笑うのです。
・キンカンの法則実践例1 緊張→緩和(倒置法)
小池百合子氏の「倒置法」
「膨れ上がるオリンピック予算、1兆、2兆、3兆って・・・豆腐じゃないんですから」
・キンカンの法則実践例2 自慢→自虐
孫さんは「髪の毛の後退がハゲしい」とのツイートにこう返し、話題になりました。
「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである。」
・キンカンの法則実践例3 思い込み(予想)→裏切り
とんねるずがロケで食事をする時によく使うパターン。
まず店主に、この店のおすすめを聞き、「おすすめは味噌煮込みうどんです」その答えを聞いたあと、「じゃあ、俺はカツ丼で」。自分でお勧めを聞いたのだから、当然、それを頼むと思わせておいて違うものを頼むことが、視聴者の予想を裏切り、笑へとつながるのです。
・キンカンの法則実践例4 謎→解決
「最近なぜか夜眠れなくて」
「何か心配事でも?」
「昼寝はぐっすりなんだけど」
「それだよ」
・キンカンの法則実践例5 権威→失墜
「山田社長から金一封もらったよ」
「へぇ、すごいですね」
「中を見たら500円玉が1枚、山田君もケチだなあ」
・キンカンの法則実践例6 たとえる→結びつく
「たとえる対象」と「たとえたもの」距離が離れていれば離れているほど大きな笑いになるのです。
笑いというのは「異質な材料の新しい組み合わせ」でもあるのです。
「このお茶、渋いな」
「まるでうちの経理ですね」
・キンカンの法則実践例7 たとえ→ツッコミ(ツッコミ→たとえ)
特にお手本にしたいのは、くりぃむしちゅーの上田晋也さんです。
例えば似ているようで全然違うものに対しては、
「加藤あいと阿藤快くらい違うよ!」
到底不可能なことに対しては、
「産婦人科で処女を探すぐらい難しいよ!」
流行に乗り遅れている人に対しては、
「11月に冷やし中華始めました位遅いよ!」
・キンカンの法則実践例8 ノリ→ツッコミ
「ソースとってくれる?」
「はい(ホースを渡す)」
「そうそう、やっぱりとんかつにはホース・・って違うやろう!」
・キンカンの法則実践例9 あるある→ツッコミ
楽しみにしていたことが寸前で駄目になってしまった時・・・
「好きな子の直前で曲が終わるフォークダンスくらい残念だ」
面白い人の話を聞いていると、不思議なことが起こります。というのも、話しているネタの情景が脳裏に浮かんでくるのです。
ビートたけしさんは、まだ下積みの修行の頃、ある大先輩から笑いの極意を教わったと言います。それが、このひと言。「頭の中に、先に映像を浮かべること」
オノマトペとは擬音語・擬態語のこと
「パパッと片付けて、キンキンに冷えたビールでもグビグビッとやろうぜ」
伝えたいことを的確に表現するオリジナルのオノマトペを使いこなせると、あなたの話はさらに魅力的になります。
その場にいる相手と「共有・共感できる話題」を選んでください。
テレビショッピングでは、視聴者は「商品」ではなく「未来」を買う。
目指すのは、最低でも3分に一度は笑いを取ること。
面白いことが起きるのを待つだけでなく、積極的に探す。
【目次】
はじめに
第1章 なぜ、あなたの話は「おもしろくない」のか?
第2章 おもしろい人は「空気」を読む
第3章 今日から使えるたったひとつの笑いの原理
第4章 今より2倍おもしろくなる「伝える技術」
第5章 シチュエーション別おもしろい伝え方
第6章 今よりもっとおもしろくなる!面白い人の習慣
終わりに
【3.本書の感想】
この本の著者も、落語家経験者と言うことで、人を笑わせることに相当悩んだ人です。
悩んだだけあって、良く研究していると思います。
人を楽しませるには、運動神経のように瞬発的な能力が必要じゃないかと思われがちですが、ここに書かれている内容を見る限り、普段から準備をしておくことで、おもしろくなれる事がわかります。
自分が伝えたいことを相手の頭に映像を浮かばせることが、とても大切ですね。
そして、話題は、共有、共感できるものを選びましょうということで、守るべき基本的な事も言われていると思います。
自分の話がつまらなくて困っている方、楽しい話し方を学びたい方は是非ご覧ください!
こちらも面白い話の作り方がよく分かる本です。
こちらは、伝える事に悩んだ著者が、一生懸命研究した結果、うまくいくやり方を見つけ、紹介している本です。
会話の上達に欠かせないのは場数です。
こちらで練習しましょう!
お話上手になった人は、こちらで挑戦してみましょう!
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!