とてもおもしろい本です!
【1.本書の紹介】
コピーライターの本は言葉が練り上げられているため、言葉が心に刺さります。
ですので、なかなかサクサクとは読み進めません。
いつものビジネス書であれば、事実を理解すれば良いので、いわゆる左脳でスピーディーに理解出来るので、わりと速く読めます。
しかしこの本は、右脳が、想像力が、心が反応して、理屈ではなく感動を捉えてしまうため、気持ちが落ち着くまで前に進めません。
最近忘れかけていましたが、日本人として、言葉の持つ意味を大事にすることが大切だなと再認識させられました。
コピーライターの仕事は、作品だけを見るととても楽そうに見えます。
しかし、その1作品の為に犠牲になった作品が数百、数千存在しています。
それほどストイックに、毎日言葉と格闘しているコピーライターが、その経験から私達にその仕事の面白さ辛さを赤裸々に紹介しています。
言葉で心をつかむにはどうしたら良いのでしょうか?
【2.本書のポイント】
「月が綺麗ですね」とでも訳しておけ。英語の教師をしていた夏目漱石。「I LOVE YOU」を「我君を愛す」と訳した教え子に対して、そう言ったとされる都市伝説がある。
今のあなたなら何と訳すだろうか?
「半分こにしようか」
「卒業したから、生徒じゃないです」
「今、会えない?」
人が口ずさむ、諳んじることがのできる言葉はどれも短い。覚えられて、多くの人に広めていくという視点では、短く強い言葉が求められる。
自己紹介の目的は「興味の入り口」を作ることだ。
言葉は意識の引き出しを開ける。
僕たちの心をつかむ数々その言葉は、間違いなく書き手が言葉を選び抜いた結果なのだ。
企画とは「幸福に向かう意志」である。
シンプルにすると「→(矢印)」だと考えている。
「言葉は時代と呼吸する」
「人は言葉を食べている」
企画の思考フレーム
目指すべきは、言うの外にあると書いて「言外」の情報が豊かに含まれている言葉。言い換えるならば「情景が思い浮かぶ文章」だ。
人は瞬時にたくさんの情報をやりとりするようになっている。書き手として限られた文字数の中で、人の記憶をかき立てる言葉を探し続けたい。そのためには、「これって本当かな」自問自答することが大切だ。
僕は、人生に感動する仕事がしたいんだ。感動して、感動共有して、一体感をつくる。
リーダーでも、フォロワーでもいい。自分自身が何に感動を覚えているのか。その気持ちに正直になろう。年齢も肩書きも関係ない。その感動こそが全ての原点になる。
感動を贈ろう。贈られた方は、想像以上に嬉しい。そして、そこで感じた喜びはその先もきっとその人を支えてくれる。
「自己肯定感とは何なのか?」
僕はこう思う。自己肯定感とはつまり「感動の蓄積」なのではないか。
自分という存在はどこにあるのだろうか?実は、他者と自己の間にあるのではないだろうか。
感動するという行為は、その無意識が意識に浮上するタイミングだと思う。そこにある感動を見逃してはいけない。
スマホに検索ワードを入れただけではわからないことがある。自分の体を丸ごと目にして、耳にして、鼻にして、口にして、手にする。五感を駆使したら現場にある情報量は5倍だ。行動することでつかみにいこう。
企画のプロとして、飯を食うのがこの講座の目標だとしたら、クライアントや会社、個人の思い・歴史をできるだけ細かく知って、そこへのリスペクトや正直な感想を伝えて嫌な気持ちになる人はいないんじゃないか?と思うんです。(西寺郷太)
いい名付けには必ず「意志」がある。根底にある思いに触れた上で考えること。そして言葉を仕上げる時は、見た時にどう感じるかまで心配りたい。
自分の一番のお客さんは自分。一番のお客さんは、やっぱり大事にしてほしい。
世の中で何かを成し遂げている人達は何を考えているのか知りたくて、ビジネス書を読み漁った。「動け、考えろ、続けろ」どの本も極論、この三つのメッセージしか入っていない
今こそ大切なのは、リアクションではなくアクションなんだ。打席に呼ばれるの待つのではなく打席は自分で作ってもいい。今しなくてはいけないのは、差別化ではなく本質化。
何度も企画書を贈る中で、話が好転していく企画書はこの三つの心がけを満たしていることに気づいた。
①「自分は本気か?」
②「相手は喜ぶか?」
③「本当にできるか?」
企画書の基本形
よろしくお願いします
↓
自分はこう思った(経験)
↓
自分はこう目をつけた(本質)
↓
自分はこうできると思う(企画)
↓
自分と仕事しませんか?
いい企画書を作るための5つのステップ
①比較する対象は「何者?」
②調べまくる、足で稼ぐ
③「今」という時代を捉える
④誰の人生を救えるか?
⑤大義名分のある企画を考える
一人じゃないと思える。僕は、心が伝わる瞬間が最高に嬉しい。
心を掴むとは、愛と書かずに愛を伝えること。
目次
はじめに 「I LOVE YOU」の訳し方
第1章 自己紹介をしてみよう
第2章 言葉の正体
第3章 言葉に矢印を込めよう
第4章 感動家になろう
第5章 名付けの力
第6章 SNS で発信しよう
第7章 企画書はラブレターだ
あとがき 才能とは、掛けた時間である
【3.本書の感想】
言葉の世界に生きている人だけあって、言葉に対する熱意が伝わって来ます。
「人生に感動する仕事がしたい。」いいですね~賛成です!
私も、もっと前から、この言葉に素直に従っていれば、もっと違う人生だったと思います。
今のサラリーマン生活が嫌だという意味ではありません。
こういう職人的な生き方も素晴らしいなと思っています。
冒頭に出てくる「I LOVE YOU」の訳のお話。
皆さんだったら、どう訳しますか?
誰に対して伝えるかによって変わってきますね。
例えば妻に対してなら
「ずっと、ここに居て」
子供に対してなら
「晩飯までに帰ってこい」
でしょうか?
話は変わりますが、私には「I LOVE YOU」で忘れられない思い出があります。
「英語は3語で伝わります」の著者である中山裕木子先生の講演会に行った時の事ですが、講演終了後に著書にサインを頂ける機会がありました。
中山先生は、日本テレビの世界一受けたい授業にもご出演になられた経験を持つ、とても美しい先生です。
講演の後、サイン会場で並んで、いよいよ自分の番がきました。
「名前と一言を教えてください。」
と言うことなので、3語でないといけないと思い、「『I LOVE YOU』にしてください」と言いました。
すると中山先生は少し考えたあと「・・・じゃあ、We Love English にしましょう!」
と言われました。
私は、ズッコケました。
ここで争っても仕方ないので、紳士な対応でテンション低めに「はい、お願いします・・」ということで頂いたサインがこちらです。
中山先生にとって、「I LOVE YOU」は特別な人だけの言葉だったのでしょう。
「We Love English」と「I LOVE YOU」は全然言葉の価値が違いますよね。
トヨエツの「愛していると言ってくれ」の気持ちが分かったような気がしました。(笑)
逆に、私がトヨエツだったら、何も言わなくても「I LOVE YOU」とサインを頂いたかもしれません。
この時、少しジェラシーを感じました。
トヨエツめ。
いえ、トヨエツは関係ありません。(笑)
家族でもそうですが、初めて会った人に、心を伝える、心をつかむということは、とてもむずかしい事ですね。
この本では、心をつかむ為に大切なことを著者の仕事(作品)を紹介しながらわかりやすく伝えています。
日本語の大切さを忘れていた人、相手の心をつかむことに苦労されている人は是非読んで見て下さい!
コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術
この本の中でも紹介がありますが、著者の先輩の人気作品です。
この本の中で「人生を変えるのは人、本、旅」と紹介がありました。
出口さんがいつもおっしゃっている言葉ですね。
感動する「説明」が必要な方はこちらをご参考ください。
伝えて相手を動かしたい人はこちらを御覧ください。
最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!
【4.なんと著者より】
著者の阿部広太郎さんからコメントといいねとフォローをして頂きました!
阿部広告太郎さんありがとうございました!(笑)