京都のリーマンメモリーズ

京都で働くサラリーマンです。東寺や書籍の紹介をします。

【書評】文系AI人材になる 野口竜司 東洋経済新報社

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今、足りないのはデータサイエンティストではなく文系AI人材なんです!

 

これには驚きました!

【1.本書の紹介】 

現在、データサイエンティストと呼ばれるAI技術者が引っ張り凧で、世界的にその賃金も青天井で高騰しています。

 

ひょっとするとその流れは、まもなく止まるかも知れません。

 

AIの登場に、ビクビクしているそこのあなた大丈夫です!

 

ここに解決策が書いてあります!

 

今の今まで、我々文系は、AIの開発はよくわならないので、丁寧に敬遠してきました。(笑)

 

しかし、AIの開発は概ね見えてきて、次はその技術を身近なところで役立つように導入する段階になったようです。

 

ここで活躍するのが、そう、文系AIの人たちです。

 

パソコン初期の時代を思い出すと、昔は、ブラウン管の黒い画面に何かよくわからないコマンドを打ち込んで動作をさせていましたね。

 

当時パソコンは、理系の道具だなと思っていました。

 

ところが、今となっては、マウスをクリックするだけパソコンが動くようになり、誰でも使える道具になりました。

 

今、パソコンを使うのにプログラミングを覚える必要が無いように、AIも簡単に使える段階に来ているようです。

 

AIを恐れて、天の岩戸に隠れていたあなた、出てきてください。(笑)

 

大丈夫です。

 

我々の役割はあります。

 

出来ます!

 

さあ、その準備を始めましょう!

 

まずは頻出、AI・機械学習・ディープラーニングの違いを覚えましょう!

 

さて問題です。

 

下記の図を見て、1.武士 2.徳川家の武将 3.徳川家康に相当するは、A.AI B.機械学習 C.ディープラーニングのうちどれでしょう?(答えは本文の一番下)

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ポイントの中にも答えが隠されています!

【2.本書のポイント】

リスクが高いのは AI 失職を恐れ今の仕事に執着しすぎて、身動きが取れなくなることです。

 

「AI失職」を恐れず、AI 職につく準備を始めましょう。

 

5つの「共働きスタイル」

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1. 人だけで仕事をする「一型」
2. 人の仕事を AI が補助する「T 型」
3. 人の仕事を AI が拡張する「O 型」
4. AI の仕事を人が補助する「逆 T 型」
5. 人の仕事を AI が完全に代行をする「I 型」

 

熟練レベルの AI エンジニアやデータサイエンティストがいなくても、AI はカジュアルに作れる。

 

スクラッチ(既にある土台なし)で AI を作る代わりの3つの選択肢

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・「コードベースの AI 構築環境」で作る
・「GUI ベースの AI 構築環境」で作る
・「構築済み AI サービス」を使う

自ら AI を作ればカスタマイズ性は高いですし、 AI の精度の追求もできるのですが、作る人材の確保や作ったものを維持するコストが大きくなります。

 

AI を作るのか、作るならどこまでカスタマイズするのか、あるいは、自らは作らずに、すでに作られた AI を使うのかを判断する能力が非常に重要

 

文系 AI 人材の仕事は、理系 AI 人材がやらない「全ての仕事」

 

「AI と働くチカラ!」を身につけるにはどうするのか?まずやるべきは、AI の基本を知り、AI の作り方を知り、AI をどう活かすか企画する力を磨き、AI の事例をとことん知ることです。

 

AI の基本は「AI 分類」「AI 基礎用語」「AI の仕組み」の3つ

 

AI とは人間と同様の知能を実現させようとする技術
機械学習とはAI の一種。学習により特定のタスクを実行できるようになる AI。学習にあたっては、主に人が特徴(目の付け所)を定義
ディープラーニングとは機械学習の一種。人間の脳の神経細胞(ニューロン)を模した学習法から発展。主にマシンが特徴(目の付け所)を自動定義

 

機能別4タイプ✕役割別2タイプ=活用タイプ別AI 8分類

機能別は「識別系」「予測系」「会話系」「実行系」4タイプ
役割は「代行型」と「拡張型」の2タイプ

 

文系に必要な AI 用語を出る順で丸暗記しよう
用語1 学習と予測
「学習」は AI にデータを与えて法則性を見出してもらうことで、「AI モデル作り」とも言えます。「予測」は「推論」と言い換えることもできます。

用語2 教師あり学習と教師なし学習
「学習」は答えのあり、なしで分類します。

用語3 目的変数と説明変数
「目的変数」は、予測したい値
「説明変数」は、予測するための値

用語4 アルゴリズム
学習の手順や方法論のカタマリ

用語5 過学習
既知のデータに過剰な最適化をしてしまい知らないデータでは全然当たらない状態のこと

用語6 アノテーション
AI に学習させるための答え付きのデータを作成する作業のこと

用語7 時系列モデル
時間の流れの概念を持って学習し、未来の予測をするモデルのこと

用語8 データ前処理
「データのクリーニング」や「各種データ操作」を行うこと

用語9 PoC
PoC とは、Proof of Conceptの略で、本格開発を行う前の事前の実証実験のこと

用語10 ニューラルネットワーク
ディープラーニングのベースとなる仕組みで、人間の脳の神経細胞を模して作られたもの

用語11 正解率と再現率・適合率
「正解率」は「全体としての予測と答えの一致率」
「再現率」は「答えが正の中で予測も正とされた率」
「適合率」は「予測を正と判断した中で答えも正であった率」

用語12 AUC
AUCはArea Under the Curveの略で、どれくらいバランスよく予測を当てられているかを測る指標です

 

AI の作り方 ざっくり言えば「データ作成」「学習」「予測」 

 

「AI 企画の100本ノック」
立場の違う複数人でアイデアを出し合い、様々な視点から異なるアイデアを50~100個ほど集めることができれば、量産されたそのアイディアの中に、世の中の変化量を大きくする金の卵が含まれていることでしょう。

 

AI 企画の「解像度上げる5 W 1 H」
WHO「誰のための AI?」
WHY「なぜ AI が必要?」
WITCH 「どのタイプの AI?」
WHAT「どんな AI?」
HOW「どう分業する?」
WHEN 「何時までにどう用意する?」

 

私たち文系 AI 人材が AI による社会変化を引っ張っていくのです。

 

「うちはデータサイエンティストが150名くらいいるんだけど、もう十分すぎるから採用を止めてるんだよね。」
この会話で論点になったのはデータサイエンティストを導くことができる「文系 AI 人材の少なさ」でした。

 

【目次】
はじめに
第1章 AI 社会で職を失わないために
「AI 失職」を恐れず「AI 職」に着く準備を
「AI との共働改革を閉じるスキルを身につけよう
5つの「共働きスタイル」

第2章 文系のための AI キャリア
AI は「作る」から「使う」へ
上手に活用する「文系 AI 人材」が重要に
「文系 AI 人材」の仕事内容とは?
「文系 AI 人材」になるための四つのステップ

第3章 AI のキホンは丸暗記で済ます
AI/機械学習/ディープラーニングの違い
学習方式の3分類-教師あり教師なし強化学習
活用タイプ別 AI は4X2=8分類
「識別系 AI」はこう使う
「予測系 AI」はこう使う
「会話系 AI」はこう使う
「実行系 AI」はこう使う
出る順で AI 基礎用語を丸暗記する

第4章 AIの作り方をざっくり理解する
AI は特徴つかみの名人 
「予測系AI」の作り方を理解する
「識別系AI」の作り方を理解する
「会話系AI」の作り方を理解する
「実行系AI」の作り方を理解する

第5章 AI 企画力を磨く
AI 企画の「100本ノック」
「変化量と実現性」を担保する
AI 企画の「解像度を上げる5 W 1 H」

第6章 AI 事例をトコトン知る
-業種別✕活用タイプ別の45事例

第7章 文系 AI 人材が社会を変える
AI による「消費者、会社、働き手」ヘの変化
AI 社会を牽引するアマゾン
AI✕各業界で変革を作るソフトバンク
日本の銀行で起きている AI による変化
文系 AI 人材が社会をリードする

おわりに

【3.本書の感想】

P203の「5W1Hの詳細マップ」はよく出来ています。

 

AIがよく見えます!

 

AIビジネスがよくわかります。

 

この表で解説をしている「業種別✕活用タイプ別の45事例」を読むと、もうすぐそこにAIが来ていて、何でも出来てしまうような気になります。

 

著者は、想像出来たことはたいていAIでできると言っています。

 

これから、AIを利用した新しいビジネスやサービスが、次々に生まれること間違いありません。

 

いよいよ、我々がAIを使ってサービスを提供する側に簡単になれる段階になりました!

 

帯に「AIはExcelくらい誰もが使うツールへ」とあります。

 

エライことになった。

 

というのが、私の本書を見た時の印象でした。

 

ガラケーもスマホもExcelもその機能を十分に使いこなせないまま(笑)に生きてきて、今度はAIを使う時代になって来ました。

 

振り返ると、それでもなんとかやってきましたので、これからもそんなに恐れることはありませんね。

 

大丈夫です!

 

我々の登場が求められるのは、まもなくです!

 

この本を読んで、準備しておきましょう!

文系AI人材になる: 統計・プログラム知識は不要

 

【4.著者よりお知らせ】

今、「文系AI人材になる」を中学・高校の先生に無料献本中です!

詳しくはこちら↓をご覧下さい!

 

Q:「誰に献本中ですか?」

A:「♪先生、先生、それはせんせぇ~い~ せんせいです。」

(森昌子のヒット曲です。懐かしいですね。サビは49秒辺りです。ではどうぞ!)


せんせい 森 昌子

【5.関連著書の紹介】

 こちらは、この本に一部引用されていましたAI開発側の第一人者のおひとりである新井紀子さんのベストセラーです。

www.fukuikeita21.com 

 こちらは、ガチでAIを開発している人達になります。

www.fukuikeita21.com

 最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

【6.著書より、「いいね」頂きました!】

ツイッターで著者の野口竜司さんにリツイートと、同じく野口さんと東洋経済研修事務局さんに「いいね」をしていただきました!

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野口さん東洋経済さんどうもありがとうございました!

(問題の答え1=A、2=B、3=C)