京都のリーマンメモリーズ

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【書評】SDGsベスト4! SDGs本をまとめてみました!

SDGsって何?

 

持続可能な開発目標(SDGs)とは

持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。 (外務省HPより)

 

簡単に言うと、持続可能な世界を実現するための2030年までの国際目標です。

 

17のゴール・169のターゲットを設定して地球の人々全てが人間らしい生活をできるような状態を目指します。

 

今回、国際目標が注目されているのは、世界的な環境への配慮が盛り上がっていることが上げられます。

 

日本においては、SDGsを実施することで、環境配慮型の企業として認められるというメリットがあります。

 

また、ESG投資と親戚のようなこの活動に力を入れていかないと、企業価値が上がらないので、投資先としても認められなくなります。

 

SDGsに対応しないと企業としては取り残されるという危機感から大手企業から盛り上がりをみせています。

 

企業がSDGsに取り組む理由で、意外にも多いのが、「新入社員への好感度アップ」だそうです。

 

いい人材を取るために、この取組をやっていると宣言している企業もあります。

 

この国際目標は、2015年に採択されましたが、盛り上がって来たのはつい最近です。

 

大企業では、取り組まないとイメージが落ちるということもあり、真剣に取り組みを始めている企業が増えています。

 

しかし、中小企業においては、「SDGs?何のこと?」「SDGs?大企業がやることでしょ?」という認識が大半を占めており、日本では、取組はまだまだ始まったばかりと言えます。

 

そんな状況で、最近やたらSDGsという言葉をアチラコチラで聞くという方が多いと思います。

 

SDGsってなんとなく分かるけど、もっと知りたい!

 

本を読んでみたいけど、どれを読んだらいいの?

 

 というように、SDGsの本を選ぶ事で悩まれている方が増えていると思います。

 

という訳で、評価の高いSDGs本4冊を簡単に比べてみましたのでご参考ください。

 

本の内容を比べるために、ここではSDGsそのものについては、断腸の思いで、思い切って説明を割愛させて頂いていますのでご了承ください。(笑)

 

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★「SDGs入門」 村上芽・渡辺珠子 日本経済新聞社

 

いきなり結論を言います。

 

イチオシはこの本!です。

 

4冊の中で一番わかりやすい本です。

 

4冊の中で一番発行日が新しい本です。

 

4冊の中で一番お値段が安い本です。

 

難しい用語は、ほとんどありません。

 

自分たちはSDGsにどう取り組んでいけば良いかという問いに対して、身近なヒントがたくさん載っています。

 

大変読みやすいので、基本的な事は理解できると思います。


SDGsを知りたい人、SDGsをまず理解する必要がある人が、最初に読むと良い本だと思います。 

【目次】

はじめに
第1章 まずはSDGsを理解しよう
第2章 SDGsとビジネスはどう結び付いているのか
第3章 SDGsに取り組むときのヒント
第4章 SDGsにビジネスで貢献する
第5章 SDGsの取り組みテーマを選ぼう
おわりに

SDGs入門 (日経文庫)

 

 

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★「SDGsの基礎」 沖大幹 小野田真二 黒田かをり 笹谷秀光 佐藤真久 吉田哲郎 

事業構想大学院大学 出版部

 

4冊の中で表紙が一番キレイです。(笑)

 

4冊の中で唯一、各章の執筆担当者が異なる本です。

 

6名による合作となっているため、重複しているところがあり、各テーマが読み切りといった感じの本で、全体のつながり、構成に違和感を覚えるところがあります。

 

それぞれ各章の中身は、しっかりとした内容なっています。

 

論文っぽい形式で書かれているため、全体的に文章が固めです。

 

こういう文章を読み慣れている人には、内容もちょうどよく、勉強したなーって思える良い本だと思います。

【目次】

はじめに
第1章 SDGsの基礎 持続可能な開発目標とはなにか?
第2章 企業におけるSDGsの役割
第3章 企業におけるSDGs戦略
第4章 マルチステークホルダーパートナーシップで進めるSDGs
第5章 持続可能な公共調達から考える
第6章 2030年のSDGs達成とBeyond SDGsへ向けて
付録 17のゴールと169のターゲット

SDGsの基礎

 

★「SDGs経営の時代に求められるCSRとは何か」 

 関正雄 第一法規

 

4冊の中で唯一1人で書ききった本です。

 

4冊の中で一番、SDGsが生まれるまでの過程が詳しく書かれています。

 

そもそも、SDGsってどうして出てきたんだろう?という疑問に一番詳しく解説していますが、そこでお腹いっぱいになってしまうかも知れません。(笑)


SDGs周辺についても詳しく書いていますので、CSR系の知識が深まる本だと思います。


事例が豊富に載っていますので、取組に関しては理解しやすいと思います。

【目次】

◆第1部 SDGsの本質を理解する

序章 プロローグ
第1章 持続可能な発展とは何か
第2章 国連目標に関与する企業
第3章 SDGs を企業の視点でどう理解するか
第4章 SDGs時代のCSRを考える

◆第2部 SDGs への取り組み実践のヒント

Topic1 ESG 投資とSDGs
Topic2 ビジネスと人権
Topic3 人間の安全保障
Topic4 TCFD の衝撃
Topic5 気候変動への適応とSDGs
Topic6 海外企業はいかにSDGs に取り組んでいるか
Topic7 日本企業の取り組み事例
Topic8 中小企業とCSR
Topic9 北欧のCSR
Topic10 中国のCSR
Topic11 米国のCSR
Topic12 SDGsオリンピック・パラリンピックをめざす東京大会
Topic13 世界のソーシャルビジネスとSDGs
Topic14 インパクト投資と高まるインパクト志向
Topic15 ESDと企業
Topic16 経営への統合に向けて

あとがき

SDGs経営の時代に求められるCSRとは何か

 

 

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★「SDGsが問いかける経営の未来」 

モニター デロイト(編) 日本経済新聞出版社

 

4冊の中で唯一17ゴールの具体的な内容・ポイントが書かれています。

 

最初、モニターデロイトさんという海外の方による執筆かと思いましたが、外資系コンサルティング会社でした。(汗)

 

外資系コンサルが書いているので、難しい用語が出てきます。

 

SDGsを理解しようとしているのに、次から次へと横文字が出てきて、下手をするとその意味を理解するのに疲れてしまうかも知れません。

 

「私、MBAホルダーですし」という方であれば、ストレス無く読み終えると思います。

 

経営者、経営企画担当者向けの本です。


この本を読んで、横文字に弱い上司に企画提案したら、異次元の人と思われるかも知れません。(笑)


この本を読んでいて「こんなことくらい知っているでしょ。」って言われている気がするのは私だけでしょうか?(笑)

 

【目次】

◆第1部 SDGs時代の新たな経営モデルの潮流
第1章 SDGsをもたらした世界のサステナビリティ底流
第2章 新たな経営モデルの軸となるCSV
第3章 SDGs時代の新たな経営モデルの変化の方向性

◆第2部 企業から見たSDGsの読み解き方
第4章 17ゴールを眺めるだけでは見えないSDGsの本質
第5章 SDGsの背景にある「問いかけ」を理解し、ビジネス言語へ「翻訳」せよ

◆第3部 SDGsが加速させる企業を取り巻くステークホルダーの変化
第6章 企業をサステナビリティ方向に誘う政府規制
第7章 資本市場におけるESG投資の拡大加速
第8章 SDGs採択により威力を増すNGOのアドボカシー
第9章 「ビリーフ・ドリブン」度合いを強める消費者

◆第4部 SDGsが照らす新たな経営モデルへのシフトに向けた戦略
第10章 抜本的な変革に立ち向かうための道筋
第11章 何を目指して変革を進めるか
第12章 どこで戦うか
第13章 どう勝ち抜くか
第14章 新たにどんな能力を備えるか
第15章 新たにどんなマネジメントシステムが必要か

おわりに

 

SDGsが問いかける経営の未来

 

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という訳で、私の独断と偏見で、比較表を作成しました。

 

基本となるSDGs17のゴールは、4冊とも載せていましたが、169ターゲットまで載せているのは2冊(②SDGsの基礎、④SDGsが問いかける経営の未来)だけでした。

 

実際に取組みを検討する場合は、169ターゲットを読み込む必要があります。

 

ご丁寧なことに、ターゲットと共に指標まで掲載している本(②SDGsの基礎)もありますので、施策実行の際には、お手元に置いておくと便利だと思います。

 

冒頭の結論で触れましたが、SDGsを知りたいという初心者の人から、何を読んだら良いか?と問われたら、「①SDGs入門」をお勧めします。

経営的に備えるために準備をしたいという方には「④SDGsが問いかける経営の未来」をお勧めします。

 

まずは「①SDGs入門」で、基礎知識をつけて頂き、他の本を探して頂ければと思います。

 

入門から専門性までをカバーするような、都合の良い1冊はござません。(笑)

 

それぞれ、重点を置いているテーマが異なりますので、必要な部分が詳しく書かれた本を読んで知識を深めて頂ければと思います。

 

この記事が、皆様のSDGs選書のお役に立てれば幸いです。

 

ちなみに、お金を掛けず、取り急ぎSDGsを知りたいという方は下記外務省のサイトをご覧ください。

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!

 

【追加】

「SDGs入門」の編集者の雨宮さんからツイッターにコメント頂きました。

どうもありがとうございます!