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【書評】5G時代、万引き家族は転職が必要です。「5Gビジネス」 亀井卓也 日経文庫

f:id:bkeita:20190828211756j:plainいよいよ5G時代の幕開けですねー
 
5Gって何?
 
そんな声も聞こえてきそうですが、産業界にとっては大変革の起爆剤となります。

【1.本書の紹介】

5Gになると、通信速度が上がり、遅延が(ほぼ)なくなり、多数の端末と同時につながることができます。
 
この3点が、5Gのスゴイ所だと言われています。
 
この特性を生かして、産業界では遠隔から機械を正確に動かす事が期待されています。
 
これが普通にできるようになると、省人化に大きな効果が出てきます。
 
医療の分野では、遠隔で手術をすることが更に進みます。
 
天才ドクターの手術を、一般の人が遠く離れた田舎の病院で受ける事ができる時代になるでしょう。
 
他の事例としては、通信のデータが大量で速くなると、例えば、スーパーで万引防止に使えます。
 
顔認証とその人の挙動をAIにかけて、変な動きをしているとマークされます。
 
実際に、このアルゴリズムは試されて、効果が発揮されているそうです。
 
皆さん、挙動不審な動きには気を付けましょうね!
 
万引き家族の皆様は、次の商売をご検討下さい。(笑)
 

【2.本書のポイント】 

通信に関する国際標準化団体である国際電気通信連合(ITU‐T)の無線通信部門であるITU‐Rは、標準化に先立って5 G のビジョンを検討し、2015年9月にビジョンを発行しました。その中で5G の3つの利用シナリオが示されています。
①高速大容量通信 ②超信頼・低遅延通信 ③多数同時接続の3つです。
 
5 GB がこれまでの「通信が速くなる」という進化だけでなく、「信頼性が高く遅延の少ない通信」「大規模に存在する端末が同時に接続できる通信」という非連続な進化となることを意味しています。
 
5 Gでは制御系の通信を「C プレーン(コントロールプレーン)」としてくくり出し、データ伝送型の通信を「U プレーン(ユーザープレーン)」として分離した設計となっています。これを C /U分離といい、これにより、インターネットを経由する通信と、エッジコンピューティングで処理する通信が併存する場合のネットワーク管理が容易になります。
 
5 G では100倍にし、1万台程度の端末が同時にアクセスしてもきちんと接続できるようになっています。
 
5 Gは活用可能性の追求が最も重要ということ、そして活用の可能性を追求するためのエコシステムがすでに構築されつつあること、という観点において、日本は世界を大きくリードしているのです。
 
NTT ドコモと KDDI は産業用途の開発を積極的に進めていく方針であり、ソフトバンクと楽天モバイルは消費者向けの普及に注力するという方針であると考えられます。
 
NSA(ノンスタンドアロン)方式では、制御系の通信は4Gで行うことにより、エリアカバレッジを確保し、まずは端末ができる状況を実現します。同時に、データ系の通信に5 G を活用して、高速大容量通信を実現するわけです。
 
2020年代中には、すべての通信を5Gで行う「SA(スタンドアロン)」方式が実現されると予定されています。
5 Gスマートフォンの販売が開始される2020年に、日本はスマートフォン端末を値引きして販売しにくい、という独自の事情を抱えることになります。
 
国内 MNOの KDDI が動画配信サービスに通信料金にバンドルしたことは、通信事業者が通信ではなくサービスで差別化するというトレンドをさらに加速させる重要な一歩となりました。
 
2018年4月には「キャッシュレス・ビジョン」公表されました。
 
「大阪・関西万博(2025年)に向けて40%以上のキャッシュレス決済比率を実現する」「将来的に世界最高水準の80%を目指す。」という宣言がなされており、産官学をあげた取り組みが進められています。
 
ソサエティ5.0の実現を通じて開発したソリューションによって、地場の産業や地方公共団体からの収入を得ることが、継続的な5G投資の原資確保の観点からも重要です。
 
高精細カメラを導入できるようになれば、AI に解析させる映像データ自体の質が高まるため、警備の質全体を高めることにつながるでしょう。
 
MONETを軸に、サービス事業者や自動車会社が連携し、MaaS の実現を推進していきます。
 
5G時代のビジネスモデルは、B 2 B 2X型が基本となると考えられています。
 
5G時代とは通信事業者によるセンター B 獲得競争の時代だともいえるでしょう。
 
5Gは通信事業者のビジネスモデルを、B2Xから B 2 B 2X に転換します。
 
高速大容量かつ柔軟性の高いネットワークを提供することで、通信事業者はセンター B 事業者の事業開発を促進する、いわば「ビジネスインキュベーター」のような存在になると考えられます。
 
いち早く商用サービスを開始した米国や韓国においても、5 Gサービス対象となっている都市での契約者から、5 G の電波を受信しづらかったり、期待するような通信速度が出なかったりといった報告がなされています。
 
5G時代ならではの新たなサービスやコンテンツ、端末が生み出されることが何より重要です。
個人情報を取得する際に、あらかじめ本人に利用目的を明示することが必要であり、個人情報を他企業など、第三者に提供する場合には本人の同意が必要となります。
 
個人情報に加えて、個人を特定できないが、個人に紐付くようなデータまでを含めて「パーソナルデータ」と呼ばれています。
 
重要なことは、各種の規制は個人情報の取扱いを厳格化するものであって、必ずしもプライバシーの侵害を防ぐものではないということです。
 
パーソナルデータを事業者に提供する対価として、金銭やポイントといった直接的な便益を提示すると、比較的受け入れやすいという結果が出ています。
 
国内でも複数の事業者が情報銀行に参入しています。
 
電通グループのマイデータインテリジェンスは、2018年11月に「MEY」という情報銀行サービスを設立し、2019年7月からサービスを開始。2019年4月には、この情報銀行サービスを利用する一般の利用者1万人の公募を始めました。
 
サービス提供事業者が大量に取得したパーソナルデータでスコアリングを行い、自社の業務高度化効率化するというわけです。
 
より多くのデータを登録する利用者は、実際にクレジットスコアリングが高くなる可能性があるとも考えられます。
 
5Gと AI によってパーソナルデータ取得競争が激化し、あらゆるビジネスにおいてスコアリングが行われる社会となることが想定されます。
 
地方公共団体は5G環境が構築されるのを待つのではなく、5 Gをいかに活用するか、そして更なる5G投資を呼び込み、環境で阻止される産業を活性化していくかを考えることが求められます。

 

【目次】

プロローグ 202☓年、ある日の風景

第1章 5Gが話題になる理由

第2章 5Gが変える世界

第3章 ビジネスをどう変えるのか

第4章 5Gがもたらすリスク

第5章 5G時代に我々は何をすべきか

【3.本書の感想】

5G、5Gと言われていますが、実は、スマホに関して言うと現状では、4Gで十分なんです。
 
5Gを活かそうとすると、例えば、折りたたみのスマホにして画面を大きくする等しないと、5Gである必要性はないそうです。
 
という訳で、新しい端末、サービスが出てくることが、個人レベルで進化を実感できるポイントとなります。
 
今後のサービスがB2B2X型になると言うことが勉強になりました。
 
今までB2Xの場合は、ドコモ→個人でした。
 
B2B2Xは、ドコモ→業者→個人というビジネスモデルになるので、今までのようにドコモやソフトバンクが表に出てくることは少なくなるそうです。
 
大量のCMによって、ドコモの様な通信事業者が、高感度上位になるような事は無くなるかも知れません。
 
徐々に広まってはいますが、情報銀行という企業のサービスにより、私たち個人個人にスコアが付けられ、中国の芝麻(ジーマ)信用の様に、生活においてそのスコアが信用基本となる社会になるかも知れません。
 
これは、自分で情報を提供ればするほど、スコアが高くなる仕組みですので、良くない情報であっても、情報を提供しない人よりはポイントが高くなると言われています。
 
点数が高いうちは良いですが、点数が悪くなると住みづらい世の中になるのかも知れません。
 
もっと夢のある5G時代を見せて欲しいですね~(笑)
 
5Gのことがよくわかります。
 
5Gどれを読んだらいいいのとお困りの方はこちらをどうぞ!

5Gビジネス (日経文庫)

 

 こちらは、米中戦争の真相がよく分かります。

www.fukuikeita21.com

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!