京都のリーマンメモリーズ

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【書評】伸びる子どもは○○がすごい 榎本博明 日経プレミアシリーズ

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【1. 本書の紹介】

伸びる子供は○○がすごいって、○○って何なんでしょうかね?

 

子供を持つ親でしたら、とても気になりますね。

 

この本は、最近再びブレイクしそうなので、紹介させて頂きます。

 

なんと、この本では、最近の教育の風潮に異を唱え、本来あるべき教育の姿を示しています。

 

なんとなく世間で言われているような子育てをしているが、上手くいっていないなと思う方には、とても参考になると思います。

 

さて、伸びる子供は何がすごいのでしょうか?

 

伸びる子供に育てるためには、何が必要なのでしょうか?

【2.本書のポイント】

ヘックマンは、小学校に入る前の教育がその後の人生を大きく左右することを実証してみせた。しかも、就学前教育で特に重要なのは、IQのような認知能力、いわゆる知的な能力を高めることよりも、忍耐力や感情コントロール力、共感性、やる気などの非認知能力を高めることだということを見出した。

 

教育までがサービス産業化し、学校がサポート環境をいかに整えているかを売り物にする動きに対して、常々疑問を感じてきたものだが、面倒見の良さが失敗を過度に恐れる真理を生み、自発的な動きを妨げているのではないだろうか。

 

大切なのは、失敗することの意味や価値をしっかり認識することである。だれだって失敗はしたくないが、実際には失敗することもあるし、ときに失敗するのも悪くない。そのことに気づくことだ。

 

子育てや子どもの教育も、惜しみなく手をかけるべき仕事であり、そこにコスパという発想を当てはめるのは適切とは思えない。

 

このところ注意されたり叱られたりすると傷つき落ち込み、立ち直れない若者が増えているとしたら、心を鍛え、レジリエンスを高めるという子育てや教育がなされていないところに問題があると言って良いだろう。

 

「ほめて育てる」「叱らない子育て」というのは、親が楽をすることには貢献しても子供の為にはらない、褒めて育てれば自己肯定感が高まると言われてきたが実際は低下の一途をたどっており、傷つきやすい若者、我慢できない若者、頑張れない若者が世の中に溢れるようになっている。

 

大事なのは、挫折状況をなんとか耐え抜く精神力、多少苦手なことでも出来る限り頑張ってみる意欲、できないことをくよくよ気にするより気分転換してできることに全力を傾けられる楽観性、好きなことや興味のあることに我を忘れて没頭する集中力などを見つけておくことである。すなわち、自分の生きる道を力強く切り開いていける自発性や忍耐力こそが、本当になくてはならない能力であり、幼いうちから培っておきたい能力なのである。

 

自然というのは、なかなかこっちの思い通りにならないところがあり、自然体験は思い通りにならない人生を生き抜くための忍耐強さや知恵を与えてくれる。さらには、自然との触れ合いは、感動する心や待つ心を育ててくれる上に、あらゆる発想の源にもなる。 非認知能力というのは、自分を動機づける能力、長期的な視野で行動する能力、自分を信じる能力、他者を信頼する能力、自分の感情をコントロールする能力などである。

 

我慢する力、衝動をコントロールする力、必要に応じて感情表現を抑制する力など、自己コントロール力が高いほど、大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかったのである。

 

実際に EQ が高い方が、ストレス対処能力が高く、学業成績が良好で、職業適性高度が高く、社会適応が良く、人生の幸福感が高いことなどが報告されている。

 

ストレスに強くなり、症状が出るのを防ぐためには、社会的スキルを身につけることでストレッサーへの抵抗力を高めることが大切だということである。

 

ほめられるばかりで、叱られることがなく、たえずポジティブな心理状態に置かれることで、ネガティブな心理状況を持ちこたえる力が弱くなっている。

 

いくつかの日米比較研究を見ると、アメリカの親は、自信のある子、自己主張のできる子、リーダーシップのとれる子になってほしいと言う発達期待をもつ。それに対して、日本の親は、思いやりのある子、従順な子、感情をコントロールできる子になってほしいと言う発達期待をもつ。

 

自分の中の自信のなさや不安としっかり向き合い、それを成長につなげていくことが大切なのである。

 

不安のようなネガティブなものを排除しようとせずに、不安を利用してより完璧な準備をして失敗を減らしたり、思い出すと嫌な気分になる失敗経験を忘れるのではなく教訓にして、失敗を二度と繰り返さないようにするというように、ネガティブな心理を活かすような心の構えを意識して持つことが大切である。

 

「誰だって失敗することはあるよ」「挫折を経験することで人は強くなっていくんだよ」「結果が全てじゃない。頑張ることで力がつくことが大事なんだ」「頑張った時の爽快感はかけがえのないものだよ」などといった趣旨の前向きの受け止め方に気付かせるような声がけも有効だろう。

 

「頑張り」つまり「努力」をほめられると、努力する姿勢に対する期待を裏切りたくないという思いが強まり、もっと頑張らなくてはといった思いに駆られ、恥ずかしい課題を選ぶことになりやすい。結果よりも努力する姿勢にこだわるため、チャレンジしやすくなるのである。

 

教育や子育てで大事なのは、過保護にして挫折から守ってやることではなく、挫折を経験させつつ、挫折に負けない力をつけさせることのはずである。頑張って逆境を乗り越える経験をすることで自己効力感が培われていく。「自分もやればできる」と思えるようになる。だから厳しい状況でも頑張り続けることができる。

 

粘り強く、頑張り屋の子供の家庭には、やはり頑張る姿勢を持つ親がいるものである。どんなに困難な状況でも諦めずに頑張り続ける子供の家庭には、レジリエンスの高い親がいるものである。

 

「よし、頑張ろう」「諦めないでやってみようか」などと言うように、前向きで粘り強さにつながる言葉がけを意識したい。

 

なんでも売り物にする時代である。カウンセリングマインドを子育てように商品化する動きに、惑わされないようにしたい。

 

心の負荷も同じだ。小さな失敗や苦しい状況を繰り返し経験することで、失敗や環境に対する免疫力が高まり、多少のことでは傷つかない、たとえ傷ついてもへこたれずに頑張ることのできるタフな心が作られていく。

 

ダメなことはダメときっぱり伝え、わがままや規則違反が通用しないことを基準として示す厳しさの中で、子供の心は鍛えられていく。今強く求められるのは、「傷つけない」子育てでなく、「傷つきにくい心に鍛える」子育てであり、教育であろう。

 

日本の子育てが混乱しているのは、「こうあるべき」という枠組みが緩み、崩壊していることが影響しているのではないか。

 

あえて提言したいのが、次の2点である。

①子供が失敗することで傷つかないようにといった配慮をしすぎない

②失敗して傷ついた子供をサポートしなければと思いすぎない

 

結局のところ大事なのは、子供の力を信じて温かく見守ることなのではないだろうか。直接的サポートを受けて立ち直るばかりでは、自分で立ち直っていく力が鍛えられない。そのことを大人の側が十分に自覚して子供と関わっていく必要があるだろう。

 

【目次】

プロローグ

第1章 「頑張れない」「我慢できない」

    -今の子供時代に足りないもの

第2章 早期教育に走る親たち

    -はたして効果はあるのか

第3章 幼児期の経験が将来の学歴や収入を決める?

第4章 子ども時代に非認知能力の基礎をつくっておく

第5章 子供時代の習慣形成でレジリエンスを高める

おわりに

【3.本書の感想】

つまり、伸びる子供には、しっかりした親の存在があると捉えられます。

 

・・・あいたたた。(笑)

 

そうですね。

 

子供がしっかり育つかどうかは、親の教育次第ですもんね。

 

最近、子供に対して叱らないとかほめて育てると言う風潮があり、叱らない親が増えましたね。

 

その関係か、我慢できない若者、すぐ凹む若者が増えていると言われます。

 

この本は、最近のほめて育てるという、子供を傷つけない教育が主流になってしまい、親が、本来やるべき、子育てを放棄していると指摘しています。

 

ほめること自体が悪いことだとは思いません。

 

きちんと叱ることは叱って、その努力した点に対してはしっかりとほめる。

 

ほめること=叱らないこと ではないと言うことです。

 

社会全体的に、子育てについては緩んで来ていると思います。

 

感情にまかせて怒るのではなく、ダメなところはダメだとキチンと叱れる親にならないといけないと思いました。

 

この本、最近売れています。

 

我々が忘れかけていた大切な子育てのポイントをしっかり伝えてくれていると思います。

 

子育てとは、ほめて育てるんだ、叱っちゃダメなんだと思っている方、手遅れになる前に是非、この本をご覧ください!

伸びる子どもは○○がすごい (日経プレミアシリーズ)

 

子供が勉強しなくて困っている方は、遊び心満載のこちらをご参考ください

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【4.関連書籍の紹介】

ほめる事は悪い事ではありません。

一般社会においてはむしろ足りていない潤滑油だと思います。

子育てには、ほめる、叱るを上手に組み合わせる事が大切です。

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最近の子供が危機なのは、読解力がないことです。

AI研究の先端を行く新井先生は、今の子供に危機感を抱いています。

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天才ってどんなことをしていたのでしょうか?

天才ってどんな資質をもっていたのでしょうか?

天才と言われる人たちは、それぞれに違います。

私達にもチャンスがあるかもしれません!

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こちらは、本の読み方を説いています。

大人が理解して、子供に教えてあげられたら、素晴らしいと思います。

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読書は読んでいるだけじゃダメだと、グサッと心に刺さることを言われます。

考えて読む。それが大事です。

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お父さん、お母さんが勉強する姿をみせるのも、子供にとってはとてもいい教育です。

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 最後までのお付き合いありがとうございました!